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新型コロナ……PCR検査を受けたくない理由と話の分かるお医者さん

 我が家の「かかりつけのお医者さん」は、来年で40歳になる、壮年期の溌剌とした男性。

 最近、その医師に、
「先生、お伺いしたいことがあるんですが……」
 質問した。

「なんでしょう?」
「こちらでは、インフルエンザの検査をしていただけますよね?」
「はい。インフルエンザもコロナも、両方できますよ」

「もし、私が40度近い熱を出して、こちらでインフルエンザの検査を受けたとしますね」
「はい」
「その結果、陰性だったとして、では他の原因は何だろうということになりますね」
「ええ」
「そのとき先生は、じゃあ新型コロナの検査をしましょうって、なりますか?」
「え?」

 私は、いわゆる新型コロナウイルスの陽性検査を受けたくないと言い、その理由として、

①新型コロナウイルス感染症は、風邪の一種と考えていて、深刻な病気と捉えていない。
②新型コロナウイルスの陽性検査を受けると、まだ感染しておらず、曝露した状態でも陽性の判定が出てしまう可能性がある。
③そうなると、陽性者=感染者として扱われてしまう。
④そうなると、保健所から職場の同僚に確認が入り、濃厚接触者が洗い出され、陽性検査が求められる。
⑤職場の同僚が陽性検査を受ければ、やはり『感染しておらず、曝露した状態でも陽性の判定が出てしまう』可能性がある。
⑥職場で、続々と陽性判定者が発見される事態に陥れば、それら全員が自宅待機などを求められ、下手をすると職場が崩壊し、ついに私は職を失う恐れがある。

 ……と述べた。

 つまり、新型コロナウイルス感染症そのものの病気としてのマイナスより、陽性者=感染者とされることによる実害の方が、はるかに深刻ということである。

 指定感染症から外してしまえば、こんなバカなことは起こらなくなる。

「なので先生、もしインフルエンザが陰性でも、私は、コロナの検査をしてほしくないんです」
「ふむふむ」
「それでも先生は、『いや、やっぱり新型コロナは恐いから、PCR検査とか受けなきゃダメだよ』と仰いますか?」

 すると先生は、アハハハと高らかに笑ってから、
「なるほど、分かりました。まあ、医者の立場から、本当はこんなことを言ってはいけないのですが、確かに偽陽性が出る率も高く、ご指摘のような問題が起こることも承知しています」
 真顔に戻して頷いた。

 そして先生は、
「患者さんの状態に合わせて、ケースバイケースで医療対応をしますので、十楽さんが、そのようなスタンスでおられるのなら、それを尊重して、無理やりコロナの検査をやるようなことは、いたしませんよ」
 心配しなくて良いと言ってくれた。

 話の分かるお医者さんで良かった。