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所詮お母さん枠だなと思う時

子育てママブロガーというジャンルを見つけたのは、第一子妊娠時。
人気ブロガーさんたちはたいがい複数人の子を育てていて、日々の疲れと愚痴とその大変さを面白おかしく漫画にして語っている。

そしてそういった活動を積極的にしていらっしゃる方は、他に主たる仕事があったり、もしくは漫画一本で収入も得てる方もいる。
何はともあれ働く女な訳で、キリキリ舞いに仕事をこなし、うわー、こんなのマジ無理ゲーじゃん。みたいな生活をしていたりする。

え、わたしですか。
専業主婦だし、子ども2人のうち1人はもう入園済みで実質1人しか子育てしてない気がするけど、それでもそれなりに疲れてる気がするし、noteはそんなにまめに更新しないよ。何か?

で、子育てママブロガー。
もうほんっとすごいんですよ。
クオリティ高っっ。
絶対はちゃめちゃな生活なはずなのに、いつもきれいにまとめて漫画にしていらっしゃる。

絵、うまっ。
とかなんとか言ってるくせに、自分もやっちゃえ!とやってみたら、時間かかるし絵は下手だし、デジタル環境揃えるのも大変なんですぐ諦めた。

人間諦めが肝心。諦めのタイミングは肝。
おんなじ事二回言ってる気がするが、とりあえず肝は大事なはず。

そんなわけで、すでに先人たちが切り拓きまくっている道はさっさと諦めることにした。
先人たちは強いし強い。強すぎて逆らってはいけない。あの道は選ばれしものが歩む道。
もし今から私が赤ん坊を5人産んだら、それでようやく歩める道だと思っている。

ママブロガーの道は険しい。
でもそれ以上に、自分の生活を、家族の生活を生々しく切り売りし描かれたのを見るのが、もうウンザリになっていた。
第一子妊娠時こそたくさん見ていたブログも、あまりに苦労が絶えなくて戦々恐々としてしまい、そこでぐったりとした。

そのブログには最終的に
『幸せすぎていばらの道Death』みたいな事が表題に書かれるようになって、結構不快な気持ちになる。

気持ちは分からんでもないけど、子どもを産んだのはあなた達夫婦で、それ選んだの自分達なんだから、ヒーー死ぬって感じで生活を売るの、ちょっと嫌じゃない?それ子どもが知ったら死ぬほど嫌だと思うけどなマジで、と、心理的虐待が常にある家庭で育った私は思った。

あとは、ねたーんねばーんとした感じで、そろりそろりと夫をディスっている人もいる。
本当に苦痛だったんだろうし、いまでは多少改善してるんだろうけど(だからこそネタにする)でもある時漫画のネタにすらならなくなった瞬間、その夫達は捨てられるんだと思った。

何故かって?彼女達には働く力があるから。

結局のところ、大事なものは経済力。
私も離婚を考えた時、そこがゼロだと何もできない事を思い知らされた。でも一方で母子支援はかなり充実してることも知り、なんとかなるなと思ったものだ。
奥様に題材にされつつ大事にされてる夫の皆様よ、がんばってね。あなたの幸せはあなただけの幸せじゃないから。
実際に捨てた方のブログも見たけど、今の方が良さそうで、本当よかったと思ってる。

自分のことを、所詮ママ枠だとおもう。
でも全ての面において何もかも足りないから、きっとママ枠にはなりきれない。
私は私でいつもどこにも属してるようで属せず、常に浮き続けているのだが、もう一切の辛さや苦痛を感じない。というかそんな辛さはあるのか。それくらいに、知らない。

もう慣れてしまった。
変わり者と言われるのも、体育会系の団体では文系と呼ばれ、文系の団体では体育会系とよばれるのも。最終的に大学教授から
「あなたみたいな人は、うちの科に入ったことないからぜひパンフレットに載せたい」と直々に依頼され、何故か私は大学のパンフレットに顔写真付で載せられた。

変人という理由で誉を受ける。
私は大学に認められた事が素直に嬉しかったし、それを見つけた高校の恩師は、私の載った箇所を写真にとり、メールで送ってくれた。
そういった幸せが、わたしにはいつもついて回っていた。
例え家族から、お前は不純な血の混じった要らない子だと言われても、私は私のままだった。
ただそれしか言えない老人を哀れに思い、それからとても長い時間の経った頃、静かに怒りを感じた。

言いたいことなんてない。あの時の私も今の私もとても恵まれていて、いつも幸せを噛み締めている。
ただ幸せであれば不安なだけ。
幸せであればあるほどこの幸せは、いつか簡単に消えそうな気がするから。

高い山に登るより、少し深い谷のがマシ。
これ以上落ちない自信と上がるしかない希望がわく。

とどのつまり、私はただのお母さん。
こういう場所で書いていて、そういうネタのがウケが良く、実際に力があると知る。
でも彼女たちを目指したってなれるわけもなく、目指したいわけでもなく、あ、そういえば私は私だったと安堵する。

今日は縫い物をした。
うっかり指に針を刺した。
ぷつりと小さな音がして赤い点ができて、その強烈な痛みと赤さが私を現実に引き寄せた。

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