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巨大化で生き延びられるか、かつての分割企業

NTTや郵政、そして国鉄。官から民へ、更に分割で競争社会へ。わたしはその流れをリアルに見てきた年代です。政治も労働界もひっくり返る活劇だったと記憶しています。

その後の平成不況。その間に世界はGAFAを中心にして情報革命が足早に進行していきました。日本では、あの活劇が完全に忘れられていたと思い返すのです。今、また、政府主導ともおもえる "巨大化" が始まろうとしています。けれども、社会をひっくり返す熱量がない。

GAFAが何故に巨大な企業群となりえたか。情報革命の熱量で利用者が活発になれたからだと思うのです。今、日本は冷えているのではないでしょうか。"精緻な炉" を作っても、湿気た材料では燃え上がらない。幾度も火種を投入することになります。政府の風を ”権力の鞴(ふいご)” で過呼吸症状が出るまで吹付けつづけなればなりません。

コロナ禍で、鉄道も郵便も冷え切っています。本来の熱量を持つべき情報関連も "東証システムダウン" に見られるように社会がひっくり返るような反応が全くない。

「砂上の楼閣」。いくら立派な建物をつくりあげてもその土台がしっかりしていなければ、やがて傾きます。利用者たる国民の熱量を上げなければ、本当の意味で "革新" は生まれず、"核心" である「世界で戦う」事もままならず、「ゆるぎない地位をもつ日本企業」という "確信" を国民が得ることにならないのです。

今回は、「なぜDOCOMOの熱量が下がったのか」を真剣に省みて欲しいのです。「移動通信網で実現する、積極的で豊かなコミュニケーション(Do Communications Over The Mobile Network)」を目指していた頃の熱量を再び取り戻すために、何をしていかなければならないのか。

「小さくても、世界を変える」企業は沢山あります。その企業と競争で負けないように、本質を突いた改革をお願いしたいと思います。

#日経COMEMO #NIKKEI

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