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仕様書どうしよう、 こう思様。

絵を描くかどうかは置いておいて、
「牛が住んでいる湖」のイラストを発注されたらどれを描きますか?
A:湖畔に牛がいる絵
B:浅瀬で水浴びをしている牛の絵
C:水中にすんでいる牛の絵
D:牛のような化け物が湖畔ないし湖にいる絵
E:抽象画のようなイメージ

多分、大半の人がAかBだと思う。常識的だ。
そして、正しいかどうかは別として、要件を満たしているのはABC。
Dは、クライアントや営業・仲介からしたら予想しない。ぶっとんでる。
Eは「そう来たか」という評価になるかもしれない。
だが要件に「湖の近くの牧場のオーナーからの依頼」「ポスターに使う」
というのが付けばどうだろう?
少し考えれば、水中に牛はいないし、化け物は論外。
(本当にそんなものが存在するなら別だが)
つまり、CとDは消える。
だが、実際には仕様書にそれは明記されていない。

仕様書上でCDEを否定、ABに絞り込むためには
「~で~している様子」のような、具体的なイメージが必要。
逆に「抽象的に~」と言われたらEだけが残る。

仕様書というのは、そういうことだと思う。
Dを描いてほしい人は「湖の牛を描いてくれ」なんて言わない。
だが、ABCEに関しては、最初の言葉通りなら受け取り方に違いが出る可能性はある。人間、それぞれ考えることが違う。今までの経験も作用する。
この場合
「牧場のオーナーからの依頼で牧場のPRポスターに使う、湖があるから、そのそばにいる牛を描いてほしい」
細かな、牛の種類や湖の形、牧場の様子などは、写真などの資料が必要ということはさておくとして、こういった指示が明確だ。
実際の仕様書は、本来もっと詳しいかもしれないが。

ただし、仕様書通りにした場合、AもBも平凡だと思う。
その場合絵のクオリティやタッチが重要になってくる。
というか、細かいところを除けば、ほぼそこでしか勝負できないと思う。
だから、万人にウけるのはムリでも、自分の絵が好きな人だけは満足させなければいけない。そして、その層をメインターゲットにするのだろう。

考え方として、Cは単にズレている気がする、仕事ができないか、芸術的すぎるのかもしれない。DとEは面白いと思う。ただ当たらない。大半が求めていないからだ。Dは求められている場所に行くべきで、Eは、本当にそうであればそういう依頼をしてくるだろうからだ。(オシャレに~だとかアートっぽく~とか。)

クオリティも含めて、そういう仕様書以外での部分で勝負できるかどうかは、大事だと思う。その人の能力で、できうる限りのことをする。
それが「この人に頼みたい」と、次の仕事につながり、別の所でも評価され、いずれ、金銭や信用・評価・名声といったものに変わっていくのだろう。

だが、仕様書通りでしかないからといって、仕様書を書いた側には、文句を言う権利は無いと思う。イメージがあるなら伝えるべきを伝えてこその「仕様書」だ。
デザインをしている身としても、お互いが納得して円滑に仕事を進めるために、依頼をする側にも、多少の手間をお願いしたいものだ。


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