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【書評】新人営業マンが、シュガーマンのマーケティング30の法則を読んでみた

ものを売ったことはある?
僕はない。
でもこれから売る。
新人営業マンとして価値を示したいから。
そんな僕が手に取った本は、「シュガーマンのマーケティング30の法則」
何やら、ものすごい営業マンらしい。
いや、ものすごい営業マンだ。
本書を読み終えて、確実にそうだと思った。
彼がどのようにしてものを売り、人々に影響を与えてきたのか。
早速、彼の思考を覗いてみよう。

結論

まずは、結論から。
モノを売るために抑えるべきポイントは、
お客が感じる購買に関する抵抗感や不安を無くすこと。

お客が感じる購買に関する抵抗感や不安を無くすための、具体的なテクニックを3つ紹介しよう。

①一貫性の原理
②欠点の告知
③満足の確約

シュガーマンのマーケティング30の法則

①一貫性の原理

まず1つ目は、一貫性の原理と呼ばれる、心理学に基づくテクニック。
一貫性の原理とは、決断を維持するために、その決断に基づいた行動を取る心理が働くことをいう。
例えば、

  • 一旦見だした映画は途中で面白くないと感じても、とりあえず最後まで見てしまう

  • ファッションにこだわりがあり、ブランドや色を揃えている

などがある。
要するに、1度「買う」と決断したお客は、その決断を維持しようとする。
つまり、「買う」という意思決定が最も大きな障壁になるのだ。
この法則を営業に落とし込むと、
購買決定はできるだけ小さく簡単にすることが重要だ。
「買う」と言わせれば、後は一貫性の法則が働き、ついで買いをしやすくなる。
車を買ったことはある?
携帯でも良いのだが、好みのものを決めた後に、様々なオプションを提示されたことは無い?
これこそ、一貫性の原理に基づいた営業テクニックだ。
初めは単純明快なものを、そして後から複雑にしていけば良い。
できるだけ抵抗感を少なくするには、選択肢を絞ることだ。
10個の商品より、3個の商品から選ばせたい。
売りたい商品を買うor買わないの2択にできると最高だね。

②欠点の告知

2つ目は、売る商品の「欠点」に関する捉え方だ。
誰も欠点の多い商品を買いたくはないだろう。
しかし、どんな商品にも欠点は存在する
なぜなら、値段が高い、性能が低い、デザインがかっこよくない、など顧客の感じ方に依存するからである。
このような欠点を野放しにしていると、いつまでも商品は売れないだろう。
では、どのように売れば欠点への不快感を減らすことができるのだろうか?
そこで重要なポイントは、
欠点を先に言う
ということだ。
欠点を自ら喋っていいの?
そんな風に思うかもしれないが、心配する必要は無い。
先に欠点を言うことで、相手の警戒心が解けるだけでなく、ネガティブイメージも軽減される
間違っても、欠点を隠したり、お客を騙そうなんで考えてはいけない。
あなたが思う以上に、お客は賢く、誤魔化せない。
小細工などせずに、先に正直に言う方が信頼感が上がるのだ。
ただし、ひとつ注意点がある。
それは、お客が感じる欠点を言う必要がある事だ。
もし、お客が感じていない欠点を言ってしまうと、新たな欠点を発見してしまい、一層買わなくなってしまう。
このお客が感じる欠点を見抜くためには、消費者感覚が重要になる。
つまり、売る側だけでなく、消費者として商品を見る力が試される。
お互いを知りながら愛を育むのと同じように、買う側の思いを知る努力が必要なのだ。

③満足の確約

3つ目のテクニックは、満足の確約である。
満足の確約とは、保証を最大限インパクトのある形にしたものである。
例えば、
「購入から3ヶ月以内で、本製品に動作不良が見られた場合には、返品・交換が可能です。」
これはよく見る保証だ。
では、満足の確約になるとどうなるのか。
「購入からの期間は問わず、本製品にご納得頂けない点がございましたら、いかなる理由であっても、返品交換もしくは返金をいたします。」
そんなことまでするの?
これでは、損するだけじゃないのか?
と、思ってくれたなら完璧だ。
満足の確約とは、最後にお客が感じる可能性のあるどんな抵抗感も克服する、情熱的な一手でなければならない。
お客に対する最大限の配慮と、売る商品への大きな自信の現れを感じさせることで、「買う」という意思決定のハードルを下げることができる。
最後にお客の背中を押す、あなたの一言が重要なのだ。

ものを買うメカニズム

これまでは、お客の感じる抵抗感や不安に焦点を当ててきたが、ここからは「ものを買う」という行為のメカニズムに触れていく。
まずは、ひとつ質問がある。
みなさんは、これまでに購入した製品と理由を明確に説明できますか?
中には全て説明できると答える、chatGPT内蔵型人間のような人が居るかもしれないが、ほとんどの人は無理だろう。
その理由は、この事実が示している。

ものを買う理由の95%は「無意識の決断」である。

シュガーマンのマーケティング30の法則

「そんなことは無い!100%ではないけど、ある程度のものは、購入の理由を説明できるぞ!」
こんなふうに思った人はどのくらいいるだろうか?
僕も初めてこの事実を知った時は、そう思った。
しかし、大切な購買メカニズムがもうひとつある。
それは、

人は感覚的にものを買い、納得するのに理屈を用いる。

シュガーマンのマーケティング30の法則

ということだ。
つまり、商品を買った理由は後付けされる。
「買う」と決めたその意思決定が間違っていたとは思いたくないから、必死で納得する理由を探す。
だからこそ、理由になりやすいアピールポイントを打ち出す必要がある。

  • 管理栄養士が認めた健康食品

  • 年収5億の人が書いたお金の稼ぎ方の本

  • 世界で1つしかない商品

などが挙げられる。
しかし、本当の理由は...

  • 楽して痩せたい

  • 手っ取り早く稼ぎたい

  • 限定ってなんかかっこいい

この程度の、明確な理由とは呼べない感覚的な欲求が購買を決断させている。
理屈ではなく、感覚に訴えることで商品は売れる。
このメカニズムを理解せずに営業を行うと、無駄な努力となる可能性が高まってしまう。

では、感覚的な購入を促すための具体的なテクニックを3つ紹介する。

④種まき
⑤オーナーシップ
⑥期待感

シュガーマンのマーケティング30の法則

④種まき

みんなは、小学生の時に朝顔を育てた経験はある?
プランターに種をまき、成長し花が咲くと絵を描き、そして枯れたあとは種を収穫して、次の年にまた種をまく。
そんなサイクルで毎年のように朝顔を育てた。
正直、面倒臭い。
できることなら、種を植えた次の日には花を書いて、「課題終了」としたかった。
しかし、花の咲くタイミングを調節することは僕にはできない。
これと同じ状況が、購買においても起こる。
どんなに買って欲しいと頼んでも、購買の意思決定権は消費者にある。
つまり、花の咲くタイミングと同様に、「買う」という意思決定のきっかけは僕らでは管理できない
だからこそ、いつそのタイミングが来てもいいように、種を巻いておく必要がある。

  • 昔のアルバムを見ていて、少し太ったかもと感じた

  • 隣の家が泥棒にはいられたから、家の防犯が不安になった

きっかけとなる感覚的な変化が起こった時に、選択肢のひとつとして自分を持たせて置きたい。
自分が売っている商品が必要だと感じた時に、自分を選んでもらえる仕組みが必要だ。

⑤オーナーシップ

「とりあえず体験してみませんか?」
そんな決まり文句は、みんなも聞き飽きているだろう。
僕は、初めて知らない女性から道端で話しかけてもらって喜んでいたら、それが脱毛の勧誘である可能性を感じた経験がある。
「体験だけでも...」
そんな言葉を掛けられると、ただの勧誘を勘違いして喜んだ恥ずかしい人になるから、全てを言わせることなくその場を去った。
これで、確実に脱毛の勧誘であったと証明することは誰にもできない。
つまり、僕は逆ナンをされたと今でも信じている。
この話を聞いて文句があるとしても、一切受け付けるつもりは無い。
話が逸れてしまったが、体験をする効果を説明しよう。
それはオーナーシップと呼ばれるもので、実際にその商品を所有している気持ちになる
オーナーシップが発揮されている状況では、その商品が持つメリットを感じやすい。
また、体験を促すことで、販売プロセスに巻き込み、「ここまでしてもらったなら」という、心理的な要素も影響を及ぼす。
商品の良さを説明するだけでなく、お客に感覚的に感じてもらうには、体験させることが効果的だ。

⑥期待感

ギャンブルがお好きでしょ?
ウイスキーのcmっぽく言ってみたが、これといって理由は無い。
ギャンブルにハマる理由の大部分が、お金を得ることへの期待感にある。
「確実性のないことにお金を使うなんてもったいない。」
ギャンブルに対してそう感じる人が多いと思うが、商品を売るためには、確実性のない未来に期待を抱かせる必要がある。

  • この商品を食べたら痩せるかも

  • この本を読んだら世界が広がるかも

など、その商品が及ぼすメリットを感じさせたい。
ただし、本来有り得ない効果を期待させてはいけない。
詐欺やマルチ商法がそれに当たるが、こんなことをしては将来的に潰れるのがオチだろう。
取り繕った自分を作り上げるのは簡単だが、壊れるのも早い。
正しい期待感を感じさせ、その期待感が現実になることで、あなたの信頼感は上がる。
上がった信頼は、これからのあなたに大きな影響を与える。
なぜなら、期待感を作るために最も必要なものは、信頼であるからだ。
信頼のある人から得られる情報は、つい信じてしまうのは当たり前のことだ。
真実がもたらす正しいサイクルを回すことができれば、将来的にも自分の立ち位置を確保できるだろう。
期待して欲しければ、まずは信頼を得よう。

新人営業マンがやるべき事

以上が、物を売るために必要なことの一部分だ。
実際はもっと多くの法則やテクニックが存在するが、今回は個人的に気になったものをピックアップして紹介した。
もっと知りたい方は、本書を読むことをおすすめする。
全31個のテクニックから、きっと今後に生かすことができるものを、いくつも発見できるだろう。

最後に、新人営業マンとして、これからすべき努力の話をしよう。
何よりも重要なことをひとつ。
まずは売る商品を誰よりも知ろう
この努力なくして、信頼を積み上げることはできない。
新人は舐められて当たり前だ。
なぜなら、信頼が全くないからだ。
つまり、新人が最初に打ち破らないといけない壁は、信頼だ。
時間をかけて作り上げている暇は無い。
早く結果が欲しければ、馴れ合いで作る信頼ではなく、情報と結果で作る信頼を目指そう。
あなたの持つ情報に価値があれば、人は期待を感じ、買うという決断をする。
それ以外のテクニックを身につけるのは、商品知識を得てからで充分だ。

本書は、ものを売る仕事をしている人なら、きっと取り入れるべきテクニックが多くある。
ものを売るということは、買ってくれた人の人生を変えるということだ。
自分の売っている商品に自信があるなら、誰かを幸せにするために売ろう。
あなたの商品を買った誰かが、他の誰かに紹介し、幸せの輪が広がる。
そんな可能性があるから、ものを売る仕事はやりがいに満ちている。
さあ、誰かの人生を変えよう!

〜ps. この記事を読んでくれた新人営業マンのみんなへ〜
僕はまだ何も売ったことの無いど素人だ。
だが、これから沢山の商品を売る。
なぜなら、扱う商品が誰かの人生を良くすることを、本気で信じられるものだからだ。
みんなが何を売り、何を大切にしながら営業を行うのかは分からないが、きっとあなたの売る商品は素晴らしい。
そして、そんな素晴らしい商品をお客に届けることのできるあなたはかっこいい。
お互い、自分のために、人のためにものを売ろう。
数年後、営業経験を積んで、どんな未来にたどり着くのか楽しみだ。
これからの人生を楽しもう!

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