「積極的格差是正措置」というアメリカの大学で黒人を積極的に大学に合格させてきた政策は逆差別で違憲であると連邦最高裁判所が判決を出した

アメリカで長年、黒人を大学入学試験で逆差別による優遇を与えてきたアファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)はアメリカの憲法に反して違憲であるという連邦最高裁判所の判決が2023年6月29日に出された。
アファーマティブ・アクションによる逆差別を受けたとして、ハーバード大学とノースカロライナ大学に対して裁判が起こされており、それらが全て地方裁判所および高等裁判所において、合憲判決(つまり、アファーマティブ・アクションは妥当で逆差別になっているとは言えないという判決)がだされていた。
これに対し、この二つの裁判に対して連邦最高裁判所は、「生徒は人種ではなく、本人の個人として評価・審査されるべきだ。ところが長年、多くの大学はこの逆を行って来た。これは特定の人種を特別に扱うことが正当だといえる目的がないといえる。よって、アファーマティブ・アクションは人種に対する不当な逆差別となっており、違憲である。」との判決を下した。

アメリカの左翼民主党にとって、アファーマティブ・アクションは政策の根幹的なものであったため、最高裁判所の違憲判決が出た瞬間にオバマ元大統領の夫人も悲鳴をあげた。


このアファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)というのは、アメリカで「(主に)黒人という差別を受けてきたような人種に対しては、大学の入学試験において積極的に合格させましょう」という特別措置の事で、結果的に黒人とラテン系人種には物凄く甘くする反面、白人とアジア人を逆差別していることが社会問題となっていた。
子供の学力は一般的に両親の年収との関係が強いと言われており、ある程度年収が高い家庭である程度、子供の学力も高いと言われており、実際に黒人の学歴は低いという歴史的背景がアメリカにはある。
だが、このような学力格差については、学ぶ場を無料で提供したり、学費を免除したりなど、様々な積極的優遇政策はあるのに、アファーマティブ・アクションは入学試験の結果に対して、ずっと成績の良い白人を不合格にする一方で、成績がかなり下の黒人を合格するものであり、逆差別の色合いが強いと言われてきた。

この政策は、長年、左翼民主党が白人を逆差別するために行われてきた。
一方で、保守派共和党は、アメリカの自由と平等の精神にのっとって、「過去に行われた人種差別は是正されるべきであるが、その過去の歴史を引きずって逆差別をすることも良くない」と主張されてきた。

今回の連邦最高裁判所の判事の一人のトーマス判事は「アメリカの憲法は人を人種で分けていない。極左は個人を個人として見ずに、過去の歴史に縛られ続けている。」として意見を述べた。
トーマス判事は黒人であり、黒人の最高裁判所判事が「過去の黒人に対する人種差別を理由にして、現在、白人を逆差別するのはアメリカの建国の精神に反する」と主張したことには歴史的に意義があるといえるだろう。

アメリカの連邦最高裁判所の裁判官は政治色の強い者が混じっており、民主党のバイデン大統領が送り込んできた極左活動家そのものの裁判官もいる。
そのような極左活動家で黒人のジャクソン判事は「仮に、7世代に渡って祖先が大学に通っていた白人ジョン君と、7世代に渡って祖先が誰も大学に通ってこれなかった黒人ジェームズ君がいた場合、ジェームズ君を合格させた方が良い」という極端な理屈を説明し、アファーマティブ・アクションは合憲だと主張した。
だが、このジャクソン判事に対する意見に対しても、トーマス判事は「ジャクソン判事のたとえ話は意味不明で理解不能だ。ジャクソン判事は全ての黒人は犠牲者だからだと主張しているが、そのようなジャクソン判事の願望は理解できない。過去に黒人差別の歴史があったからと言って、全ての黒人が何でもかんでも社会のせいだ、人種のせいだとするのは間違いだ。」と鮮やかに切り返した。

今回のアファーマティブ・アクションに対する連邦最高裁判所の判決は、今のアメリカの社会の縮図そのものだ。
最高裁判所の裁判官にさえ、極左活動家が送り込まれており、「裁判所は黙って左翼活動家の言いなりになって、黒人を優遇して白人を差別する政策を容認すべきだ」とがなり立てている。
長年の極左の活動内容が世の中で明るみになった結果、元々は左翼であったトーマス判事でさえも、「極左の理論は間違っている。それはアメリカの精神ではない。」として、極左の意見にNOを突きつけているのである。
自由と平等の精神こそが、アメリカという国の建国からの精神であると、多くのアメリカ人が認識しているのだ。

だからこそ、アメリカはLGBT法に対しても、多くの州がNOを突きつけ、結果的に50州の内、49州がLGBT法を採用しなかった。
アメリカは国の大半を極左にのっとられてしまっているが、このように自助作用があるのである。

日本という国は、アメリカの極左活動家エマニュエル駐日大使の鶴の一声でわずか一週間でLGBT法を可決成立させてしまった。
日本だけこのまま黙っている場合ではないのである。


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