M・Horkheimer「唯物論と形而上学」(1933)試訳
①ヨーロッパにおいて古代から登場していた哲学的直観についての研究からディルタイはとある洞察を得ていた。それは、あらゆる形而上学的な試みはある単一で普遍妥当なシステムを打ち立てることを、この点で歩みがそうした試みにとって前進的に今日までうまくいくこともなく目的としているという洞察である。事実この歩みそれ自体が世界観の型を分離することを企てるが、それゆえこの歩みはまた、それによって適切に表現された区分の主観的な性格をも強調する。あの普遍妥当なシステムの不可能性についての信念は、個