露プーチン大統領にタッカー・カールソンがインタビューの要約&解説@2024年2月6日

2024年2月6日にアメリカの保守派メディアに絶大な人気と信頼のある政治コメンテーターである、タッカー・カールソンが単身、ロシアに渡ってプーチン大統領にインタビューを行い、世界中で注目を集めた。
インタビューを行うタッカー・カールソン自身がロシアの歴史、伝統文化、宗教、近代政治情勢などに詳しくないことにより、インタビューの中身はまるで、知識の薄い生徒であるタッカーが、ありとあらゆる分野に卓越した教授であるプーチン大統領に質問をするような形式となった。

今回のタッカーのインタビューによって、2024年2月現在のロシアの立ち位置を確認する上での非常に貴重な一次資料となるため、筆者のインタビューメモを元に、現在のロシアの立ち位置やロシアが置かれた状況について解説する。


なお、プーチン大統領は2022年9月30日にウクライナ4州を併合するとの発表に伴い、ロシアで演説を行っており、ロシアが置かれている立場を分析する上でも非常に重要な材料となるため、演説の内容を分析しながら解説をした過去の記事も併せてご参照いただければ幸いである。


タッカーは2時間超に渡るインタビューの際に、最も関心を持ったのがロシアとウクライナの戦争についてであり、プーチン大統領は同戦争の背景と内情がどのようなものかを解説するといった内容であった。


現在のウクライナという国がある地域は、歴史的には地政学的にいう半島国家的な立ち位置の国であり、歴史・文化が非常に複雑な地域である。


プーチン大統領はこのウクライナとロシアの歴史的背景から説明した上で、現在のウクライナ東部にはロシア人が住んでおり、ウクライナ政府がアメリカの傀儡政権となり、アメリカがロシアの脅威を煽り、アメリカがウクライナをアメリカの代理人として、ロシアとの戦争を始めた経緯を説明した。

プーチン大統領が説明するように、ソ連という存在は東西冷戦構造における欧米西側諸国の敵として存在したかもしれないが(実は単なるプロレス団体である)、ソ連が崩壊したのちに誕生したロシアという国は西側諸国と同じ資本主義国であり、欧米西側諸国と敵対するような存在ではない。
ロシアはソ連が崩壊することで欧米西側諸国と仲良く出来ると思っており、受け入れられると思ったが、それはかなわず、ソ連と同じく敵視され続けたとプーチン大統領は語った。

そしてアメリカはウクライナの政治に介入し、ウクライナにアメリカの傀儡政権を立てて、ウクライナに対ロシアとの代理戦争をする役割を負わせるようになった。
ウクライナは政治が腐敗しており、ウクライナ政府がナチスのファシズムを継承するネオナチ組織となっていることをプーチン大統領は指摘する。
ネオナチ組織がウクライナのドンバス地方に住むロシア人を大量虐殺したのが2014年であり、それが発端で今のロシアとウクライナの戦争が続いている。
欧米の大手メディアは「2022年にロシアがウクライナを不当に侵攻した!」と宣伝しているが、実際には2014年にウクライナがロシアに対して始めた戦争が発端であり、2014年以降、何度もロシアとウクライナとの間に結ばれた停戦協定や終戦協定をウクライナが無視していることが、現在も戦争が続いている原因であることをプーチン大統領は説明している。
ロシアはこの戦争を止めるために何度も和平交渉に応じているし、いつでも新たな和平交渉を行う準備があるが、それに応じず、戦争を続けているのはウクライナとアメリカのバイデン政権である。

ウクライナの戦争の問題だけに関わらず、アメリカという政府組織が世界中を意のままに支配しようとする姿勢を止めなければ、世界は平和にならないとプーチン大統領は指摘する。
プーチン大統領が指摘する通り、アメリカ政府は第二次世界大戦の頃より、「世界の警察」という嘘の建前の下で、世界中に戦争の火種をバラまき、戦争をアメリカの戦争ビジネスに利用すると共に、アメリカ一強の世界支配のための野望を推し進めている。

今回のタッカー・カールソンのインタビューでは、プーチン大統領がロシアの大統領という政治的立場から、歴史的背景と世界情勢について語った貴重な一次資料なのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?