2020年2月18日(火)

「こんなに並んでまでエスカレーターに乗って楽をしたいのか」VS「わざわざ階段で歩いてまでずんずん進むほど早く帰る必要があるのか」という気持ちが私の中でせめぎあった結果、ほんの一瞬ではあるものの、傍から見ても私の認識としても確かにそれとわかる程度ではある停止、というものが生じた。初めての現象だったので私は少し驚いた。五日分作り置きしていたきんぴらごぼうを二日目にして床にぶちまけるという悲しい出来事が起こった。ごぼうと人参に加えて二種類のきのこを混ぜ込むという工夫が仇となり、床の滑りが一層増した。令和で一番辛かった、しばらくは何を為しても「きんぴらを落とした男」として生きていくことになった、きんぴらを落として無に帰したことそれ自体、ではなく、料理を落とすという私の不注意加減に悲しくなる、というよくある論法ではなしに、美味しいきんぴらライフ四日分が消失したことが、ただただむなしい。

#日記  #エッセイ #コラム #小説 #創作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?