日本という特殊性―皇室論―

平成18年10月22日の記事。http://blog.livedoor.jp/k60422/archives/50569783.html

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 どこの国でも、最初は土俗信仰を信じていたわけである。それは多神教である。元来、世界では(特にキリスト教圏において)、アニミズム→多神教→一神教 と「進化」すると考えられてきた。これはヨーロッパを最上とする近代欧米の驕りの中で作られた学説だ。

 近年ではこれに代え、本源一神教的アプローチがなされるのだという。これは「どんな宗教も一神教の要素を兼ねそなえている」というものだ。

 日本の神道で言うならば、その機軸(中心)は太陽神信仰である。これは神道がどんなものにも神の存在を感じつつも、太陽をその中心として捉えていたことを意味する。

 今、世界の宗教はこうした土俗的な部分が残っている宗教は少なくなり、キリスト教やイスラム教などのように、宗教としては洗練されているが、洗練されているがゆえに人工的要素の強い宗教が主流となっている。

 翻って日本。人によってさまざまな見方があるが、私は日本人は無自覚的に熱心な神道の信徒だと思っている。日本の国教は神道だと思っている。神道は八百万の神といってどんなものにも神の存在を感じるのが特徴といわれる。だから、日本人は神がたくさんいることに疑問を感じない。仏教で葬式をしつつも結婚式はキリスト教、七五三や初詣には神社に行くけどいざ唱えるのはナムアミダブツという状況に疑問を覚えない。これは日本の神道の伝統を受け継ぎ、仏教やキリスト教の神々、仏さえも神道の神の一つとして捉えているからではないだろうか。それ以外にこの状況を説明できる方法がないのだ。

 さて、日本の土俗信仰、民族宗教である神道は太陽神信仰を機軸としている。それは天照大神として日本の神話でも中心として出てくる。そのアマテラスの子孫こそ、今の天皇家である。天皇家は何ゆえ日本の元首として存在すべき存在か。それは日本の土俗信仰と直結した存在だからである。

 ゲルマン人の諸部族の族長(王―キング)の系図は、ゲルマン神話の神々とつながっているそうだ。これはギリシャなどでも同じだ。これは日本の天皇家の構図と全く同じだ。つまり天皇家は日本の民族神話と直結した存在であるからこそ、日本民族の族長なのである。

 さて、元来世界中に存在した族長の一人である天皇家。しかし今でも残っているのは天皇家唯一つなのである。ヨーロッパ等のこうした神話と連なった存在としての王はすべて戦争等で滅び、今王政を抱いている国もそのすべては民俗信仰に連なった王を倒した、もしくは倒した王をまた倒した存在なのである。結果、日本の天皇家は世界で一番古い王家となっている。日本は古代の型を踏襲している、いわば世界で一番その存立基盤、存立意義が確たる存在なのである。天皇家は日本民族の族長であり、神話と連なった存在であるからこそ、万世一系が求められるのである。

 皇室とは日本の土俗信仰である神道と、日本の神話を存立基盤としている、日本民族の族長である。世界でもっとも古い起源をもつ皇室をもつ我われ大日本帝国は、まさに万邦無比の存在であることをここに確認しておきたい。

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