くまつ

否定から入ることで我が子とのレスバに差をつけて勝つ

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最近の記事

ディストピアを、生き延びる

『1984』という作品を読んだことがあるだろうか。『1984』で有名なジョージ・オーウェルの傑作である。詳細なあらすじは伏せるが、フィクションでありながら現代社会にも通底するような世界を描き出していることで今ひそかに話題となっているという。 具体的な概要を述べさせていただくと、以下のようにまとめられるだろう。思想・言語・恋愛などあらゆる権利に統制が敷かれ、行動のすべてが監視されている世界で人々はどう生きるのか。ビッグデータが幅を利かせたことにより、監視社会が到来した世界で人

    • 暇を、潰す

       ラッセルの『幸福論』が登場するで有名な『狂四郎2030』アルカディア編であるが、読後感が中々に悪いので元気な時に読むことを勧める。実際その内容に目を通してから、私の心の中に満たされない隙間があることに気づいた。 幸福とは何か。何をすれば私は満たされるのか。寝る前にスマートフォンに指を無造作にぶつけて時間を潰していることに意味はあるのか。 きっと意味はないだろう。これはきっと「浪費」ではなく「消費」だ。ただ満たされないパッケージ化された概念を貪っているだけである。 インプ

      • お菓子を、買う

         冒頭からクライマックスを書くのはネタバレを好まない私からすれば嫌で嫌で仕方ないが、要点を簡潔に述べる。いや、述べさせられると言い換えた方がいいだろう。  結論、私の人生はウエハースに乗っ取られてしまった。今こうして文章を書いているのも私の意思ではなく、脳に巣食うチョコレートが神経を通じて司令を出し、小麦粉でできた肉体を操作してただひたすらに世の中にアウトプットを続けている結果である。  低俗な身分の私は哲学界における落伍者未満のため、「自分が自分であること」について深い

        • 猫を、飼う

           猫を飼っていない人に尋ねたいのだが、なぜ猫を飼わないのだろうか。人生の目的を産道に忘れてきてしまったのか。  愚問かもしれないが改めて確認すると、生きることとは猫と関わることである。現時点で猫と無関係を貫いている方がもしこの世に存在するのであれば、それはもう生きてるとは言い難いとまではいかないが、遠からずな存在ではあるだろう。  もちろん私に関しても最近海外からやってきたミームによって、毎日頭がチピチピチャパチャパしているので、かなり生を謳歌している近況である。  さ

        ディストピアを、生き延びる

          映画を、観る

           「平日から映画を観るのは贅沢以外の何者でもない」と言えば、贅沢それ以外の何者かである「幸せ」や「満足感」の入り込む余地がなくなってしまうため、不適格な表現に思える。  それはそれとしてやはり映画は最高の娯楽である。  ポップコーンを片手に安楽椅子に座り、ただなんの気無しに映像を眺める。   スタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』の後半にもそんなシーンがあったような覚えがある。リマスター版にはないのかもしれない。  しかし一方で現代はチャップリンですら工場の歯

          映画を、観る

          地元を、語る

          皆様は「地元」にはどういう街であって欲しいと思うのだろうか。何故このような疑問を呈そうとしているかを以下でやや回り道をしながら説明しようと思う。  親族以外の方と会話したことがあれば、例えばバイト先で一緒になった彼と、例えば大学のペアワークで同じ班になった彼女と、こんな苦い経験をしたことがあるのではないだろうか。 A「こんにちは!」 B「今はもう夜ですけど…」 A「…」 B「…」  初対面の人間と話す際に共通の話題を見出すのは意外と難しい。同じ宇宙船地球号に乗る私たちで

          地元を、語る

          神話を、考える

           皆様はポケットモンスターに触れたことがあるだろうか。説明するまでもないと思うので詳細は省くが、その人気は『ポケモン赤緑』発売当初から指数関数的に増加の一途を辿っており、今や私よりも歴史のあるコンテンツにまで成長したと言っていいかもしれない。  私も御多分に洩れずポケモンで幼少時代を過ごしたのであるが、同時期に厨二病に罹患し、神話について考えるようになったのが本件につながる。  ポケモンの神話は『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』で描かれており、「アルセウス」というポ

          神話を、考える

          自己紹介を、する

           情報の濁流と言われて久しい現代社会において、書き手の自己紹介は最早不要であろう。  広大なインターネットの海の中の一坪にも満たない「私」を開示することなど、地球温暖化の解消どころか呪力増加に寄与することすらないことは最早周知の事実となっている。  ただ一方で、このモノローグを読むことができるほど電子の潮目を理解している探究熱心で命知らずのダイバーである皆様に対して、ある程度の歩み寄りをしなければならないという気持ちが私の膣内に存在することも事実である。  奥底に眠る暴

          自己紹介を、する