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一匹万倍①/2023.08.21

この日の昼休み。
いつものように神社の休憩スペースの2人掛けのベンチに座って、お昼ご飯を食べて、ボーッとしていた。
空いてる隣を見ると、座面に1匹のアリが歩き回っていた。

アリがその場で歩き回ってベンチから降りてくれれば良いが、時々あたしの太ももや腕を歩いているときがある。
噛むことはないが、太ももや腕を歩いているのを見つけると少しビックリする。

スマホでSNSを一通り見て、また隣を見た。
アリはもうそこにはいなかった。
今日のアリは大人しく地面に降りてくれたのかな。
そう思って、会社に戻った。

会社に戻って、外に出たときに持っていったカバンからメモ帳や筆記用具などをデスクの上に置いた。

午後の業務が始まり、各部署から提出された書類の内容を確認して、確認が終わるとデスクの空いているスペースに置いていると、先に確認が終わった書類の上を動く黒い点を見つけた。
最初はなんだろうと思ったが、よく見たらアリだった。
そのアリは、昼休みに見たアリと似ていた。

なんでアリが?
どこから来たんだ?
ここは地面から高い場所にある。
ここまで登ってくるのは難しいはず。
何かにくっついていないと入ってこれない。

まさか……さっきお昼休みに持っていったカバンの中に入ってきたのか!?
大人しく地面に降りなかったのか。

あたしはティッシュで、書類の上を歩き回るアリを捕まえて始末した。

そして、このアリを始末したことによって、次の日にこんなことが起こるなんて……。

つづく

最後まで読んでくださりありがとうございます。これからもワクワクドキドキウルウルする作品を作っていきます。作品が良かったら「スキ」を押していただけると、とても嬉しいです。次の更新もお楽しみに^^