刑事事件にするべきだったのか

noteで二年も活動していると、「著作権」「クリエイターの尊重」の話は気になるところです。

私も、法律記事を書いたことがある人なので、法律が万能ではないことは知っているし、note社の対応も限度があるのは分かる。

その上で思うことを、書き連ねてみました。

誹謗中傷は絶対ダメ!~侮辱罪の厳罰化

まさかとは思いますが、

「誹謗中傷と言っても、所詮民事だから強く言ったもん勝ちなんでしょ?」とか、思っている人はいませんよね?
私が昨年誹謗中傷を受けた際に、頭をよぎったのは「民事事件では、note社は絶対に動かないだろう」ということ。
警察へ刑事事件としての相談を行なったのは、そのような事情もありました。

さらに、侮辱罪は今年の7月7日から厳罰化されています。


今回の改正で、ポイントは三つ。

1.懲役刑や禁錮刑が課されるようになった
→要するに、最悪の場合刑務所に行く可能性が出てきた

2.教唆犯きょうさはん(他人をそそのかして犯罪を実行させる)、幇助犯ほうじょはん(他人の犯罪を手助けする)が処罰可能になった

3.公訴時効期間が1年から3年に延長になった

私見ではありますが、なぜか「言論の自由」を声高に主張する人ほど、「刑事事件」として公訴される可能性を無視する傾向が強い。
もちろん「言論の自由」はある程度は尊重されるべきなのですが、そもそも発祥からして「国家が検閲などで民間の言論の取締りをしないこと」が前提として生まれた権利なのです。
私人同士には必ずしも「言論の自由」は適用されるとは限りません。
気が向いたら法律論として書きますが、「犯罪者になるリスク」まで犯して主張しなければいけないことって、何なのでしょう?

知っていました?著作権侵害は刑事事件として立件可能

私も著作権はあまり詳しくないのですが、今回改めて調べてわかったこと。
実は、著作権侵害は「刑法犯」として処罰可能です。

著作権等侵害罪は、結構罪が重いです。

第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

出典:e-GOV

ちなみに、noteに限らず他のSNSなどで発表した作品は、特にコピーライトを入れなくても、日本では自動的に著作権者の「著作権」が認められます。
私の場合は、一定の圧力を掛ける目的で、最近はコピーライトを入れることが多いですが。
(それでも、タイトルのパクリはやられた……)

それで思ったことは、法律を守る人は守るし、守る意思のない人は徹底的に自分のいいようにしか解釈しない。

一部の身勝手な人の理論が、noteを縮小させる

ワタシの記事は時折誰かに引用されることも珍しくありません。
ちなみに、「無断転載禁止」の文言を入れない限りは、基本的には相手方に特に許可を取らなくても、「引用」が認められています。(著作権法32条)
ただ、心配なときには相手に「引用許可」を取ると、スマートかな?と思います。

かつて誹謗中傷で悩まされたときは、「あなたの記事が話題です」のお知らせがトラウマになっていた時期もありました。
誹謗中傷のネタのために引用されているのは明らかでしたから。

noter同士のトラブルに、noteが立ち入るのには限界があるというのは、私だってわかっています。
ですが、そのたびに「法律論」を一から調べ、ご自身でお金も手間もかけて何とかしてくださいというのは、どうなのでしょう。

で、最近思うこと。
この手のトラブルが発覚するたびに、noteを離脱する人が出てくるわけです。
それはそれで仕方がない部分なのかもしれません。
でも、純粋に「みんなで楽しく交流をしたい」目的から様々なグループを立ち上げたり、企画を立ち上げたりする方もいるわけで。

一部の身勝手なクリエイターのために、純粋な動機の各種活動すら不信感を持たれたり、純粋に楽しめなくなる人も出てきているのではないでしょうか。
今の私は、そちらの方が心配です。

note内部でもコンプライアンスの共有を

noter仲間の記事で引用していただいたのがきっかけで、スージー・ワイさんの事件を私も拝読させていただきました。

実は、スージー・ワイさんが「内容証明」を暴露されたのは、丁度私が「誹謗中傷」を受けていた真っ最中と同時期です。
その時、私は相手から「note運営を敵に回した」という根拠のない投稿をTwitterで流されましたが、スージー・ワイさんの件を鑑みると、自分自身の経験も踏まえて、本当に法務部の情報漏洩があったのでは?と考えざるを得ません。
情報漏洩となれば、話は当事者同士の問題ではありません。noteにも民事・刑事上の責任が発生する。

私自身もnoteを長く使っていますし、公式マガジンにも度々取り上げられたり、note社員に「スキ」を押して頂いたりしたこともあり、比較的好意的に利用させていただいています。

それでもなお、「特定のユーザーが贔屓されている」と疑惑を招くような行動は、noteと多くのユーザーの信頼関係を損なわないためにも、謹んでもらいたい。
それは、単なるSNSではなく、「メディア」としてのnoteの役目だと思うのです。


今だから言えますが、昨年の今頃私がやられていた誹謗中傷事件は、年が明けた今年1月下旬くらいまで続きましたし、名前を変えてコメント欄に荒らしに来たこともありました。
(証拠を取った上でnoteに報告、かつこちらで削除)

これもなかなかひどかったですが(かつての親族まで脅迫されましたから)、そもそもnoteって自分の権利を自分で守るために、法律で論理武装しなければならない。そういう場でしたっけ?

時折法律論を語る私ですら、そう思います。
もっと、普通の「クリエイター同士が尊重し合う」街。
なぜそれだけで満足できないのでしょう?
大勢の人が集う場ですから、多少の意見の相違や行き違いは、ある程度止むを得ないと思います。
それでも「スルー」しきれない事案がこの1年あまり、多すぎる。

最近、ある事情から「カクヨム」も使っていますが、例えば、私が過去に体験した

  1. 自著の宣伝&私の取材先への自著の無断送りつけ

  2. レビュー依頼

  3. 詐欺未遂事件

  4. 私的メール・DMの引用、もしくは公開

これらは、カクヨムでは全て禁止です。
意外かもしれませんが、2のレビューの依頼も、禁止なのです。つまり、宣伝行為そのものがかなり厳しく制限されています。
これは、私も新鮮でした。
宣伝が苦手な私には、むしろこれくらいがありがたいかもしれません。
現状のnoteは、時折殺伐としすぎていて辛いこともありますから。

それでも私はやはりnoteが好きですし、だからこそ皆が安心して利用できる街であってほしいと思う。
その治安維持は、noter一人ひとりの社会的モラル遵守もそうですが、同時に「護民官」であるnote運営側の役割でもあるのではないでしょうか。


#エッセイ
#noteの続け方
#コンプライアンス


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