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稼ぎ0円という仕事。でも幸せになれる。

私は専業主婦です。
外で働いていない主婦です。

先日、クレカの申請をする際に年収を書く欄があったのだけれども、記入した金額は、

0円。

改めて、
お金を1円も稼いでいないとは。

周りの主婦友たちは、一番下の子が年長ぐらいの年頃になると、働き始める人がパラリバラリと出始め、子どもが小学生にもなると殆んどの人が働きに出て、小学生の子どもがいるご近所さんたちの駐車場は、昼間はきれいにガラガラだ。

あら、私だけ。
私だけ働いていないわ。

焦っていた時期がないと言えば嘘になるが、最低限暮らせるなら、稼ぎを増やすよりは、もうゆっくりしたい。というのが私の本音である。とにかく家でのんびりしたい。

一方で、外に出ないから、お金もかからない。おおよそ衣服、化粧品など、基本的に買い換えをしないので、一回買えば何年も事足りる。ランチもしないから、家で残り物を適当に食べている。

そして、家でのんびりする。
最高。

ところが、なぜか申し訳ないような気がしてくる。もっと頑張らないといけないような気がしてくる。罪悪感とも言えるかもしれない。私だけサボっているかのような罪悪感。

頑張る事が美徳であるような刷り込みが人生のどこかであったせいなのかもしれないし、元からそういう性格なのかもしれない。

刷り込まれた事を無かった事にするのや、性格を変える事は、できれば最終手段にしたい。なぜなら、それはとてつもない時間とエネルギーを使う事になるのを心の病になった経緯から私は実によく知っている。

もっと手っ取り早く、毎日家にいる事の罪悪感をなくせないものか。

そして思い付いた。

家にいることそのものを、私の仕事にしてしまえばいい。
家を消費する。という仕事だ。

仮に家が年月とともに消耗する物と考えた場合、使わないで置いておくよりは、使った方がもったいなくない。と思えたりする。

お金に換算すると、こうなる。
例えば3000万円の家に住んでいるとしよう。
仮に30年住む場合、一年住むといくらになるか。
3000万÷30年=100万円/年
月にすると、
100万÷12ヵ月=8.3万円/月
日割にすると
8.3万÷30日=2767円/日

つまり、1日家にいると、私は家を2767円分使いきった事になる。

そして、一年住み続けたら100万円をきっちり使い切った事になる。もう少し値段の高い家に住んでいたら、そそりたつ130万円の壁よりも多く消費できる事になるだろう。
逆に留守にすればするほど、家は人に使われず無駄になる訳だ。

このまま行けば、私は30年後には3000万円という大金を無駄にせず、きっちり使いきった事になるのだ。

これはなかなか良い仕事じゃないか。しかも、この仕事は最近よく耳にするSDGsの意図にも合致しているんじゃなかろうか、

もちろん、家の価値というのは人による。住んでいなくても、家がある事が何より安心するという場合もある。色々な考え方がある。
だから、私のこんな住まい方も、また、いいんじゃないか。と。

こんな一見どうでも良いことを、考えたり計算したりしている蛇足感が、また最高に幸せだったりする。

おそらくあなたが私をスーパーで見かけたら、髪も服も靴もボロボロのみすぼらしい悲しいオバサンに見えるかもしれない。稼ぎも0だし。しかし実のところ、案外幸せだったりするんです。

そんな訳で、お仕事は何ですか?と聞かれれば、消費屋さんです。なんて答えるのはいかがでしょう。

え?どうでもいい?
ですよね。ふふ。

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