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「毒専用電話」のすすめ

(画像はいらすとや様より、一部筆者加工)


⚠注意事項⚠

・本記事はあくまで個人の見解であり、すべての効果、結果を保証するものではありません。本記事の内容によっていかなるトラブルが起きても一切の責任は負いかねます。予めご了承ください。
・事前に『ようやく毒から逃げまして⑦~独立したものの……~』を参考までにご覧ください。


 今年のゴールデンウイークが終了しました。新型コロナウイルスの影響で環境が大きく変わったり、楽しみにしていた行楽やイベントが中止なったりと、やるせなさを覚える方が多かったと思われます。
 同時に毒親(毒家族)からの連絡が増えたとも推測されます。事実、我が家はこの連休中に毎日のように毒祖母から着信がありました。
 先の見えない不安感や家族と対面できない孤独感からか毒親たちは電話を通して「生活は大丈夫?」「配偶者や子供の様子は?」「これからどうするの?」と耳障りの良い言葉を並べ立てますが、その真意はすべからく「私を気に掛けなさいよ!」です。
 仕事中に毒親からの連絡が来ると落ち着かない、着信拒否や既読スルーを続けると毒親が騒ぎ立てて困る──そんな方には、ぜひ「毒専用電話」の導入を推奨します。


独立したものの毒祖母からの連絡が絶えない

 我が家では、別居後にも毒祖母からの度重なる連絡に頭を抱えていました。別居直後に姉と私は毒祖母と実家の電話番号を着信拒否しましたが、母だけは万一の連絡に備えて設定しませんでした。別居から数ヶ月は何事もなかったのですが、次第に毒祖母から母の携帯電話に連絡が入るようになりました。母は残された着信履歴や留守録を確認する度に動悸がして、時には仕事に影響することもありました。休日に携帯電話を使っていると、毒祖母からの連絡が来るかもしれないと思ってとても落ち着けませんでした。
 耐えかねた母も一度は着信拒否をしましたが、今度は毒祖母と同居している伯父2を通して鬼のように連絡が来るわ、ついには毒祖母が母の職場に押し掛けてくるわと事態は悪化する一方でした。
 もっとも腹立たしいのは、着信のほとんどがどうでもよい用件やただの暇潰しだったことです。逆に肝心要な用件を言い忘れるためにこちらがその対応に追われたりと割を食うようなことも多々ありました。

 対策として電話番号を変更する、新規にガラケーを購入するなどを考えていると、以前使っていたスマホ端末が目に入りました。格安スマホやsimフリーが普及した今、これを使わない手はないと私は思いました。何でも古い端末に適合するsimカードを挿せば、何と音声通話込みで月額2000円弱で利用できることが判明。「すげぇ!」 と思った私は、早速店舗に赴きました。


「毒専用スマホ」を手に入れるまで

 受付で「新規simカードが欲しい」と伝えると、すぐに窓口へと案内されました。手続きは20分程、持ち物は身分証明書とクレジットカードのみ、費用は登録手数料の3000円のみでした。約1時間後には、念願のsimカードが手元に……! すげぇ!(二回目)
 時間がない方はインターネットで申し込みして郵送で受け取りすることも可能です。 詳細については、各会社の公式ホームページをご覧ください。

 料金プランは「音声通話(電話番号取得)+最低限のパケット通信」で、月額1,600円ほどです。掛け放題オプションも勧められましたが、悩んだ末に付けませんでした。通話の頻度が多い、毎回の通話で10分以上話すならば付けた方が良いとのことです。LINEなどの通話アプリを使っている方はパケット通信だけでも構いませんが、通話アプリだと毒親本人以外(役所、警察、救急隊、病院など)からの緊急連絡を受けにくいので念のため音声通話もつけておくと安心だと思います。

 すぐさま毒祖母には書面にて新しい電話番号を通知しました。その際に、

・共有の携帯電話のため、母、姉、私の誰が出るかは分からない
・持ち歩かないのですぐには出られないことが多い
・折り返し電話するとしたら、仕事が終わった後になる
・母、姉、私の以前の番号はもう使えない(※実際は着信拒否しただけ)ので、必ずこの新しい番号に掛けること

と注意書きを添付しました。
 通話アプリを利用している場合は、新規番号から新規アカウントを作成して、メインの携帯電話で毒親を着信拒否およびブロックすればいいと思います。


「毒専用電話」を実際に使ってみて

【運用方法】
 我が家では、基本的に自宅に置いています。もし着信に気がついてもすぐに対応せず、まず留守録で用件を確認します。そして「自分自身と時間に余裕があるとき(重要)」に必要に応じて折り返します。どうしても毒祖母からの連絡に気が付きたくない時は、サイレントモードや機内モードにしています。

【メリット】
「毒専用スマホ」のおかげで、日中はそれぞれの仕事や用事に集中でき、休日に気分を害されることもなくなりました。それぞれの携帯電話をいつでも自由に使えて非常に快適ですし、番号変更をせずに済んだのも良かったです。
 また毒祖母からの連絡に即時対応しないことで、彼女に主導権を握られにくくなったとも感じます。こうすることで毒祖母に対して「私たちには、私たちの生活と時間がある」という境界性を遠回しに伝えているつもりなのですが、それは未だに伝わっていないと思います(笑)

【デメリット】
 simカードの購入、端末の用意、初期設定、毒親への通知など当然ながら手間と費用が掛かります。費用は初期登録費用に加えてキャリアやプランにもよりますが、最低でも月額1500円~2000円ほど掛かります。
 我が家は携帯電話やインターネットに疎い毒祖母が相手だったので特に問題ありませんでしたが、万一毒親がそれらを熟知している場合は、番号やアカウントの変更を訝しむ可能性があります。さらに毒親が他の家族や親戚、近隣住民、友人などの第三者に聞き込むことで事態が悪化することも考えられます。例えば「どうして私だけ違う番号(アカウント)なんだ!」「他の家族とは今まで通りの番号(アカウント)で連絡を取っているのはおかしい!」といったように。その対策としては予め信頼できる第三者には事情を話しておく、他の家族や親戚にも新規番号(アカウント)を教えておく、いっそのこと「“家族”専用電話」として据えることが挙げられます。


総括

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(画像はいらすとや様より、一部筆者加工、表は筆者作成)

「毒専用電話」のおかげで我が家では毒祖母からの突然の連絡に怯えずに済むようになり、費用対効果も非常に良いと感じています。もしも今回の連休までに用意していなかったら、母の携帯電話が鳴りっぱなしで気が気でなかったと思います。
 今後ともコロナウイルスの影響に加えて、夏休み、盆休み、シルバーウィーク、年末年始と毒親が連絡をしてくる“大義名分”が数多く訪れます。少しでも気持ちを和らげたり、自分の生活や時間を大切にするためにも「毒専用電話」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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