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ランドスケープの学び方 -独学 or 国内大学 or 海外留学 or 働く-

これまでランドスケープアーキテクチャとは何かということについて書いてきました。庭や公園、グリーンインフラなど、身近なみどりを設計する分野で面白い分野である一方、日本では新しい分野で、勉強することができる場所を見つける事が難しい分野でもあります。
私も、国内大学でランドスケープの基礎(生態学と計画学)を勉強しましたが、設計について十分に勉強できた感覚がなく、独学で特に設計を勉強し、今はオーストラリアの大学院で学び直しています。
今回は、独学でも勉強できるのか、国内大学ではどこの大学を選ぶべきなのか、海外大学に行った方が良いのか、について書いていこうと思います。


独学でランドスケープを勉強する

独学でランドスケープアーキテクチャを勉強することは可能です。
庭の設計などに関する本は結構たくさんあり、私はそれらを読んで勉強していました。下の本は、植栽設計の考え方が整理されており、とても使いやすい本でした。特に建築の学生で植栽も考えたいという人にオススメです。

またYouTubeには、Illustrator、Photoshopの使い方、平面図や断面図の作り方、Photoshopでのレンダリングの仕方など、様々なチュートリアル動画があり、とても参考になります。
それらを見て、ランドスケープ系のコンペに参加しながら勉強するという流れが、独学でランドスケープを勉強をする良い流れだと思います。


建築の学生など、空間設計のだいたいの流れが分かっている人は、この方法で基礎を勉強し、職業経験を積めば十分マスターできると思います。
しかし、全くのデザイン未経験者の場合は、そもそも何を学んだら良いのかが分からないと思います。また、自分で学ぶ知識を選択するため、体系的に知識が身に付ける事が難しいです。
そこで、建築・都市計画・ランドスケープの学生、社会人の方、またデザイン未経験の方に向けたランドスケープに関する記事を書いており、それらの記事をマガジンにまとめてnote本を作成しております。
ランドスケープとは何かという基礎的な内容や、使うべきアプリケーション、コンペの参加の仕方、などランドスケープを学ぶ上での基礎を体系的にまとめています。また、海外留学についても書いておりますので、どうぞ目次を手にとって見てください。
記事をまとめたマガジンは既に含まれている有料記事1本分の値段、100円で販売しておりお得になっております。こちらもご購入を検討して頂けると幸いです。よろしくお願いします。

国内大学で学ぶ

日本ではまだランドスケープは一般的ではなく、ランドスケープを学べる大学の数も少ないです。
他の方のブログで日本のランドスケープ系の大学をまとめられていたので、紹介させていただきます。


注意して頂きたいのは、ランドスケープを学ぶ大学には、
・研究に力を注いでいる大学
・設計・デザインに力を注いでいる大学
の2種類に大別できます。自分がどちらを学びたいのか、ということをよく考えて大学を選ぶ必要があります。


研究をしたい方
東京大学 農学部(緑地環境学専修・森林風致計画学専修)、東京大学 工学部(都市工学科、建築学科)、京都大学 農学部
などの大学がおすすめです。
私は東大農学部、東大大学院の工学部(都市工学)を卒業しました。在学中は生態学の授業では、山に行き生態調査をしたり、ランドスケープの歴史や理論を学んだり、計画学の論文を書いたりしました。
これらの大学でもデザイン・設計を学ぶことはできます(スタジオ形式の講義があります)が、理論など考え方について指導をたくさんもらいましたが、デザイン・設計・意匠に関する指導を少なかったように思います。

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東大大学院のスタジオでの提案

一方、デザイン・設計を学びたいという方は、
千葉大学園芸学部東京農業大学造園科学部が良いと思います。
日本のランドスケープの業界ではこの2つの大学が王道だと言われています。日本人の有名なランドスケープアーキテクトや造園家はこの2つの大学出身が非常に多いです。
また他の大学では、東京大学の工学部(建築学部)、武蔵野美術大学多摩美術大学工学院大学奈良女子大学神戸大学、京都芸術大学、あるいは建築学科が有名な大学
が良いと思います。

特に、ランドスケープの”設計"を学びたいという人は、東大などの固い国立大学で理論を学ぶよりも、建築・デザイン一般・アート系の強い大学に通っている人の方が満足度が高いように感じます。

スタジオ形式の授業が多く、生徒同士でランドスケープに関する勉強会や設計演習会を行なっているという話も聞きました。
特に、建築はランドスケープアーキテクチャと考え方が似ているので、建築学科に行き、ランドスケープをかじるというのは良い方法だと思います。
また海外大学でランドスケープを学びたい、と思った時に建築のバックグラウンドがあると非常に有利です。


海外大学で学ぶ

より専門的にランドスケープを学びたい、あるいはより大きな仕事を海外でしたいと思った際に、海外大学という選択肢が出てきます。海外大学・大学院のランドスケープコースは専門学校のようなものです。ランドスケープアーキテクチャに関する理論も勉強でき、そしてスタジオの授業も充実しています。
私はメルボルン大学でMaster of Landscape Architectureの3年コースを取っていますが、インプット・アウトプットをバランスが良いな、と感じています。

私が今通っているメルボルン大学のランドスケープコースの授業内容をだいたい下のような感じです。

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