笠原加帆

兵庫県芦屋市在住。ライターのはしくれ。俳句もよむしエッセイもかく。 お仕事募集中です!…

笠原加帆

兵庫県芦屋市在住。ライターのはしくれ。俳句もよむしエッセイもかく。 お仕事募集中です! エッセイスト、ラジオパーソナリティーもやってみたいと思っている Mail>>kahomamo0410@gmail.com

マガジン

  • 拙くも愛する俳句たち

    句会に出した毎月の俳句を置いておく場所。

最近の記事

潜在意識まで守ってくれるらしい夫

朝、10時14分。 右の窓からは学校が再開されていないままの子供たちが外で楽しそうに遊んでいる声。いつも3、4人で朝っぱらからボールで遊ぶ大変素晴らしい子たち。向かいのマンションに住むおねえさん(私)はもう少し寝ててくれと思う日があるよ。朝7時に起こされる日もあるのよ。 一方、左の引き戸の向こう(リビングダイニング)ではリモートワーク中の夫が音声を繋いで会社の人と談笑をしているらしく。 まだ起きて数秒、寝ぼけたままの私に、両方の声がじわじわとしみこんできて、ようやく目が覚

    • 料理が好きでよかった

      1日に1度は必ず、彼にめちゃくちゃ褒められる時間がある。晩御飯の時間だ。 彼が仕事から帰ってくるタイミングを見計らって料理をするのが私の唯一の毎日の仕事じゃないかと思う。毎日基本的に、米以外におかずを三品は作る。肉か魚のメインが1品、あとは野菜料理が2品。ちなみに今日のメインは麻婆茄子である。あとの2品は、まだ決まってない。何を作っても必ず毎回「ほんとに旨い。カホは天才だ」と口をもぐもぐさせながら褒めてくれるから、同棲してもうすぐで1年、ほとんど毎日それを言われ続けている私

      • 拝啓、神様。

        あのとき、私が好きだった彼と付き合えてた可能性は何%だったんだろう。友達に思ってもないことを言って傷つけて、そこでちゃんと謝ってもう一度笑い合えていた可能性は?あの日独り泣いて訴えては虚しく落ちた言葉が、誰かに届いていた可能性は。いるなら教えて、神様。 神様なんて信じているわけではないけれど、時々こうやって過去の分岐点で叶わなかった未来が起こり得た可能性を聞きたくなってしまう。別に今の自分を後悔しているつもりもないのに、どうしてなんだろう。なりたかった自分に悉くなれないでい

        • やりたいことがいっぱいある。

          やりたいことがいっぱいある。いつの間にかもう絶対にニットなんか要らない季節になってしまっているからそれらを閉まって半そでやキャミソールを出したり、いつから溜まってんのってくらいのレシートの山を家計簿アプリで整理する、とかじゃなくて。 私に文章力とお金があったなら今すぐにでもやりたいことが沢山ある。何かいいアイディアは無いかなってひたすらに考えるときこそてんで出てこないけれど、力を抜いたときに色んなアイディアが浮かぶ。ソファーでぼーっとしているときとか、シャワーを浴びていると

        潜在意識まで守ってくれるらしい夫

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        • 拙くも愛する俳句たち
          5本

        記事

          四月を十七音で言うならば

          あれだけゴールデンウィーク中には四月の俳句を載せると言っていたにも関わらず、である。平成の句は平成のうちに、なんて思うだけでちゃっかりゴールデンウィークを手放しで楽しみ、終わってもなお逃げたけど、今日こそ。ということで、四月の句会に提出した句をいくつか。 いま横をすれ違った春にさよなら 先生の直し無し 四月、大好きな春が横をすれ違う瞬間が分かった。また来年会いましょうって心の中で挨拶した。 落椿死なせてたまるかと拾う 先生の直し:落椿死なせてたまるかと拾ふ 最近死について

          四月を十七音で言うならば

          今日はたいせつ

          昨夜は中々眠れなかった。彼の弟が泊まりに来ていたからだろうと思う。いつもと違う状況だとあまり眠れない。当然、夜中も何度も目覚めて、朝は普通絶対止められない目覚ましも止められてしまったくらい早く起きた。 彼は会社の鍵当番(本当に謎な制度だとつくづく思う)で早く家を出たので、早朝を持て余して、ひとり白湯を飲んでぼーっと過ごした。彼の弟はというと、必修だとかいう授業の開始時間が迫ってきているというのにすうすうと眠っていた。もう3度起こしているけれど起きない。「一度でも欠席したら単

          今日はたいせつ

          いつだって、置いていかれるほうが辛い

          幼い頃、学校が休みの度に泊まりに行くのは祖父母の家だった。よくある骨肉の争いで親戚一同が祖父母と揉めて一族がばらばらになってしまってから20人ほどいた孫たちは親(祖父母の子供)に言われて祖父や祖母に寄り付かなくなっていた。そこに唯一争いに混ざらなかった私の母に祖父から「カホは遊びに来んのか」と毎週電話がかかってくる。母は再婚した旦那と(もうとっくの前に離婚した)しばしば喧嘩するから私がいない間に心も体も傷付いていたらどうしようと心配で心配で、母の元から離れるわけにはいかなかっ

          いつだって、置いていかれるほうが辛い

          さようなら、平成。

          さようなら、平成。 平成に生まれ、この時代しか知らない私にとって、他に比べようがないからとか、多分そんなんじゃなく、平成は幸せな時代でした。まず、生まれてこれたことが幸せでした。それも、母のもとに。 そして、願わなくても勉強ができる環境が当たり前にあって、お腹が空かなくても暇つぶしに何か食べられるくらい食べ物に困らないような日々を過ごして、一人っ子で遊び相手がいなくてもゲームが遊び相手になってくれる、そんな平成は、とっても生きやすかった。今日は、何をしても“平成最後”とい

          さようなら、平成。

          三月の十七音

          もう令和が目の前まで来ているというのに、俳句のnoteはまだ3月だなんて。信じたくない事実だ。急いで更新したいけど、画像を作るのが億劫でなかなか進まない。俳句を打ち込むだけだから取り掛かるとすぐ終わるんだけど、手をつけるまでが大変なのだ。 俳句は毎回句会当日の朝か、前日の深夜(日付的には当日)に提出するのだけれど、3月はなんとしっかり2日前の昼頃に提出できてしまって驚いた。提出される側の先生も驚いてて笑った。この間は4月の句会だったのだけど、先月ちゃんと2日前に出したから今回

          三月の十七音

          もう二度と、ばあちゃんに会えないかもしれない

          夜、眠ろうと目を閉じた。最近はなかなか寝付けなくて、光を遮断した瞼の裏で色んな考えが巡る。昨日出てきたのは、ばあちゃんだった。 随分前に祖父を亡くし、ひとりになったばあちゃん。ひとりになった途端、認知症が物凄い速度で進行して、あることないこと言うようになった。私や親戚に毎晩泣きながら電話をかけてきては、私や母の悪口をでっち上げる。嘘はどんどんエスカレートして、私にお金を貸したが返してくれないとまで言い始めた。なけなしのバイト代でばあちゃんにご飯を奢ってあげたことはあっても、

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          もう二度と、ばあちゃんに会えないかもしれない

          「動物の赤ちゃん、この春限定」のCMに思うことと法律~動物は物なのか~

          私が住んでいる兵庫では、動物園かなんかの「動物の赤ちゃん、この春限定」なんてCMがよく流れている。要は「この春にしか会えない動物の赤ちゃんたちに是非会いにきて」ってことなんだけど、言い方がどうも気に食わないから、今日のnoteはこのCMに抱く超個人的意見を書くことにした。それに派生?して、法学部卒なので動物と法律のことも簡単に触れてみようと思う。 気に入らない点”○○限定”は物が対象のことが多いのに、それを動物に使っているということ 巷で”〇〇限定”のワードを目にすることが

          「動物の赤ちゃん、この春限定」のCMに思うことと法律~動物は物なのか~

          音を写真に撮るならば

          朝、出勤する彼を玄関で見送った。ドアがぱたん、と閉まったら、そのまま洗面所に向かう。歯を磨いて顔を洗い、最後に鏡に映る自分の顔を見て気合いを入れる。リビングに行って、彼が珈琲を淹れるために沸かしたお湯の残りを、そのままマグカップに移して飲む。最近は悲しいニュースが多いのと、朝から沢山喋ってくる声が辛いのとでテレビはつけない。あ、そういや、今日は句会だ。昨日、明日が句会なことを知って夜中の1時まで頭を悩ませてみたけど笑えるくらい何にも浮かばなかったから明日の私に全てを託して諦め

          音を写真に撮るならば

          澄んだ曇り空を見て笑う

          バナナミルクが好きだ。 ミキサーにバナナと牛乳を入れて、好きなだけ回したらもう後は飲むだけのあのバナナミルク。朝それを飲もうと、シンクの下からミキサーを出し、電子レンジの上に転がっていたバナナを取り、冷蔵庫から牛乳を掴んだ。瞬間、ちゃぷん、と軽い音をさせてパックの中で牛乳が跳ねる。バナナミルク1人分に到底及ばないだろうその量を、しばらくぼうっと紙パックを見つめながら段々と理解して、諦めて冷蔵庫に戻した。 久しぶりに飲みたかったから、かなりしょげた。24歳がまさかバナナミル

          澄んだ曇り空を見て笑う

          将来は、萬田久子になる予定なのでどうぞよろしく

          萬田久子に、たまらなく憧れている。 私が幼い頃から、萬田久子は母の憧れだった。彼女を”母の憧れの女優”という意識で見ていた筈なのに、いつからか母の憧れ=私の憧れという式が成り立ってしまい、すっかり私の憧れの存在にもなってしまった。とは言っても、母の思いだけが動機だったわけじゃない。どっぷりハマってしまったきっかけは、あるバラエティー番組だった。海外での彼女の行動に密着した番組で、思い入れのある地に訪れてはここでの思い出をぽつりぽつりと話し始める彼女。彼女に内縁の夫や息子がい

          将来は、萬田久子になる予定なのでどうぞよろしく

          芦屋市民も、10個98円の卵に走る。

          先着100パック、卵10個入り税抜き98円。 昨晩、もうそろそろ買い物に行かないとと思ってベッドに寝転がりながらスマホでチラシを見た。卵は、一番に目に入ったお得情報である。先着100パックか。そして、スーパーの開店は午前10時。明日は朝から戦争になる、と決意して眠った。 私は兵庫県芦屋市に住んでいる。世間では芦屋は”高級住宅街”というイメージが強いらしく、友人に芦屋に引っ越すことになったと言ったときには相当驚かれた。「え、なに。玉の輿?」と皆が口を揃えて言ってくるので返答

          芦屋市民も、10個98円の卵に走る。

          未だ日本語しか喋れず、無念。

          あーもういい加減英語喋れるようになりたい。日本語じゃなんっも伝わんない。 こう思ったのは大学生のころ。カフェでバイトしていたまさにそのときだった。岡大近くのカフェでバイトしていたものだから、大学生のお客さんも多く、留学生も沢山来ていた。彼らは日本に勉強しに来ているのだから当然日本語が喋れるのだけど、だからといって万能なわけでもなく、適当な日本語が見つからないときは急に英語で喋りはじめたりするからよく困らされた。あっちは発音良すぎて聞き取れないし、こっちは発音悪すぎて聞き取っ

          未だ日本語しか喋れず、無念。