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北斎と広重展@MOA美術館

熱海のMOA美術館に行ってきました!

もあ、ではなく、えむおーえーと読みます。創立者の岡田茂吉さんの名前を取って、Mokichi Okada International Associationという意味みたい。
2017年2月にリニューアルオープンをして、ちょうど1年ちょっと。杉本博司さんと建築家・ 榊田倫之さんが手がけた設計ということで、中はとっても現代的!そもそもが東洋美術の伝統的なコレクションが有名なMOA美術館。こんな現代的な館内と、伝統的作品たちが共存する和洋折衷さがすごく不思議で面白い。美術館に入って受付を済ませたら、近未来感のあるエスカレーターをドキドキしながら上っていきます。

上って...

また上って...

長いエスカレーター(3連!)を登っていくと頭上にこんな素敵な映像が投影された空間が待っています。

本当の万華鏡の映像をリアルタイムで投影しているようで、刻一刻と映像が変わっていきます。すてき...!もしも彼氏と来たら、早速うっとり、いちゃいちゃしそうになるんじゃないかというくらいロマンチックです。

今回の企画展は「北斎と広重 富嶽三十六景と東海道五十三次」。富嶽三十六景全46枚と保永堂版東海道五十三次全55枚を一挙に見れる贅沢な展示。

上はこちらも有名な神奈川沖浪裏。私は北斎に全然詳しくないので北斎をじっくり見るのは今回が初めて。勿論、色んなところで北斎の絵を見かける機会はあるけど、こうやってゆっくり時間をかけて見ると改めて気づくことは多い。神奈川沖浪裏には三艘の船が出ていて、意外と人が乗っているとか、これ次の瞬間には皆船から振り落とされてそうだけど大丈夫かな!?とか。人々には力を合わせてこの修羅場を乗り越えてほしいという思いを抱きつつ、でも、やはりこの高波は激しく力強く大胆でかっこよく、自然への畏敬の念も湧いてくる。刹那の一瞬を切り取っている、パワーの溢れた美しい絵だと思った。

こちらは駿州江尻にて、強風に難儀する人々。紙は飛ぶし、草木も靡くし、帽子も飛びそうで大変です。この絵では富士は一本の線のみで表され完全にいち背景となっていて、人間に主軸が置かれているみたい。富嶽三十六景、といっても全てが富士を中心に描かれているとも限らず、色々なパターンでの描かれ方があるのね。

こちらは甲州。黄色い夏の富士。水面に映るは、冬の富士だそう。なかなか黄色の富士山は見ないのでこの色合いにしろ、1枚に季節を閉じ込めた構図にしろ、私は三十六景のなかで、いちばん好きかも!頑張って歩みを進めれば、こんなに素晴らしい景色が見れる日もくるのだ。と、こんな風に富嶽三十六景は教えてくれているようで、私はそこに人生をみた気持ちになったよ。どこへ行っても、何をしようとも、思いがけずな大波や強風があり、それを乗り越えて美しい景色を目指して旅をするのが、生きるということなのかなとしみじみ思ったり。

広重の東海道五十三次も勿論良かった。北斎と比べてみると、両者の違いがまたよく分かる。広重の絵の方がわたしは親しみやすさを感じたな。人間の表情が漫画みたいで可愛いんだよ〜。ほら、お仕事中のおっちゃんもキュートな顔してるでしょ!

背景の建物とか、勿論丁寧に書かれているんだけど、なんといってもこの表情、憎めない人間らしさがあって、ある意味テキトーに見えるくらいで格式張っていないのがすごくよい。これも客引きとおっちゃんが揉めていてユニークな絵。

近くで見るとどっちも結構なアホ面してるの!笑
生き生きしている江戸っ子たちから明日へのパワーをもらえる展示でございました。

ちなみにMOA美術館では国宝である野村仁清の色絵藤花文茶壺もみれました!黒い部屋での展示、スポットライトのあて方含め、ドヤ国宝やで!感があってめちゃくちゃ良いです。緑の葉っぱが意外と透明感をもって描かれてるとか、藤がしっかり縁取って描かれてるとか、近くで見ると唸らされるグッとくるものがあるよ〜。

#美術館 #アート #MOA美術館 #葛飾北斎 #歌川広重 #富嶽三十六景 #東海道五十三次

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