見出し画像

環境がもたらす思考の質

築30年。

と聞くとどういう印象だろうか。

マイホームなら3回目の補修工事が終わってローンもそろそろ繰上げ返済が終わっている頃。一般的には古い建物で少し不安に思う築年数。

そんなビルの一室で私は常駐し、SEとして働いている。部屋の雰囲気は薄暗く、そこらに貼られた注意喚起の掲示の紙は黄ばんでおり、デスクには驚くほどの速さで埃が積もり、ロッカーは何かのダメージで凹んだままで何故か別のロッカー番号の鍵でも開いてしまい、蛍光灯は液漏れで火災探知機がなり消防が出動する始末。

こんな環境でイノベーションを起こすクリエイティブな発想は産まれてこないと思いながら、新しい技術に触れ、マネジメントにも精を出している。場が暗いという事が心底苦手な私は、沈みがちな気持ちを上げるためには色々と施策を打たなければならない。

食事のこだわり

事務所が暗い中で、自席で食事をしてはいけない。雰囲気に当てられて高確率で美味しくないからだ。特にコンビニ食で済ますと驚くほど味がしない。例えコンビニで済ませたくても公園やベンチなどで美味しい空気の中で食べることを心掛けている。

以前作業で伺ったとある工場の食堂で注文した際、工場の職員が大勢ひしめく中で、古めかしいトレイに置かれた食事にどうしても美味しいと感じることができず、午後の仕事は気落ちした状態で過ごした記憶がある。特段グルメではないのだが、美味しいものを美味しく食べるというのは、その後訪れる時間帯のやる気に直結する。

創造する環境

集中して何かアイデアを出すことは、内発的な動機が十分ないと成されない。抑圧された環境ではアイデアを出す意識が働かないし、創造性は著しく下がるだろう。

また、スケジュールに余裕がなく雑務に追われていては自由のある発想が出来ない。自身が身を置く環境はアイデアに没頭できるよう工夫が必要だ。

一例として、クリエイティブ・オフィスというスタイルが導入されている。従業員の創造性を高める環境をデザインし、随所に社風を感じる空間を配置している。従業員は幸せに働く事が約束されており、アウトプットの最大化に組織として取り組んでいる。

他にはカフェやコワーキングスペースは集中して単調作業をこなすのに向いているし、個室環境は試行錯誤が必要なクリエイティブな作業に向いている。同僚と話し合える空間は、同じ立場、似通ったスキルの人材同士が議論しながらスクラムを組んで研究や製品開発する環境に向いているし、パーティションで区切られたデスクはテクニカルサポートなどに適している。誰彼問わずタコ部屋のようなプロジェクトルームに押し込めば仕事を最高のパフォーマンスでこなせるわけではない。

6月。雨の季節。曇天、雨模様が続くと気分も晴れない。明るく、その仕事に適した環境になるべく身を置いて、思考を明るくする努力をしよう。

創作意欲の支えになります!