露プーチン大統領にタッカー・カールソンがインタビュー@2024年2月6日ロシアにて

2024年2月6日にアメリカの保守派メディアに絶大な人気と信頼のある政治コメンテーターである、タッカー・カールソンが単身、ロシアに渡ってプーチン大統領にインタビューを行った。
アメリカではロシアに近づいたり、プーチン大統領に近づくだけで、陰謀論者扱いを受けたり、暗殺される対象となるほど、ロシアは敵視されている。
そんな中で、バイデン政権の腐敗を報道し、バイデン政権を痛烈に批判してきたタッカー・カールソンがプーチン大統領とどのような話をするのか注目が集まっていた。

今回のインタビューは時間にして二時間超に渡ると共に、歴史や政治や地政学等に関して非常に込み入った話が多い上に、質問者であるタッカー自身がロシア情勢やロシアの歴史に詳しくない上で的外れな質問をした部分も多々あったため、文意が出来るだけ通じるように筆者が短く修正させていただいた。
それでも文字数にして一万字近くになるほどの膨大な内容量のインタビューとなっている。

タッカーはまず、「ウクライナ紛争が始まった2022年2月22日にあなたはロシア全土に対する演説でアメリカがNATOを通じて、わが国ロシアに奇襲攻撃を仕掛けてくるかもしれないという結論に達した上で行動をしていると語ったが、アメリカがロシアを攻撃すると考えた根拠を教えてください。」とプーチン大統領に質問した。
するとプーチン大統領は「そんなことは言っていないよ」と返答した。
その上でプーチン大統領は「これからの時間はトークショーをするのか、それとも真面目な話をするのか、どちらですか?」とほほ笑んだ。
タッカーは驚きながらも笑いながら「もちろん真面目な話をします」と言うと、プーチン大統領は「では、その話をするために正しい歴史認識を持たないと話が通じないのでまずは歴史の話をしますが、宜しいでしょうか?」と返答した。
プーチン大統領の提案に「お願いします」とタッカーは返答し、プーチン大統領は「では、ウクライナ問題がどこから発生したか、見ていきましょう」と語った。

プーチン大統領「中心的な国家体制の歴史が続いていた中、862年にロシア国家が誕生した。ノブゴルドの住民がスカンジナビアからビランディアの皇子リューリクを招いて統治させた。1862年にロシアは建国1000年を迎えた。ノブゴルドには建国1000年を記念する記念碑がある。882年にリューリクの後継者オレゴ皇子はリューリクの幼い息子の摂政の役割を果たしていた。リューリクはその時までに亡くなってしまったためにキエフにやってきた。ロシアはキエフとノブゴルドの2つの勢力を中心に発展し始めた。リューリクのひ孫であるウラジミール皇子がロシアの洗礼を受けて東方キリスト教に改宗した。これにより、さらに中央集権的なロシア国家が強化された。領土が単一であったことも、それを助けた。つまり、言語が単一で、経済圏も単一であった上に、宗教も単一となったからだ。
中世になると、様々な事情により複雑な事情を抱えるようになった。ロシア国家内の王位継承の争いがあり、国家内が分裂するようになり、さらにモンゴル帝国がロシアを攻めたことにより、殆ど全てのロシアの街は破壊され、略奪された。キエフなどは略奪されただけにとどまったが、征服されてしまった。ロシア北部の一部はモンゴル帝国に貢物をしなければならない事態となったが、一部の主権を守り抜くことが出来た。そこでモスクワを中心とする統一ロシア国家が形成され始めたが、キエフを含むロシア南部はヨーロッパ勢力の方に影響されるようになっていった。そこにリトアニア大公国が建国されるが、この国の大半はロシア語を話し、ロシアの宗教を信仰するロシア人だった。そしてのち、リトアニア大公国とポーランドが統一し、さらに別の国との統一がなされていき、その際にロシアの宗教からローマ教会の宗教に改宗させられた者たちがあらわれた。そこでポーランドはその地域を植民地化し、そこの住民を『ウクライナ人』というように位置づけ、ロシア人ではないという統治を行った。この『ウクライナ人』というのは『辺境の地に住む人』という意味で名付けられ、ポーランドによって圧政が布かれた。これは13世紀の話だ。
1654年、ウクライナの地が侵略にさらされた時に現地の為政者はポーランド本国に援助を求めたが拒否をされ、モスクワのロシアに援助を求めた。ロシアのツァーリ(皇帝)はこれを機にウクライナの地が元々はロシア領であることを主張し、ロシアが戦争に介入し、32年後にポーランドとの間に永遠の平和と呼ばれる講和条約が結ばれ、キエフの一部、ドニエプル川の東側がロシアに戻ってきた。そこからロシア革命までずっとロシア領となった。
第一次世界大戦のとき、オーストリアは対ロシア戦の為にウクライナの地をウクライナ化してロシアから分断するための行動を始めた。オーストリアにより、ウクライナに住む人たちは「あなたたちはロシア人ではなくウクライナ人なのだ」というプロパガンダがオーストリアによって行われるようになった。
第二次世界大戦でポーランドはドイツのヒットラーに協力、ポーランドはヒットラーと和平と友好条約を結ぼうとするが、ドイツはその見返りとしてポーランドにダンツィヒ回廊をドイツに返還することを要求した。しかし、第二次世界大戦でドイツは敗戦したため、ポーランドに残ることとなり、そこでグダスンクという都市が出現した。
1939年9月1日、ナチスドイツの開戦相手はポーランドだった。それはポーランドがドイツに全く妥協しなかったためであり、ドイツはポーランドに侵攻するしかない状況にドイツは追い込まれた。第二次世界大戦の結果、ロシア(当時はソ連)はウクライナを取り戻した。スターリンはウクライナをロシアに戻せと主張したが、何故かレーニンはウクライナをロシアから独立させろと主張し、ウクライナは1654年からロシア領であるにもかかわらず、ロシア領ではないという位置づけにされてしまった。私(プーチン大統領)には理解できないが、ウクライナはロシアに戻されるべきであったにも関わらず、人工的に『ウクライナ』という国にされてしまったのだ。」

ここでタッカーはプーチン大統領が何を言わんとしているかを理解していないことを白状する質問として、「ではあなた(プーチン大統領)は、ロシア周辺地域が1654年の時期に戻すべきだと主張するのか?」と言った。
これに対してプーチン大統領はため息をつきながら冷静に以下のように答えた。
「1654年の時点の勢力図・国境線に戻すべきかどうかは私(プーチン大統領)にはわからないが、スターリンの時代に多くの権利侵害や侵略が行われ、その土地を取り戻したいという人々がおり、その主張は理解できる。私はハンガリーのオルバン大統領に『ロシアに協力してくれたらウクライナの領土の一部をハンガリーに譲渡する』などとは一度も言ったことはないが、西側諸国はそのようなことを言ったというプロパガンダを流している。」

するとここでしびれを切らしたタッカーが再びプーチン大統領に、「歴史の事はいいが、結局、あなた(プーチン大統領)は2022年2月の軍事行動はなんだったのだ?NATOの核の脅威を感じて軍事侵攻したのではないか?」と質問した。
するとプーチン大統領はタッカーがしびれを切らすことなど予想通りだという余裕をもって答えた。
プーチン大統領「私(プーチン大統領)が歴史の話を長々として、あなた(タッカー)がイライラすることはわかっていた。だが、あなたは真面目な話をするとインタビューの最初に言ってくれた。だからまずは、話の前提となる歴史の話をしている。だから我慢してくれと最初に言ったのだ。あなたが知りたい事実を話す上での前提はもう少しで終わる。ウクライナはソ連政権によって分断されたのだ。だが、ウクライナの人々はロシアと言語を話し、同じ宗教を信仰しており、ロシアそのものだ。」

プーチン大統領「そして、ソ連は崩壊し、ロシアは自由主義国となった。それによってロシアは西側諸国に歓迎されるようになるとロシアは思っていたが、西側諸国はロシアを国際資本によって搾取するようになり、軍事的にもロシアを敵対視し続けた。」
タッカー「その通りだ。本当の脅威は共産主義の中国のはずなのに、中国は脅威とはされず、ロシアを脅威とされ続けた。ロシアが脅威とされ続けた理由をあなた(プーチン大統領)は何だと思いますか?」
プーチン大統領「誰が誰を恐れているという話はもう止めにするべきだと思う。1990年以降、ロシアは経済的に西側に受け入れられると思ったが違った。NATOは戦力を解消すると思ったが、ロシアとの対立を続けて戦力拡大するようになった。私(プーチン大統領)は西側諸国に受け入れてもらう努力を続けた。ユーゴスラビアが激動の時代に入った時、私はセルビア人に応援せざるを得なかった。セルビア人はわれわれロシアと同じ宗教であるロシア正教を信仰する者たちであり、ロシアの仲間だからだ。しかしアメリカはユーゴスラビアで空爆を始め、ロシアはそれに抗議した。アメリカは『国連憲章はもう時代遅れだ』といって空爆を続けたのだ。私は2000年に大統領になり、私は改めてロシアが西側諸国に歩み寄ることを宣言した。当時の米大統領クリントンに『ロシアがNATOの仲間に入れてくれとお願いしたら受け入れてくれるか?』と話したら『今は無理だ』と言った。」

タッカー「あなたは本当に心からNATOに入りたいと思って聞いたのか?」
プーチン大統領「私は可能かどうかを聞いたが、断られたのだ。」
タッカー「何故拒絶されたと思いますか?恨んでいるのか?何故関係は修復されなかったのか?アメリカ側の動機は何だったのかと思いますか?」
プーチン大統領「恨んでなどいない。ただ事実を述べただけだ。受け入れてくれと言ったが、断られただけなのだ。ただロシアが歓迎されていないことが分かった。何故アメリカがロシアを拒否したのかは、あなた方が自分の国に聞いてくれ。アメリカは独自の意見があるようだ。」

プーチン大統領「私はアメリカと協力していこうと言い続けたがアメリカは『それは出来ない。われわれはロシアの野党と協力する』と返答した。米CIAは『われわれはロシアの野党と協力する』と言った。米CIAがロシアの野党と呼ぶのは、ロシアを転覆しようとしているコーカサスにいるテロリスト集団のことで、彼らは現ロシア政府にテロ攻撃を仕掛けてきている者たちである。
イランの核の脅威が高まった時にも私はアメリカにロシアがアメリカに協力してイランの核の脅威を抑え込もうと提案したが、それも拒否された。それが実現していれば、世界は今よりも平和になったはずだ。
NATOを東方に拡大することによってロシアに脅威を与えることも止めてくれと、ロシアはアメリカに訴え続けたが、アメリカはNATOを東方に拡大し続けた。そしてアメリカはウクライナをNATOに入れる計画に入った。ウクライナがNATOに入ればロシアとの緊張が高まるため、ヨーロッパ各国はウクライナがNATOに入ることを拒否し続けたが、アメリカはそれを押し切った。アメリカはウクライナの選挙に介入し、『不正選挙だ!やり直せ!』と騒ぎ立てて再選挙が行われた結果、ウクライナに親米大統領が選ばれた。2010年のウクライナ大統領選挙で再び親ロシア派のヤヌコヴィッチが大統領に選ばれた。これにより2014年のマイダン革命というクーデターに発展することとなった。ヤヌコヴィッチがアメリカの要請通り、NATOに加盟すると言い始めたときに、ロシアはこれを止めるために『ウクライナとの国境を閉鎖する』と言った。ウクライナの経済はロシアととても緊密で、ロシアとの関係が無くなればウクライナの国は傾くと計算したヤヌコヴィッチはNATOに加盟することを躊躇し始めた。するとウクライナで反対派がマイダンで暴力的な行動に出た。これがマイダン革命だ。実際には軍事クーデターだ。これを平和的に解決するミンスク合意を締結したが、これをアメリカとウクライナが破ってきたのだ。そして、ウクライナはウクライナ国内に居るウクライナ人を殺し始めた。このウクライナ人はロシアと宗教を同じくするロシア人であり、われわれロシアは同胞を見殺しにすることができないためにウクライナに介入した。2022年にロシアが戦争を開始したのではなく、2014年にアメリカとウクライナが戦争を開始したのだ。ロシアの目的は戦争を終わらせることであり、ナチ化の阻止であり、ネオナチの解体だ。欧米も交えたイスタンブール合意でロシアは約束通りにキエフからロシア軍を撤退させたが、その直後にウクライナは合意を無視して欧米の援助を受けて長期武力衝突に備えた。」

タッカー「ロシアは現在の領土で満足しているのか?領土的な野心はないのか?脱ナチ化とは何を意味するのか?ヒトラーは既に死んでいるし、ヒトラーの死から80年も経っている。」
プーチン大統領「欧米は密かにナチズム化している。カナダの国会でウクライナのゼレンスキー大統領と元ナチスの幹部が招待され、大歓迎された。確かにヒトラーは80年前に死んだが、ヒトラーの精神は未だに残っている。カナダの国会で彼らが招待されたのは正にナチズムの精神が残っていて称賛されているからだ。
イスタンブール合意の中にはウクライナでネオナチをすすめないことや法律でネオナチを禁止することを合意した。別にこの合意はウクライナにとって負担があるようなものでもないし、不当なことを合意させたというものではない。世界中の国でネオナチ化することが許される国などない。」

タッカー「ウクライナを平和にする和平交渉は行ってこなかったのか?」
プーチン大統領「これまで何度も和平交渉が行われ、合意に達しました。しかし、合意に達してロシアがキエフから軍隊を撤退させた途端に、合意が破棄されてきました。そしてウクライナはアメリカに指示されたように、ロシアと最後まで戦うとして戦争を始めた。しかもウクライナは『ロシアと交渉することを禁止する』という法律まで作ったのだ。」

タッカー「アメリカ大統領のバイデンにこのことについて話したのか?バイデンは何と言っているのか?なぜもっとアメリカと交渉しないのか?」
プーチン大統領「アメリカ大統領がどう発言したかは君たちアメリカ国民が聞いてみてくれ。私はあらゆる機関を通じてアメリカに伝えてきた。戦争をやめるには武器の提供を止めることが有効で、ロシアはアメリカに対して何度も『ウクライナに武器を提供するのを止めろ』と言い続けてきたが、アメリカはそれを無視し続けてきた。さらにどこの誰と話せば良いというのか?アメリカは『ロシアは脅威だ』という架空の脅威をでっちあげてアメリカ国民をロシアとの戦いに向けて煽っているのだ。ロシアはどの他国に侵略するつもりなどない。他国から攻められれば防衛するだけだ。『ロシアに核の脅威がある!』というのは単に戦争を煽っているだけに過ぎない。」

タッカー「米上院議員のチャック・シューマーが『ウクライナへの武器支援を続けなければ米国が戦争にさらされ、米軍の派遣が必要になる』と主張しているが、この主張をどう思うか」
プーチン大統領「単なる挑発であり、安っぽい挑発だ。なぜアメリカ兵がウクライナで戦わなければならないのか、私には理解できない。ウクライナはアメリカからかなり遠く離れている。何の必要があるのか?アメリカ国内には移民問題など様々な問題があり、国債は33兆ドルにまで膨れ上がっており、やるべきことはロシアとの交渉ではないのか?」

タッカー「ノルドストリームは誰が破壊したのか?あなたはその犯人が誰であるのかを立証すれば良いのではないか?」
プーチン大統領「(犯人が誰であるかは明言せず)米CIAにはその能力がある。欧米のメディアをアメリカは買収しており、そのプロパガンダに勝つには容易ではない。この争いには膨大な費用がかかる。」
タッカー「ドイツはノルドストリームの爆破によって経済的に大きな打撃を受けた。何故ドイツは黙っているのか?」
プーチン大統領「今のドイツの指導者たちは自国のドイツの利益よりも、西側諸国全体の利益で動いている。そうでなければドイツの行動を説明できない。ノルドストリームは全てが破壊されたわけではないし、他にもパイプラインはある。ドイツはそのパイプラインを使ってロシアから安い天然ガスを買うことが出来るにも関わらず、それをしない。ウクライナを通るパイプラインも閉じられたままだが、ウクライナに支援する世界第二位の国がドイツであり、ドイツはウクライナに『パイプラインを開けてくれ』といえば済むのにドイツはそれをしない。」

タッカー「米ドルの世界的支配が揺らいでいるが、どう思うか」
プーチン大統領「アメリカは米ドルを世界の基軸通貨にすることで世界中を支配してきた。だが、今、それを揺るがす状況になっており、米ドルを使わないことを政治的な武器にしている国が現れ始めている。アメリカは特定の国に米ドル取引に制限を加えるという愚かなことをしているが、これがシグナルとなり、制裁されていない国も影響を与えかねない。2022年以降、アメリカはロシアに対して米ドル取引に制限を加えてロシアに経済制裁をしようとしたが、逆に経済的に苦しんだのはアメリカだ。産油国も取引通貨に中国人民元を使うようになり、アメリカの力はどんどん衰えている。アメリカは気付いているのか?アメリカにとって米ドルが弱くなることは何を意味するのか、わかっているのか?アメリカは自ら自分を殺そうとしている。指導者は常に何かを行う時に、行うことによる利点と欠点を見通さなければならない。」

タッカー「BRICSは中国に完全に支配される可能性はあるのか?」
プーチン大統領「それはありえない。ロシアは歴史の中でずっと中国の隣国であり、ずっとうまくやってきた。何世紀にも渡ってロシアは中国と共存してきたし、中国との付き合いに慣れている。それに中国の外交理念は攻撃的ではなく常に妥協点を探す。アメリカは中国を制裁によりコントロールしようとしているが、それではうまくいかない。」

タッカー「バイデン政権の後の新政権が誕生した場合に、アメリカ政府と意思疎通を再開できるようになると思うか?」
プーチン大統領「その答えの前に中国との話をしよう。中国とは経済や技術を連携しており、その経済規模は拡大し続けており、ハイテク、エネルギー、科学研究開発において、ロシアと中国の関係はバランスがとれており、お互いに補完しあっている。G7の世界経済規模は1992年には47%だったが、2022年には30%程度まで下落した一方で、BRICSは16%だったのが今ではG7を超えている。アメリカはこれからどうするのか?アメリカの政治体制は世界が客観的な状況下で変化していることを理解していない。覇権を握り続けたいと思っても思うようにいくものではなく、有能かつタイムリーな方法で正しい判断を下さなければならない。過激な行動は逆効果になる。新しい指導者になったらどうなるかという質問については、それは指導者がどうなるからといって変わるものではない。強引な行動に基づいて、どんな犠牲を払ってでも支配しようという考えがアメリカ社会を支配しているなら、何も変わらないだろう。アメリカの認識が変われば世界は変わるかもしれない。

タッカー「あなたは長い間、ロシアを運営し、その間の全てのアメリカ大統領の事を知っている。アメリカの権力中枢とは何だと思うか?誰が実際に意思決定をしているのか?」
プーチン大統領「わからない。アメリカは複雑な国だ。一方では保守的で、一方では急速に変化している。多くの選挙があるし、各州が独自の法律を持っており、そんなアメリカを全体として理解することが可能なのか?さらにアメリカでは共和党と民主党という2つの政党が支配的で、この2つの政党が政策を決定していく。
では何故、ソ連崩壊後にアメリカが誤った粗雑で不当な対ロシア圧力政策がとられたかについて私見を述べよう。NATOの拡大、コーカサスの分離主義者への支援、ミサイル防衛システムの構築、これらは全てアメリカの圧力政策によるもので、ウクライナをNATOに引きずり込むのも圧力だ。何故このようなことになったかというと、過剰な生産能力が生み出されたからだ。ソ連との対立が存在する中、多くの組織が作られ、ソ連に関する専門家がいて、彼らは他の事は何もできなかった。彼らはその後、ロシアを解体して中国に向けようとしている。これはソ連との対立のために働いた人々の間違いである。世界を見て未来を見据えて考え方を改める必要がある。」

タッカー「ウクライナのゼレンスキー大統領には、ウクライナの紛争を解決する交渉の自由があると思うか?」
プーチン大統領「詳細は分からないし、判断は難しいが、恐らく彼にはあると思う。いずれにせよ、かつてはあった。彼の父は第二次世界大戦中にナチスと戦った。そのことをゼレンスキー大統領と話したこともある。『君の父親はナチスのファシズムと戦っていたのに、何故、今の君はウクライナのネオナチを支持しているのだ?』と。ゼレンスキー大統領はウクライナを平和に導くというウクライナ国民の期待を背負って政権に就いた。このことは本人が語っていた。これが彼が選挙で圧勝を収めた理由だった。しかし彼は政権に就いて2つのことに気付いたのだろう。1つはネオナチやナショナリストとは衝突しない方が良いということ、もう1つはアメリカを中心とする西側諸国はネオナチやナショナリストを支持しており、ロシアと敵対する人々を支持しており、この方針を続ける方が有益で安全だ。だから、ゼレンスキーはウクライナでの戦争を終わらせると国民に約束して大統領になったにもかかわらず、約束を破って戦争を続ける決断をしたのだ。」

タッカー「2024年2月の現時点で、ゼレンスキーは明らかにウクライナや世界の為になっていない事態を終わらせることについて、あなたやロシア政府と直接話す自由がゼレンスキー自身にあると思うか?」
プーチン大統領「彼はウクライナの大統領であることを自覚しているし、彼にはそれができるだろう。われわれはイスタンブールでウクライナと交渉をした。彼は国内でもちゃんと決定権を持った権力の座にあることは証明されている。問題は、彼らがそれを望んでいるかどうかだ。さらにウクライナ大統領はロシアとの交渉を禁止する法令を出した。彼にその法令を取り消しさせてほしい。ロシアは交渉を拒否したことなどない。ロシアは交渉の準備ができている。」

タッカー「あなたは何度かロシア正教が正統だと主張した。それはあなたにどのような影響を与えるのか?」
プーチン大統領「既に述べたように、988年にウラジミール王子自身が祖母のオルガ王女に倣って洗礼を受けた。その後、彼は自分の分隊にも洗礼を授けた。そして徐々にルス人全員に洗礼を授けた。異教徒からキリスト教徒への長いプロセスだった。長い年月を要して、最終的に東方キリスト教はロシア国民の意識の中に深く根を下ろした。ロシアが拡大して、イスラム教、仏教、ユダヤ教を公言する他の国々を吸収したとき、ロシアは常に他の宗教を公言する人々に非常に忠実であった。それがロシアの強みだ。一方でロシア当局はロシア帝国に入ってきた人々の文化や宗教に常に細心の注意を払っていた。これがロシアの国家としての安全と安定の基礎を形成したと私は考えている。ロシアに住むすべての民族は基本的にロシアを自分たちの母体と考えている。ロシアに住む人々はひとつの大きな家族であり、私たちの伝統的な価値観は非常によく似ている。これが私たちの社会の基本です。ロシアで愛国心が強いのはそのためです。」

タッカー「キリスト教は特に非暴力の宗教です。イエスは『一方の頬を殴られたら、もう一方の頬を向けよ、殴った者を殺すことは決してならぬ』と教えています。どの国の指導者であれ、殺人をしなければならない指導者がどうしてキリスト教を信仰できるのでしょうか?どうやって自分の中で納得するのか?」
プーチン大統領「自分自身や家族、祖国を守るためなら、とても簡単なことだ。わたしたちは誰も攻撃しない。ウクライナの情勢はいつから始まったのか?それはクーデターとドンバスでの敵対行為が始まってからだ。私たちは国民、自分自身、祖国、そして私たちの未来を守っていた。一般的に宗教は私たちの心の中にあるもので、私たちの文化はとても人間的なものだ。ロシア人は永遠や道徳的価値について、よく考えている。ロシア人は西洋文化より現実的だと私は考えている。」







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