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八戸せんべい汁~in ローソン~

しばらく前に、ローソンで「青森フェア」を開催していました。
私も青森の代表的な製菓メーカーである、ラグノオの「ミックスフルーツのチョコレートケーキ」(これは秋田限定)や、「王林ちゃん監修のりんごコッペパン」などを楽しんでいたのですが、なぜか、1/29にフェアが終了しても、私の家の近所では、未だフェア品の一つ、「八戸せんべい汁」のカップ麺ならぬ、「カップせんべい汁」が販売されていたのです。
南部地方で中学校3年間あまりを過ごした私が、これを見逃すはずがありません(笑)。


八戸せんべい汁とは

ここで、少し説明を。
青森南部地方で「せんべい」というと、いわゆる「南部せんべい」を指します。一般的に煎餅は「米の粉」を原料として作りますが、南部地方の原材料は「小麦粉」。製法も全く異なっていて、南部せんべいの作り方は、大まかに言うと「クッキー」の作り方に似ているでしょうか。小麦粉と水、その他諸々の材料を練り上げて、専用の型に入れて焼き上げます。

かつての南部地方は「やませ」に悩まされた地域でした。あまり稲作に適していなかったために、小麦粉の文化が発達したと言われています。
いつの頃から食べられていたかは正確なところはわかりませんが、南部せんべいは、そんな南部地方の小麦粉文化の一つ。一種の保存食でもあり、当地の手軽なおやつ・軽食でもあります。

で、私が青森に住んでいた頃に驚いたのが、南部せんべいを汁物にも入れる、ということ。もっとも、この「せんべい汁」用の南部せんべいは普通の南部せんべいよりも、「煮込みに強い」特色があり、地元では「白せんべい」の名で売られていたと記憶しています。
また、変わったところで、せんべいで「お赤飯」を挟んで食べる風習もあったようです。私はついぞ経験しないままで終わりましたが……。

せんべい汁~by 八戸東洋株式会社~

さて、そんなせんべい汁が、まさかの「カップ麺」ならぬ「カップせんべい汁」スタイルで、期間限定で販売されていました。
製造メーカーは、八戸東洋株式会社とのこと。「マルちゃん正麺」などで有名な東洋水産のグループ企業だそうです。

販売価格540円はややお高い印象もありますが、まあ、ぎりぎり妥協できるお値段でしょうか。

さて、一般的な「せんべい汁」は、鶏肉や根菜類、きのこなどを入れた、醤油味の汁物です。
出汁は、カップの原材料名によると

• 醤油
• チキンエキス
• 鶏油
• 昆布エキス
• 魚介エキス

とありますから、東日本スタイルの「お雑煮」のような具材とイメージでしょうか。きのこが「ひらたけ」とあるのが、何となく青森っぽいですけれど(笑)。

蓋を開けてみると、こんなものが入っていました。
メイン具材の「南部せんべい」は、3枚入り。
ですが正直に言います。私だったら、この倍は欲しい^^;

ちなみに、南部せんべいは専用の型に入れて焼きますが、その型は「店独自」の模様をつけ、どこの店の商品かわかるようにした……と、昔、盛岡の「手作り村」で聞いたような気がします。
うろ覚えではありますが、確かに、多くのせんべいには独自の模様が入っていることが多いです。


そして、せんべいはそのままでも良いのですが、割って入れることが多いでしょうかね。
今回の八戸東洋のせんべいは、通常の南部せんべいよりやや薄い印象がありました。
多分、普通はもっと厚みがあると思います。
製品の「レトルトスタイル」に合わせるために、独自開発されたせんべいかもしれません。


そして、カップの中に具材、4つ割にしたせんべい、スープの素を入れます。
ここに熱湯400ccを注ぎ、蓋をして待つこと4分。

せんべい汁の完成です。

食レポ

今回のお味は、レトルトの割には?割とあっさりめの味付けでした。実は、レトルト食品の類は濃いめの味付けのことが多いので、私は滅多にカップ麺類を食べません。食べるのは、1年に1度あるかないか……。
ですが、これは素直に美味しかったです。
具材の鶏肉も、よくある「薄っぺらい欠片が、一切れしか入っていなかった」なんていうこともなく、そこそこ大ぶりの鶏肉の切り身が入っていましたしね。
これは、現地のお土産としても喜ばれるかもしれません。ローソンがまたこれを売り出すことがあったら、きっと購入すると思います(笑)。

また、せんべい汁を知らない人が気になるであろう、「南部せんべい」の食感について。
多分、一番近い食感は、「お麩」でしょうか。ただし、お麩よりもつるんとして、喉越しが良い。それでいて、もちもちとした歯ごたえも残っているので、やはりこれは南部せんべいならではの味わいです。
もっとも、普通の「南部せんべい」だと煮込みには弱く、ドロドロになってしまいます。ここはやはり、出来れば煮込み専用の「白せんべい」を使うのがオススメです。

もしも余ったら、すき焼きなどに入れても美味しいと思うんですよ、私は。
これもかつては、青森在住時にやっていました。もっとも、「すき焼き」の具材は牛肉ではなく、これまた南部地方の特産である「馬肉」を使っていましたけれど(笑)。
→南部駒の産地だったからか、馬肉も普通に売っていました。さっぱりとした味で、牛肉よりも私は好きです。


そんなわけで、青森南部地方に行かれる方がいらっしゃったら、一度せんべい汁をお試しあれ!
お土産としても、南部せんべいは割とお手軽なので、オススメです。

ちなみに、南部地方の他の「粉もの文化」については、こちらもどうぞ!

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