21年、個と全体の戦いに終止符が打たれるか

中国に代表される「全体主義」。「個人主義」を代表する欧米。それを倣いミドルパワーの主軸であろうとする日本。

「全体主義」の力を見せつけた新型コロナウィルス対策。自身の苦境を強く訴え続けた米国の亀裂。様々な石を一つにまとめようとしてまとめきれない欧州。”全体 対 個の戦い” は「全体の勝ち」と見えた2020年。

今年3月の終わりころには世界経済が空前の繁栄の始まりを見せるのだろう。その経済に押され5月には「人類の未来の明るさ」に眼が眩むほどになる。だが・・・

個々を際立たせる明るさも、それ以上になると輪郭を失い白一色となる。白が全体となるのだ。絶好調経済に乗じた個の優位が強すぎれば、ここでも白全体の勝ちとなる。

その一色の底辺で赤が全体を覆う。なぜか。まばゆい層を陰で支えてきた人々が染まっていくからだ。その人たちの本音は「輝きたい」のだという。だが、まばゆい層へ這い上がろうにもデジタル・デバイド(情報格差)で、その超高速に経済を回す層には入れない。入ろうと手を伸せばデジタルの研磨に削り取られていく。そのまき散らされた血で赤く染まるのだ。

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ぼくは、白い世界は好きです。赤・青・緑・黒でも灰色でもきれいに見せてくれます。面白いのは、「一片の曇りのない白い人々」は日常ではほとんど目にすることができないということ。

ぼくは、何色か。個であり続け白の世界で存在し続けるには色が必要。けれども、自身の色は他人にしかわからない。ひょっとしたら、赤色が見え隠れする複雑な色の組み合わせなのかもしれません。

デジタルで "個" を見失っていく世界。その始まりの年が2021年でないことを祈りつつ。


脱炭素の主役 世界競う

#日経COMEMO #NIKKEI

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