あのとき、私が好きだった彼と付き合えてた可能性は何％だったんだろう。友達に思ってもないことを言って傷つけて、そこでちゃんと謝ってもう一度笑い合えていた可能性は？あの日独り泣いて訴えては虚しく落ちた言葉が、誰かに届いていた可能性は。いるなら教えて、神様。

神様なんて信じているわけではないけれど、時々こうやって過去の分岐点で叶わなかった未来が起こり得た可能性を聞きたくなってしまう。別に今の自分を後悔しているつもりもないのに、どうしてなんだろう。なりたかった自分に悉くなれないでいるからだろうか。それでも、本当に、後悔はしてないんだけど。

なりたかった自分を全部網羅しているわたし、パラレルワールドにでもいるのだとしたら、笑っているだろうか。この世界の私よりも幸せだろうか。

この世界の私は、当時好きだったイケメンの彼と毎晩メールしていい感じだと思っていたにも関わらずいきなり彼に超美人の彼女ができて失恋したり、思ってもないことをその場の雰囲気で言ってしまって友達を傷付け、戸惑って謝らずに帰ってしまったり、辛くて辛くて泣いてわんわん泣いて独り、部屋で沢山気持ちを喋ったけど、勿論誰にも届かなかった。

そんな分岐点を選んできたから今があって、今目の前にある幸せはこの選択肢を選んだ私だけにあるものなんだろう。選ばなかった方の未来だって勿論体験したかったけれど、そっちを選んだが故に今の幸せが消えてしまうのは嫌だ。だからこっちが正解だ。あの日の友達には申し訳ないけれど(今も仲良くしてくれている)。そう願って今は前を向くことにする。パラレルワールドのわたしも、どうか楽しんで。

だけど神様、いるならこれからは素敵な選択肢の方を選ばせてよね。