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【ゼミ活動】インクルーシブデザインアイデアソン2023に参加しました。

こんにちは、ゼミ生のうえさまです。今回は、私たちのゼミで最も重要なイベントである東京合宿(アイデアソン)についてのレポートをお届けします!

ゼミ長である西川先生が理事長を務める「特定非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク」が主催する「インクルーシブデザインアイデアソン2023」に参加しました。

今年のアイデアソンのテーマは「さぁ、街に出かけよう。ウェアラブルなインクルーシブデザイン」です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束に向かう中、以前とは異なる新しい社会が形成されつつあります。私たちは、多様な人々が街に出かけ、出会いや交流を楽しむための心地よいデザインを考えるためにグループに分かれました。

引用:© TAKESHI FUJIKI Inclusive Design Network

東京の豊洲エリアを拠点にし、リードユーザーである障がい者と共にフィールドリサーチを行い、3日間で製品化を視野に入れたインクルーシブなデザインを開発しました。

今回はかなりボリュームのある記事になると思うので、以下にもくじを作成しました。



DAY1

初日は、まずリードユーザと一緒に街歩きを始めました。私たちのグループのリードユーザは視覚障がいを持つ方で、以前は白杖を使用していましたが、現在はアイメイト(盲導犬)と共に生活されています。

キャンパスから出発する様子

リードユーザの希望は「どうにかして自由に街を歩きたい!」というものでした。その願いを念頭に、江東区の有明ガーデンを中心に街を歩きました。商業施設へのアクセスには公共交通機関を利用しましたが、普段は気にならないような点が視覚障がい者にとっては大きな課題であることに気づきました。

一緒にランチを楽しみました

商業施設に到着後、一緒にランチを楽しみ、日常の生活や気になることについて和やかに話しました。ランチの後、ショッピングを楽しんでからキャンパスに戻りました。

手で触って時間知ることができる「触読時計」をみせてくれました

キャンパスに戻った後は、街歩きで得た印象をポストイットにまとめ、リードユーザを含めてアイデアをどのように形成するかを考えました。通常、ゼミでアイデアを出す際には黙々と作業することが多いですが、今回は視覚障がい者がいるため、声を出してアイデアを共有することを重視しました。

DAY2

二日目の午前中には、SOLIT!を立ち上げた田中美咲さんの講演を聞きました。SOLIT!はオールインクルーシブファッションを目指し、障がいや性別、体型に関係なく、好みに合わせて服のサイズ、デザイン、丈をカスタマイズできるサービスを提供しています。

マグネットで着脱できますが、飾りのボタンも付いていてデザイン性も優れてました

SOLIT!の服を実際に手にしたところ、ボタン部分がマグネットに変更されており、手の力が入りにくい人でも簡単に着脱できる工夫がされていました。デザイン性とアクセシビリティの両方を考慮している印象を受けました。

講演の後、グループに分かれて1日目の作業を続けました。私のグループでは、アイメイトとリードユーザの関係に焦点を当て、お互いが幸せになれるアイデアを展開しました。

ホワイトボードやポストイットにアイデアをまとめていきました

余談ですが、アイメイト(盲導犬)は可愛らしい存在ですが、仕事中は声をかけたり触ったりしないようにするべきだと教えられました。
私のグループはデザイナー4人、学生3人、リードユーザ1人、メンター1人の9人で構成されました。

デザイナーの方々はアイデアを素早くイラストやプロトタイプに落とし込むスピードが素晴らしかったです!
私は情報学の専門であり、デザインには疎いですが、アイデアを他の人に伝える際にはイラストや図解を用いることで説得力と表現力が向上すると思いました。

写真の上からプロトタイプイメージを手書きするデザイナー
資料作成に取り組む学生

15時には中間発表が行われ、他のグループの発表を聞きました。リードユーザが異なるため、各チームが独自のアイデアを持っており、参考になる点も多かったです。二日目は18時に撤収があったため、作業は途中で終了しました。

他グループの中間発表風景

DAY3

三日目いよいよ、発表の日です。私のグループは直前で方針を修正し、リードユーザの声をより意識したプロダクトを提案しました。各自の作業に入る際に、リードユーザを置き去りにしがちであり、提案がリードユーザの実際のニーズから外れていることに気づきました。
そのため、再度リードユーザにヒアリングを行い、プロトタイプの作成や使用シーンのイメージに挑戦しました。資料提出はぎりぎりのタイミングでしたが、協力して作業を終えることができました。

資料の最終調整と発表練習の様子

14時には発表が行われ、リードユーザも発表に参加し、寸劇を行うチームもありました。発表の後、質疑応答や講評が行われ、非常に有意義な時間となりました。

アイデアソン終了後、懇親会が開催され、リラックスした雰囲気で感想を共有し、交流を深めることができました。

ゼミ生の感想

Q1「はじめて会う人と3日間一緒にグループワークする上で、コミュニケーションを取ることは大変ではなかったでしたか?」

かみさま「グループワークはホワイトボードをベースにコミュニケーションし、早期に役割分担ができたので、スムーズに進みました。」

ボンディー「アイスブレイクなどは特に行わず、初日からフィールドワークを行いました。一緒にランチや街歩きをしてグループメンバーとの距離が近くなりました。後日、フィールドワークからの発想の展開をするために、ツールとしてMiroを提案しました。デザイナーメンバーはMiroの理解があり、共有の手間が省け、スムーズな進行ができました。」

はたけ「最初は皆さんが話しやすい環境作りから始まるかな~と内心考えていたが、リーダーを請け負ってくれた山田さんや、リードユーザーのくらげさんが積極的に場のムードを和ませてくれたことによって、コミュニケーションをとても取りやすい環境を作って頂けたので、初めて会う人と3日間一緒にグループワークする上で、コミュニケーションを取ることは大変だったか問われると、周りの方の協力もあってそこまで苦労はしなかった。あんな風に場の雰囲気を和ませられる人は素直に尊敬できるし、社会に出てから重要なスキルであると感じている。」

おおかみ「初対面の人尚且つ、目上の人と課題に取り組むのは正直大変でした。私はデザインの専門的な知識はなく、どれだけ食いついていけるかが大事だと思っていました。自分の出来ることを考えてグループに貢献できるようがんばりました。」


Q2「印象に残ったことや学びはありますか?」

かみさま「参加前は障がい者に焦点を当てたアイデアが必要だと思っていたが、アイデアソンを通じて、一緒に楽しむことの重要性を理解し、商品開発において障がい者に限定せず、誰でも使える製品が重要だと感じました」

ボンディー「フィールドワークを通じて、リードユーザへの理解が深まりました。また、短時間で成果を上げるためにチーム全体が一つの波に乗っている感覚があり、楽しかったです!特に、「誰かのため」であるforユーザではなく、「一緒に創り上げる」withユーザで共に開発する視点が実現できたことは素晴らしいと感じました。」

はたけ「障がい者のことを考えて作られた製品というのは数多くあると思うが、今回のようなインクルーシブデザインとして、障がい者の方も健常者の方も使いやすくて楽しめるモノを作るというのはかなり難しかった。実際、自分たちのグループでも、その問題に何度もぶつかったし、完璧な正解がない問題ではあると思うが、こういった難問を色々な方と考えられるとても良い機会だったと思う。」

おおかみ「実際にデザインの分野で働いている人と一緒にいてみて、どのようにしてデザインを考えていくのか、メンバーと一緒に情報を共有しながら課題解決に向けてアイデアを出していくのかを学ぶことができました。」

おわりに

ゼミ生からのコメントにもあるように、普段生活していたら気づけなかったことを多く学ぶ機会となり非常に有意義な三日間でした!
このアイデアソンを主催してくださった特定非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク様、ならびに施設や備品の提供をしてくださった芝浦工業大学様に改めて御礼申し上げます。


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