3.1

こんなに淋しい気持ちになるのは久しぶりだった。

3年が学校に来なくなって、まるで彼等がいない日常を私に分からせるような日々が続いた。
時は刻一刻と残酷な音を鳴らして、遂にその日がやってきた。

今日は卒業式。
色々あって、出られなかった。

学校の隣にある公園に私はいた。
泣きながら、悴んだ手でコードを押えて、体育館まで響かせる気持ちで歌っていた。
不甲斐なくて、辛くて、寂しくて、痛くて。
もうただ、泣くしか無かった。
歌う以外、何も出来なかった。

退場の合図があって、出口に立った。

顔を見ると涙が溢れ出して、止まらなくなってしまった。
私はまだ子供で、だからまだ旅立たないでいて欲しい。
心の準備なんて出来ていなかった。

おめでとうなんて言えないし、口を開けば反吐ばかりになりそうで、声を殺して泣いた。

こんなに苦しいなら、大切な人なんて作らなければとも思えない。
私は彼等が好きで、大好きで、楽しかったし、嬉しかった。
出会えてよかった、だけど別れたくない。

とても真面なことだ。

ごめんなさい。
ご卒業おめでとうございます。
私は一人になりました。

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