社会デザインを軸にしたサスティナビリティは「テーマ」から「文化」へ - Border Sessions 2019 Report(1)

オランダハーグで6/12〜6/15で行われた、テックカルチャーフェスティバル Border Sessionに2度目となる参加をしてきました。タイトルでやや触れているようにサスティナブル・アプローチの社会実装や挑戦に関してはオランダではすでに当たり前な状態だと映りますが、その辺を数回に分けてまとめていきます。

Border Sessions自体がどのようなフェスティバルか?に関しては、昨年まとめた内容に詳しく記載しています。

昨年はワークショップで構成される「①Lab」と、登壇者によるセッションの「②Conference」の主な2構成だったものが、今年は「①Lab」「②Festival Night」「③Summit」と変わったものの、主に①のLab=Workshopを中心とした構成にはほぼ変わりありませんでした。むしろ今年は登壇系セッションを13日夜の数時間にまとめ、日中はワークショップを行う「①Lab」を中心とした構成にやや強めにシフトし、参加体験型のコンテンツを通じて「未来をどうデザインするか?」の濃い議論と実践を行うようにディレクションされていたように感じます。この辺にBorder Sessionsの名の通り「様々なボーダーが重なり合う」ことの特色が現れています。

今回の参加に関して主な理由としては、約30で構成されるLabのうちの1つを主催者として採用されたことにあります。

アメリカSXSWで実施した同じタイトルのイベントセッションを今回のBorder Sessions向けにアレンジし、約6時間のワークショップを行いました。こちらの詳細に関しては次回のnoteにてまとめますが、オランダ現地でフード×デザイン×サイエンス×カルチャーのワークショップを行えたことに、かなりの学びと洞察を得ることができました。

さて、タイトルにもあげたようにBorder Sessionsの主題には「サスティナブル = 持続性」や「サーキュラーエコノミー = 循環的経済」があります。ただしここでオランダのユニークさが際立つのが、それを「テーマ」として単に扱うのではなく「文化」として定着させる動きが目立つことです。

こちらはConcious Designというチームの「UniBrick」。デルフト工科大学の卒業生が立てたスタートアップで、こちらのブロックは廃棄される予定のプラスティック6Kgから、このブロック1つがつくられるとのこと。このブラスティックレンガを使い、建築物や什器などを作るようです。
通常、1Kgのプラスティックを作るのに2リットルの石油を使うらしく、このブロック一個で12リットルの石油に相当するとのこと。仮にそれらを焼却したとしたら72Kgの二酸化炭素を生むようで、本取り組みは環境負荷を下げながら新しい価値をすでに具現化している、非常にオランダ的ないいモデルだと感じます。

こちらも同じ、デルフト工科大学のプロジェクト。
大雨で浸水の多いフィリピンの家屋を浮かぶ形にするためのデザインプロジェクトで、すでにプロトタイプのフローティングハウスは稼働しているようです。組み上げるための材料は手に入りやすい現地の竹や木、ドラム缶などを用い、設計図も基本的にオープンソースなプロジェクトとのこと。

将来的には浮かぶ1つの家を1個のモジュールと捉え、横や縦に連結させることで街のような機能性を持った家屋群にしたいとこのと。この辺は現時点でのコンセプトイメージですが、水による被害も多い日本にも、そのエッセンスの一部は有効的に利用できる可能性を感じます。

今年のBorder Sessionsを始めとしてオランダにおけるサスティナビリティの現状について、オランダ在住のNeuromagic Amsterdam代表である吉田和充さん曰く、

オランダではすでにこのような状況のようで、先ほどのデルフトの2つのアプローチといいサスティナブルは「取り組むべきテーマ」ではなく、すでに社会実装されたもの/プロトタイプとして具現化したものを、未来に向けてどう評価するのか?の「成長させるための文化」がすでに息づいているように感じます。

ひとまず今回はこの辺で。
次回は我々が行ったワークショップについて触れていこうと思います。

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望月 重太朗

REDD inc. 代表取締役 / Design Director。武蔵野美術大学 非常勤講師。UMAMI Lab 主宰。デザインR&Dをテーマに、サービス/プロダクト開発、デザイン戦略開発、クリエイティブ教育の開発、海外との協業によるメソッド開発などを行っています。

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