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【I-008】日曜は百貨店休み!?

少し前、宅配便業界が崩壊寸前というニュースが流れていました。
ネット通販の拡大に比例し、宅配の荷物が増え、それに不在、再配達という
プラス業務で現場は圧迫されつづけていると言います。

テレビの情報番組で、ネット通販をよく利用するという出演者が、「段ボールの整理も一苦労」と言っていましたが、なるほど梱包の段ボール自体を整理する時間も相当なものだと思います。

そんな状況を受け、最大手のヤマト運輸は、荷物の取扱い量を抑制し、
合わせて料金の値上げをしました。個人的には、この辺のハードルは上げて、相応の対価は取って欲しいと思っています。
利用する側の意識も変えていかなくてはいけないと思います。

宅配便に関わらず、日本の様々なサービスは素晴らしいと思います。
反面、必要以上にやり過ぎ、行き過ぎ感も感じます。
24時間営業、年末年始の営業(特に年始)は、個人的には「やり過ぎ」だと
ずっと思っています。

結局はフランス人が正解!?

1998年に新婚旅行でパリに行った際、日曜日に百貨店が休みだったことに
大変な衝撃を受けました(笑)。当時の(今でも)日本ではとても考えられず、「フランス人はなんて怠け者なのだ!」と心底思いました。
この時は、30歳前で残業、休出が当たり前のサラリーマンをしていたこともあり、このフランスの感覚が全く理解不能でした。その後10年、15年と年齢を重ね、置かれた環境も変化していった結果、働き方の考え方も変わりました。

50が見えてきた現在では、「何故、日本の百貨店は日曜日に営業しているのだろう」と思っています(笑)

政府が「働き方改革」と言い出し、大手企業の残業が問題視されニュースに
なったりと、日本全体が疲れていることに‘渋々’気が付いた様子。
経産省が「プレミアムフライデー」と称し、月末金曜は15時で帰ろう!という呼びかけをしましたが、結果はさっぱりです。
15時で帰れる人もいる反面、この人たちへサービスする業種・業界もある訳で、全てが丸く収まりません。

そういう意味では「日曜は百貨店休み」は合っています。
「年始は4日より営業します」というのも同様です。
(公共交通機関についてはゴメンナサイ…)
世の中が一斉に休む、という日があり、その都度全体がリセットされれば
良いと思いますが、現実はそうはなっていません。
経産省は「早く帰ろう」で働き方改革を狙い、さらに消費喚起しようと二兎を追っていましたが、作戦で‘二兎を追って’はダメなことは歴史が何度も証明しています。目的は一つでなければなりません。
これは某都知事おススメの「失敗の本質」で言われております。
先の戦争での「ミッドウェー海戦」がまさにこれでした…。
もはや曖昧な記憶ですが、昭和50年代は小売店もしっかり年始は休んで
いました。元旦に営業していたのは、お年玉を当て込んだ商店街の玩具店
くらいでした。
コンビニが数える程しか無いこの当時は、食品、日用品は年末に買いだめを
していました。そのための買い物に付いていくことによって子供にとっても
「もうすぐお正月だ!」という雰囲気を感じることが出来ました。
それが、いつしか駅前、近隣スーパーは元旦から営業しており、12月31日と
1月1日の境目が全くなくなってしまいました。年始をしっかり休んだ場合の
売上とダラダラと営業している売上では、どの程度差があるのでしょうか。
しっかりと買いだめしてもらえれば、さほど変わらないのでないでしょうか。むしろ人件費、光熱費を抑えられる分、年始をしっかり休んだ方が効率的ではないのでしょうか。あくまで想像ですが…。

さて、今の日本は隣がやっているからうちもやる、ということでドンドン負の連鎖に陥っているように思います。経営者の単なる自己満足、意地の張り合いと言っては怒られるでしょう。
誰もやっていないから、やれば儲かるはず、と考えることはビジネスの根本だと思います。この考え方で広がっていったのが「24時間営業」であり「年中無休」、「夜〇時まで営業」といった営業時間の拡大、延長です。

競合に負けられない、というのもビジネスの基本なので、これを始めた会社がある業界は、これに付き合わなければならなりません。止めてしまったら、この会社に総取りされてしまうからです。
現場が回っている間は良いですが、噛み合わなくなったとたん一気に負の
連鎖に陥ります。ちょうど今が、そんなタイミングなのではないでしょうか。

最近では、ファミレスが深夜営業を見直し、牛丼チェーンも24時間に
こだわらなくなってきました。ある駅ビルは、閉店時間を前倒しました。

色々と試したけど、結局のところ、昔のままが良かったのだ、ということなのではないでしょうかね。日本の百貨店が日曜日に休むなんてことは、これから先も絶対にないと思いますが、そのくらいの決断がないと、この先も日本は疲れ続けるままだと思います。

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