2020年2月25日(火)

職場の近くにある、郊外型と呼んで差し支えないような大型スーパーを取り囲む歩道のベンチに座って、自分が聴いているというよりは道行く通行人、あるいは空間そのものに聴かせてやっているとでも言うような大きさで音楽を流している老人を、久々に目撃した。初回稼働の日で、実際にシステムが動くタイミングでの検証を行うべく手を動かす瞬間もあったがそれ以外の阿保みたいな長さの時間の大半を、有事の際に備えるための存在という業務を行っていた。事が起きたのはその半ば無駄とも思える長さの、ただし経験則的には大いに役立つことになる存在という業務を終えてからだった。焦りと開き直りと達観が同時にやってきて、それを無視して眠ることが許される程度の障害だとわかった途端、やってきた感情から目をそらして本当にぐっすり眠ってしまえるほどには、私は強くなっていた。

#日記  #エッセイ #コラム #小説 #創作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?