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介護職が自分を介護してみた 第1章 初回アセスメント

アセスメント

介護を始めるにあたって、まず情報収集から課題を明らかにする「アセスメント」からスタートする。そのアセスメントをもとに計画を立案し、介護を実施するのだ。

「人間」の状況を把握するためには、闇雲に会話をすれば可能なのかというと、そうではない。

人間の視点は偏っており、必ず抜け落ちる視点がある。

なので、現場でアセスメントする時や情報をまとめる時はアセスメントシートというツールを活用したりする。(

それを用いることで、その人の全体像を捉えることができる。健康状態、活動の自立度、社会参加、家族構成、利用しているサービス等々。その人が置かれている状態を把握するためにはICFの考え方が大事。(興味のある方は、森近が過去にICFのについてふれた記事を参照してほしい。)

病院やマッサージとかに行った際、待っている間に生年月日等の基本情報や症状とか困りごとの情報を記入したりするが、正にあのような書式だ。

それの拡大版で、より多くのその人に関する情報が記入できるようになっている。また、本人に書いてもらうものではなく、専門職が記入し、情報を整理、更新していくのが主流だ。

前置きは長くなったが、

アセスメントツールを参考にしつつ自分でアセスメントをしてみよう。

結果のなかで特筆すべき点の要約は以下の通りだ。

項目ごとにわけてみたが、本来独立しあっているものではなく、項目ごとに相互に影響を与えあっているわけなのだが、わかりやすくするためにあえて分けて整理する。

①健康状態

プラス面

・介護サービスのためのアセスメントツールだと、ほとんど結果は「特になし」になる。
→結果、身体はおおむね健康ということになるのか。いや、実はそうではない。

マイナス面

アセスメントツールには反映しにくいが、身体の不調は色々ある。しかし、特記事項に書くほどかなぁと思ってしまいそうだ。

しかし、その細かい不調の積み重ねが、間違いなく生活の質を低下させていると推測する。

身体の不調は以下の通りだ。

・低血糖状態の時きつい
→いわゆるお腹空き始める時間、めまいとだるさがしんどい。

・顔と手は熱いのに、脚は冷たい
→ほてりと冷えが辛い。

・肩こり

・頭痛→悪いとわかりながら、頭痛薬を毎日のように服用

・湿疹が治らない→手と脚のひどい湿疹が治らない。

ふとした時にどれも気になるので、積み重なることで生活の質を低下させてしまっている。

②活動

プラス面
・おおむね自立してる

マイナス面
恥ずかしながら…

・掃除、洗濯が溜まる
・自炊できてない
・夜、お風呂に入らないで床で寝てしまうことがしばしばある      

・家にいると、何もする気が起きない
・表現活動をしたいのに時間がとれない

③参加

プラス面
・楽しい仕事をできている

マイナス面
・仕事以外楽しみとか、何もない

④心の状態

プラス面
・大きなストレスがない

・仕事が楽しい

マイナス面
・なんとなく感じる「このままじゃいけない感」「このまま死にたくない感」

・慢性的に抱く劣等感や寂しさ
・ロクな日常生活送ってないことへの不安

・お金を貯めたいのに、貯まらない不安

・自分が「太っている」「ブサイクすぎる」「存在価値がない」という思いから何をするにも自信を持てない

⑤環境

プラス面

・そこそこの広さの家

・家族、友人、職場の人には恵まれている

マイナス面

・家と職場が遠く、通勤が辛い

気づき

アセスメントシートでは、捉えられないその人の細かい課題は多くあることを自分自身をアセスメントすることで気づいた。アセスメントシート上では、本当に難なく生きている人間としか表現されなかったが、書ききれない課題がある。

その細かい課題も、本人にとっては重大課題となり得る。普段、ぼそっと発せられる会話から捉える情報の重要性を強く感じた。記録に残すことで、“その人の状態像”の構造を把握できるかもしれない。

次回予告

次回は上記アセスメントを、深堀りしていく。

具体的には、今、プラス面であげたことをあえてマイナスに捉えてみたり本当にプラス面なのかを考える。マイナス面もあえてプラスに捉えてみる





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