SHIROBAKO-レーベル-Blu-ray-5

アニメのビジネスモデルの整理(5)

はい、続きです。

前回は
、アニメ産業についてよく話題になるアレコレについて説明しました。
そこでは、DVD&Blu-rayをコアなファンに買ってもらうビジネスモデルは厳しくなってきたので、今は動画配信サービスに注目が集まっているよ!という話までしました。

動画配信サービスで期待されるビジネスモデル

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DVD&Blu-rayをコアなファンに買ってもらう従来の形式に比べると、動画配信サービスでアニメを放送するモデルの利点は、収益の安定性にあると言えます。

Netflixなどは月額課金なので、毎月収入が得られます。
加えて、動画配信サービスは他番組も放映しているので、放映権を渡したアニメが不人気だからといって動画配信サービス自体が即立ち行かなくなる心配もありません。

また、Netflixなどは、海外にも放送網を持っているので、コアな顧客層でも世界全体の累計ならば十分な収益を狙えるという利点もあります。

このビジネスモデルの例としては、シドニアの騎士があります。
(通常のテレビ放映もされていましたけど)

『シドニアの騎士』はNetflixを武器に世界と戦う!〜ポリゴン・ピクチュアズCEO・塩田周三氏インタビュー〜

このビジネスモデルが定着すると、従来のDVD&Blu-rayのみに頼るビジネスモデルよりも随分と安定性が期待できそうです。

しかし、このビジネスモデルは今後どのくらい日本で定着するのかは未知数というのが現状のようですね。

アニメ制作会社にとっての良いビジネスモデルとは?

先ほどの動画配信サービスのビジネスモデルは、アニメ産業全体としては今後に期待が持てそうです。

しかし、それがアニメ制作会社にとって有望なビジネスモデルかは疑問が残ります。

DVD&Blu-ray→動画配信サービスにより、製作委員会に流入する売り上げは大きくなるかつ、安定性が上がるかもしれません。

それによって、結果アニメ制作会社に届くお金も増えるかもしれませんが、
著作権を持てない下請けを担当するというビジネスモデルは変わりません。
(二次利用での収益が大きいのに絡めない…)

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つまるところ、従来のビジネスモデルから配信サービスのビジネスモデルにマイナーチェンジしてもアニメ制作会社が不利な立場であることは変わらないのです。

それよりもアニメ制作会社にとって問題なのは、収入が出資された制作費のみという依存的かつ不安定なビジネスモデルであることなのです。

つまり、アニメ制作会社にとって求められるビジネスモデルとは、
収入のルートが複数あり依存的でなく、各収入のルートが持続的に安定なモデルを再構築する
ことだと言えるのです。

さらに前提として、資本金があまり大きくないアニメ制作会社でも成立する必要があります。(お金があったら、みんな著作権保有するしね!)

でも…、今まで誰もなんか対策考えなかったんすか?

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ということで、次回は動画配信サービス以外の新しいビジネスモデルの試みについてと、他補足!





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