見出し画像

先陣を切る勇気・直感に従う勇気

「勉強しなさい」「アタマの良い人になりなさい」

…小さなころから、何百回聞いたセリフでしょうか。

「勉強ができない事=悪」という概念が僕たちを縛り、追い詰めます。そして悲しい事に、時に自暴自棄になって他者を攻撃してしまうような若者を産み出します。「志望校に受からないことは人生の失敗である」と絶望してしまうわけです。

大人たち自身、社内での役職や肩書、社会的地位に縛られているため、そんな若者たちに心から「そんなことはないよ」と声をかけてあげることができません。

基礎的な学問や教養を広く身に着けさせる近代社会国家は、一定の成長と成功を見ました。しかし、「本当にこのままで良いのだろうか」という何か閉塞感めいたものを感じている人も、実は少なくないのではないでしょうか。

数年先がどのように変化するかすらも見通しづらいこの不確かな世の中で、しっかりと自らの足で立って人生を生きることー そのためには二つの勇気が拠り所になるのではないかと、最近よく思うのです。

それは「先陣を切る勇気」「直観に従う勇気」です。

1)先陣を切る勇気

自分の人生を主体的に歩むために欠かせない要素のひとつは「自ら決断し、動き出せる力」です。

会社やSNS上の繋がりをはじめ、学校の父母会や町内会といった様々なコミュニティに僕たちは所属しています。その中で誰かの発言やアイデアを批判する人が往々にして現れます。一方、大半のメンバーはただ盲信的に決定事項に従います。

前者は先駆者(言い出しっぺ)に仇なすことに何かしらのカタルシスを感じており、文句だけをいい続けます。後者は自ら悩み迷うプロセスを放棄し、惰性で日々のルーティーンをこなすことでその場をやり過ごすのです。

こうして言語化してみるとなかなかに質の悪いものに見えますが、大なり小なりこのような状態に甘んじている人は少なくないのが実際のところ。「カッコ悪い大人」ってやつの典型ですね。

ただ批判するだけではなく対案を提示してくるメンバーは、ある程度いい筋を持っています。状況をより良い方向に進めていこうという意思が強いからです。しかし、この状態にも甘んじていてはいけないと思うのです。

最も難しいのは、自らアイデアをひねり出し、先陣を切って物事を推進していく行為です。

なぜ難しいのでしょうか。それは、批判・反論・否定が待っている可能性を感じつつも、あえて第一歩を誰よりも先に踏み出すことには並々ならぬ勇気が必要だからです。

だから僕は、基本的にはよほど突拍子もない内容ではない限り、第一声をあげて動き出そうとする人を見ると全力で尊敬します。ただ、思考停止で盲信だけはしないよう、自分ごととしてきちんと内容を精査・理解しようとはしています。と同時に、「次は自らが第一声をあげてやる」とひそかに悔やむのです(笑)。

2)直感に従う勇気

現代社会において、何かしらの事業や施策に着手する際、周囲を説得する材料としてメリットや費用対効果は不可欠なものとなっています。

ビジネスにおいて合理的かつ科学的な判断が求められるのは、仕方のないことでしょう。それは慈善事業ではないからです。働く人々の時間と労力、賃金…様々なコストがかかる以上、すべてをノリと勢いだけで決めることなど無理です。

一方で、すべての状況を事前に想定し、仮説を立てきれるとも思いません。そんな不確かな状況においても、時には「これは面白いことになりそうだ」「きっと誰かの為になる」という直感的かつエモーショナルな意思決定も必要な場合はあると思うのです。それが偶発的なメリットを産むこともあり得るからです。

平たく言えば、ワクワクすること、熱量をもって動くこと。これは直観に従う勇気と心のチカラがあってこそなせる業でしょう。


…あの野村克也氏も、平尾誠二氏も大切にしていた「感じる力(感性)」。人工物にあふれ、左脳ばかりが優位になったこの世界において、気を抜くとおろそかにしがちなものではないでしょうか。

そんな今こそ、右脳を意識的に刺激することが大事なんだと僕は思っています。

外で身体を動かすこと、きれいな景色を眺めること、四季折々のおいしい食事に舌鼓を打つこと、良質で心揺さぶる音楽に身を任せること、ビジネス書だけでなく心を打つような小説を読みふける時間…。ともすると24時間という限られた時間の中で優先度を下げられてしまいがちなこういった時間を、あえてしっかり取る事が大事になってくるのではないか、と。

音楽体験を例にとると、音楽CDを取り扱うリアル店舗が本当に少なくなりました。僕自身、一昔前はレンタルCDショップで「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」に興じていたものです。ああいった理屈抜きで好きなものにどっぷりと没頭できる時間を、今はどれほど持てているでしょうか。

一見すると無駄に思えるそんなひとときこそ、むしろ人間にとって必要なもの(感性というアンテナを鍛える食料)だと信じています。

小さい事からでも構いません。誰かの言う事ばかりではなく自らが動き出すこと、そして心が動いたときに直観を信じて推進していくこと…そんな勇気を日々磨いていくことで、自分の人生を主体的に生きる実感を持ちつつ生き生きと歩むことが出来ればと願っています。

さて、今週も頑張りましょう。

投げ銭的なサポートも、ありがたくお受けしております。 今後のコンテンツ作成のためのモチベーションになるのはモチロンですが、いただいたサポートは家族(妻・ムスメ)に100%還元させていただきます( *´艸`)