「批判より大事なこと」

家からほぼ出ない生活を始めて二週間ほど経ちました。ここまで家に籠る生活はこれまでもこれからも恐らくないでしょう。私はあまり家に籠っているのが好きなタイプの人間ではないのですが、むしろ家から出るのが面倒になってきました。どうせならこの機会にやりたいことをめいっぱい楽しみたいと思っています。

とはいえ世間は、恐怖よりも怒りや苛立ちに満ちるようになった気がします。ネットは情報と批判の波、テレビは政治家やコメンテーターが議論をくり広げる場として、人々がただ主張を押し付けあうような状況になりつつあります。本当に強敵と日々向き合い戦う人々はごく一部の人であり、結局私たちができることは「家にいること」だけなのでしょう。情報を得るために報道番組やネットを見ますが、これだけ言いたい放題な世の中を見ているとなんだかとても悲しくなります。

綺麗事を言っている場合ではない緊急事態であることはもちろん理解していますが、だからといってむやみやたらに批判を繰り広げる必要はあるのでしょうか。誰かが批判しなければ変わらないのも事実ですが、批判をするより家にいることが何倍も日本のためになるような人々がほとんどなのではないでしょうか。自粛によって金銭的に困窮している人や政府の方針によって苦しんでいる人々が政府を批判することは間違っていないかもしれませんが、そういう政治をする人を国の代表に選んでしまった私たちにもきっと非はあります。日本人の政治無関心を見直さなければいけないということを突き付けられている、とも考えられます。

そして、今の日本がまだ外国のように大量の死者を出していないのは、多くの医療従事者の方々が尽力してくださっているからなのだと思います。私たちがそれぞれの立場でできることは、人によって異なりますが、何の力もない私のようなただの国民には家にいることと感謝することくらいしかできません。ひとつひとつは大したことがなくても、たくさん集まれば大きなものになります。頑張ってくれている人々のためにも、自分のできることを全うしていきたいものです。

暗いニュースが多いですが、そんな中でもたくさんのエンタメを届けようとしてくれている人々もいます。私たちがそれをしっかり受け止め楽しむことも、ある種の協力になるのではないでしょうか。ストレスがたまるのも当たり前な環境ですが、そんな時でも人を思いやる気持ちを忘れないように心がけたいと思います。

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