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病床経過報告④発疹と発熱と食事

9月も半ばに差し掛かり、入院してから約2ヶ月が過ぎた。穏やかな日々が暫く続いていたが、入院生活とはなかなか油断ができないもで、体調がいい日が続いたかと思うと、ある日突然体調が急に悪化したりする。健康体の時に比べて抵抗力が弱まっている時は、様々な合併症や病の危険性にさらされている為、もともとの病気だけに集中したいのに、時に思いがけず障害が入ったりする。

まずは発疹が体に現れた。念願の食事が再開された直後目の下が赤く染まったのが第一症状。その後腕、腹、背中や足など、体全体に赤いあばた模様が浮かび上がった。それはボコボコと起伏があって少し気味が悪く、時に痒みを伴った。原因としては食事のアレルギーか薬のアレルギーという事で、なかなか特定が難しいという事らしかった。発疹が出る直前、チョコレートを食べてもよいと医師から許可を得られていたため、嬉々として大好きなチョコを食べていたのだが、発疹の原因の可能性があるかもしれないとして止められてしまった…。(現在はOKが出た)対処としては原因の可能性のある薬をストップし、点滴からステロイドの投与と塗り薬の塗布を行なっている。現在は落ち着いてきており、経過観察中だ。

次は高度の発熱。ある日の夜、熱っぽさを感じて体温を測ったら38度9分。38度代は割とよくある数字ではあったが、寝る前には苦しくなって40度を超えていた。解熱剤を投与してもらい、その日はなんとか眠ることはできたが翌日の明け方からが地獄であった。体温はやはり40度越え。寒気とだるさの他、血圧も低く、ろくに声を発したり動くことができない。解熱剤を投与するもすぐに40度に戻ってしまう。首筋を氷枕で冷やしたり、病室の室温は低いわけがないのに電気毛布を用意してもらって、温度をMAXにして温めたりもした。昼前に血液内科の先生が来て、抗生物質の投与、血圧を上げるための点滴の投与、酸素の供給と心電図による管理などテキパキと対処してくれて何とか持ち直したものの、今までの発熱の症状の中で一番辛い瞬間だった。その日の夜にはまた発熱してしまったが、的確な対処によって翌朝には体調が安定した。もうこんな辛い発熱は御免被りたいところだが、原因とは腸管にいたウィルスが血液に入り込んしまったからであるらしい。健康時であれば自身の抵抗力で対処できるはずが、抵抗力が治療によって弱まっていた為に発症してしまった、という事だ。本当に毎日何が起こるか分かったものではない。

ところで、良いこととしては食事ができるようになったことだ。過去にも何回か食事が出たことがあるが、その度に腹痛が出たり、病変があったりでストップされ続けていた。飴玉を舐めながらNetflixで「孤独のグルメ」を観ていた私にとっては無上の喜びであった。まずはドリンク剤から始まり、三分粥三分菜食、今日からは7分粥7分菜食にアップグレードされた。(数字が上がるごとに流動食のようなものから固形物に近くなる)。絶食後の食欲は凄まじく、味噌汁やお魚や野菜がどれだけ有り難かったか…。飲み物は炭酸とコーヒーはNGだが自由度高く摂取できる。ファミマでオーダーできるホットミルクに、バンホーテンのココアパウダーを入れて飲むのが最近のお気に入りだ。今日は父親がセブンイレブンのプリンを買ってきてくれた。プリンなどいつぶりなのか最早わからなかった。甘いものに飢えていた私は、プリンとはこんない美味いものだったかと感動した。スイーツは人を幸せにする。

体調が急に悪化したり、薬で緩和されたりと、体調がコロコロ変わると自分の体は一体どうなっているのだという気がしてくる。その不確かさが不安を与えたりするのだが、現実は現実として受け入れねばならない。何か起きたら起きたで何とかなるだろうと、楽観的に考えるのも精神衛生上重要だ。これまで沢山の痛みや苦しみを乗り越えてきたという自信はある。

来週からは3回目の治療が開始される。それまでに体調を整えていきたい。

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