レジまでの推理 2024/05/20

『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』著:似鳥鶏  を読んだ。


めっっっちゃくちゃ面白かった〜〜〜!!!!!!!!!!


私は元書店員で、コミック部門の裏方を2〜3年くらいやってたんだけどあるあるネタ満載ですごく懐かしくなった。

書店員って割とのんびりしてるというか落ち着いて仕事してるイメージが多いかもしれんが実はやること結構多くて大変だったりする。うちは大型書店だったからジャンルごとに部門が分かれてたけど、この作中の書店みたいな一般のところだったら全ジャンルを処理していかないとだろうからかなり忙しいと思う。

じゃあそんなに激務ならさぞかし給料や先行きはいいんだろうかというと正直そんなことはなく、時給はほぼ最低賃金で出版不況、活字離れと騒がれて久しい斜陽産業である。意外と厄介な客もいるし重労働で大体の書店員が腰とか肩とか痛めてる。

ではそんな書店員を裏方とはいえ何故2年も続けていたのかといえば、本当に、楽しかったからだ。

確かに心身共に大変なことは多いが、その分充実感もあった。私は特に漫画が好きだったからコミック部門で毎日色々な新刊が来るたび「この本出たんだ、帰りに買おう」とか「あの本めちゃくちゃ売れてる、やっぱ面白いよな」とか思いながら仕事してた。本の問い合わせが入って自分だけで探せたときは嬉しかったし、シュリンク掛けは黙々とできて楽しかった。特典を補充のたびに探してちまちまセットしながらシュリンクして品出ししたり、台車やブックトラックが足りなくて他部門から借りてきたり、人気作の新刊とかメディア化でバックヤードと倉庫がてんやわんやになったり、本当に色々あった2年間だった。

本当はずっと続けたかったけど、途中で体調を崩して出勤もままならなくなって、最後は強制的に退職届書かされて急に退職することになってしまった。最終出勤日、タイムカードを押したあとに他部門の先輩職員さんに花束とお菓子を貰ったとき辞めたくないって号泣したことをずっと覚えている。まあこのあたりの話は昔の日記で。

そんな思い入れのある”書店”や”書店員”の実情についてかなりリアルに、でもコミカルに描かれ書店ならではの謎解きやトリックが登場する『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』、マジでオススメです!!!ちょっと前の本だけどみんな読んで〜!!!

全国の書店と書店員に幸あれ!!!!!


探してる あの文あの絵あの言葉  何より未知の本との出逢い

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