ねこちゃん

実話怪談を書きます。

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最近の記事

2つの怪談が生まれた日

Sさんは、狂ったようにポテトを貪っていた。 もう、ファミレスは3軒目だ。 注文するメニューは、全てポテト。 どんだけ、ポテトが好きなんだ。 友人達は、Sさんの様子を見て不審に思っていた。 ことの発端は、友達5人と 心霊スポットに行った、帰りの出来事だった。 「ファミレスに行こう。腹減った」 Sさんが、言った。 心霊スポットに行く前に、ファミレスに寄ったから お腹は、空いてないはずだ。 「お腹空いてないでしょ?」そう聞いても  Sさんは「いいから」としか答えなかった

    • 集団勧誘

      中学生か高校生の時、姉と買い物に行くため 1階にある洗面所の前で、メイクをしていました。 洗面所には窓があり、その日は網戸にしていました。そこから、気持ちいい風が入って来るのです。 窓の外から、車が何台も通り過ぎる音が聞こえました。 ど田舎のため、何台も続けて車が通り過ぎることは珍しく、何だろうと思いました。 「早く2階にいけ!」 姉が慌てた様子で、私に話しかけてきました。 「何故?」と思いながらも、姉と2階に駆け足で上がり、扉をしっかりと閉めました。 姉は2階の窓

      • 砂かけピエロ

        皆さんは、砂かけババアに会ったことはありますか? 私はあります。 しかも、ピエロの姿で会いました。 これは、私が5歳ぐらいの時の話です。 父が夜勤の時は、いつもの寝室は使用せず 奥の部屋で、母と寝る事が習慣でした。 奥の部屋には、ピエロの顔がついたコート掛けがありました。 コート掛けの上にピエロの顔がついて、子供の私には人間が立っている様に見えました。 ちょうど、こんなやつです。 その日も父が夜勤のため、いつものように奥の部屋で母と布団に入りました。 私は眠れず、ぼんや

        • ノック・ノック・ノック

          「この間、幽霊マンションに行ったんだよね」 ”幽霊マンション”とは過去に殺人事件のあったマンションだ。 現在は、廃墟と化している。 「夏だし、廃墟でも行ってみるか!」 そんなノリで、Kさんの友人は幽霊マンションに向かった。 Kさんの友人を、仮にOさんと呼ぶ。 Oさんは、”幽霊マンション”の1F玄関から入り、1部屋づつ部屋の扉を開けて行った。 扉が古びているのか、開かない部屋が数部屋あった。 殺人事件のあった部屋は、×印が書いてあった。 屋上まで来たら、特に見る物もなく帰

        2つの怪談が生まれた日

          妖怪カウントダウンジジイ

          浅草駅には『カウントダウンジジイ』をご存知だろうか? 私は、浅草駅の地上入り口の所で、Googleマップを使って行先を調べていた。 人は少ないが、邪魔にならないよう端っこによっていた。 目の前にある階段は、地下深くまで続いていた。 どのルートで行こうかな? そう悩んでいると 耳元で、突然カウントダウンが始まった。 「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 、、、」。 驚いて振り返ると、すぐ側におじさんが居た。 歳は50〜60歳くらいで、薄汚れたキャップを被っていた。

          妖怪カウントダウンジジイ

          Aさんの持つ石の話

          とあるバーで会った、男性のAさんから聞いた話 何回か行ったことのあるバーで、初めてAさんに会った。 Aさんは、ムードメーカーでいろんな話をしてくれた。 特に印象に残っているのが、とある石の話だ。 Aさんは帰り際に思い出したように、話してくれた。 どこで手に入れたのか?いつ頃から持っているのか? 詳細は聞きそびれてしまった。 サイズは、成人男子の拳2つ分くらいだと話していた。 祀っている理由は、その石に手を合わせると必ずお金が手に入るそうだ。 大体金額は一万円と決まってい

          Aさんの持つ石の話

          ホラー映画で、後ろ振り向くやつはだいだい死ぬ。

          私はもともと夜型で、朝が弱い。 朝よりも夜の方が元気だし、世の中は朝型の人間で回りすぎていると思う。 当時、中学生の私は朝起きられなくて悩んでいた。 その日も、明日の起床時間に母親に怒られないように 心を無にして、布団の中で寝ようとしていた。 それでも、なかなか寝られない。 少しでも寝やすいように、横向きの体勢で寝ることにした。 目を閉じて、睡魔を待つことにした。 「Aちゃん、Aちゃん、、、」 後ろから名前を呼ばれた。 明るく、遊びに誘うような声だった。 小学生時代の友

          ホラー映画で、後ろ振り向くやつはだいだい死ぬ。

          偽お婆ちゃんと、中指を立てる私

          祖母が亡くなって、初めてのお墓参りだった。 実家はど田舎にあるため、東京から戻っても誰かに迎えに来てもらわないとお葬式には行けない。 誰も迎えに行けず、私はお葬式には行けなかった。 小さい頃から、可愛がってくれたお婆ちゃんで 私が原宿系の奇抜な服を着ても、髪を緑やピンクに染めても 全部可愛い、似合ってるって言ってくれるお婆ちゃんだった。 私は幽霊や不思議な話は大好きだが、幽霊はいないと思っている。 「幽霊がいたら楽しいだろうな」くらいにしか考えてない。 スピリチュアルや占

          偽お婆ちゃんと、中指を立てる私

          無駄な直感を宝くじに使いたい話

          私は、都内の会社でデスクワークをしていた。 会社のビルには、青い作業着を着た清掃の方をよく見かけた。 挨拶程度の中で、話したことはなかった。 知らない間に、掃除をしてくれるのは魔法みたいだなーって思ったのと、 都会の会社は、掃除すら業者に任せるのかーって田舎丸出しの感想を抱いた。 デスクワークは殆ど座りっぱなしで、足が固まりそうだった。 たまに動いたほうが集中できるので こまめにトイレに行き、足を動かすようにしていた。 その日も足を動かすために、トイレに行った。 確か午

          無駄な直感を宝くじに使いたい話

          激務の先輩with暇な私

          予約表は先輩の名前で真っ黒だった。 私は新人トリマーで、先輩は10年選手のベテラントリマー。 悔しい気持ちもあったが、予約表の名前を見ると 当たり前だなと思った。 ずっと先輩が担当している、ワンちゃんばかりだった。 急に担当者が変わるのは、その子にとっても良くない。 背後から先輩の大きな、ため息が聞こえた。 トリマーは休憩をとる時間もほとんどなく お給料も安い。はっきり言って激務だ。 ため息をつきたくなる気持ちも分かる。 その上、今日は私と先輩の2人しかいない。 何とか

          激務の先輩with暇な私

          黒いボールのあいさつ

          私は引っ越し準備の真っ只中だった。 確か引っ越しする日の、前日だったと思う。 片付けも終わり、この部屋での出来事を振り返りながら掃除に勤しんでいた。 部屋はワンルームで、玄関から入ると すぐに台所がある。 台所の真後ろはお風呂だった。 台所とお風呂の間に通路があり、その通路で掃除していた時だった。 「ドンッ!」と音を立てて お風呂のすりガラス越しに、黒いソフトボールくらいの球体がぶつかってきた。 見た瞬間、驚いて固まった。 飼っている猫かな?と思ったが、猫にしては形がお

          黒いボールのあいさつ

          ドライブ

          美容師のキタさん(仮名)から聞いた話です。 当時、専門学生だったキタさんは、友達数名の男女グループで、海に行くことになった。 ただ、地元は埼玉県で海がない。 そこで、千葉県の白浜海岸に向かうことになった。 深夜に車で向かい、朝から遊ぶ計画だった。 ここで、問題なのは誰が夜通し運転するかだった。 誰も、運転したくない。そう思っていると 「俺が運転するよ、運転好きだから」 そう言って、友達のAくんが名乗りを上げた。 キタさんは、Aに夜通しの運転は大変だから 本当に大丈夫

          ヤバミ澤店長

          これは、学校で毎日会うギャルが話していた話。 ※話しかけて仲良くなりたかったけど、人見知りすぎて無理でした。 ごめんなさい。 私は数ヶ月前に、職業訓練校という学校に通っていた。 お昼になると目の前の席で、ギャルの二人組がお弁当を食べる。 私はすぐ後ろの席で、資格の勉強をする。 それがルーティーンだった。 勉強が苦手なので、自然とギャルの話が耳に入る。 まじで、全然集中してなかった。 ギャルはどちらも20代で、呼び名をAとBとする。 Aは元アパレル店員で、Bは元介護職。

          ヤバミ澤店長

          クソデカ女チャンネル戦争

          当時、高校生だった私は髪の毛をドライヤーで乾かしていた。 確か夏休み中だったと思う。 時間は深夜1時から2時頃。 夜更かしするのが好きで、タモリ倶楽部とか探偵ナイトスクープをよく見ていた。 洗面所のすぐ横に、ダイニングがあり、その先に居間があった。 ちょうど四角い箱が、横一列につながっている感じだ。 洗面所で髪の毛を乾かしている時に、何となく居間に目を向けた。 その時、真っ暗い部屋の中を、2m超えの女が通り過ぎていった。 女の向かった先は、突き当たりの部屋だった。 服装

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          深夜のパトロール

          美容師のサトシさんから、聞いたお話です。 美容師の専門学校に通っていたサトシさんは 友人達と、深夜にドライブを良くしていた。 友達の1人が、「心霊スポット行かない?」と言い出した。 よくある話で、そのまま深夜2時頃 心霊スポットの山に行くことなった。 昼間に何回も行っている場所なので、真っ暗でも道は覚えていた。 目的の場所に近づくと、暗い山道の中に、1台のパトカーがいた。 サトシさんは、内心ドキッとした。 未成年だけで深夜に遊んでいる、しかも山の中で。 この事実だけで、

          深夜のパトロール

          探し物は嘘泣きで

          私は5~6歳の頃、お人形遊びにハマっていた。 特に好きだったのは、着せ替え遊びだった。 このワンピースには、緑の靴。 この格好には、帽子を被せる。 アクセサリーは服ごとに変える。 まるで、小さいスタイリストのようだった。 歳の離れた姉2人からのお下がりで 10体以上の人形と、大量の人形の服が常にそばにあった。 その大量の服の中でも、1軍のお気に入りは 某猫のキャラクターの、ピンク色の箱に入れていた。 ナイロン製でできた箱は、ちょうどカラーボックスに収まるくらいの大きさだ

          探し物は嘘泣きで