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【体験談】自分が経験した中国教育(1):「切り捨て宣言」と「優秀者至上主義」

 自己紹介を見てくださった人は既にお分かりだと思いますが、自分は大学までの間中国で暮らして来ました。中国では、日本人駐在員とその家族の様な日本人コミュニティーに閉じこもった生活というよりは、自分の片親が中国人であることもあり、そこそこ中国に溶け込んだ生活を送っていました。特に教育面では、中学校前半まではガッツリと現地校教育を受けて来ました。今回は、そんな現地校での経験を基に日本ではなかなか想像出来ない中国の教育現場について話していきたいと思います。前置きとして言っておきますが、自分が経験した事はあくまで個別のケースであり、決してすべての学校がそうであるという訳ではありません。それに、これは自分が中国にいた頃(数年前)の話である為、今ではもう存在していない様なこともあります。なので、「これが中国のスタンダードなんだ」とは思い込まない様にお願いします。

 自分が通っていた中学校は、上海でもエリート学校として名の知れていた有名私立学校でした。特に中国の様な日本とは比べ物にならない教育熱心な国のトップを行く上海においてすら、例年ランキングトップ5には必ず自分の学校がありました。そんな学校に、運良く小学校の推薦入学的な制度(厳密に言えば試験一部免除)で入学出来た自分でしたが、入学して2年経ち挫折し転校てしまいます。何があったのか?勿論学習内容の難しさもありました、それよりもメンタル的に来たのが自分の担任の教育文化と学校全体的な腐敗でした。今回はそんな中でも、教育文化について話したいと思います

入学式初日の全校集会、校長先生は学生全員の前で日本でもお馴染み、「小鳥」と「鈴」と「私」は形やあり方が違えど、自分を認め幸せに生きていく多様性を謳った「みんな違って、みんないい」の歌詞朗読したことは今でもまだ記憶に新しい。日本人が書いた歌詞故、クラスでも唯一の日本人であった自分しかこれを知らなかったことに対して当時の自分は得意げにクラスメイトに話してました。一見多様性を尊重し、個々の個性を伸ばす様ないい学校なのかなと思うかも知れませんが、その真相は数日後に担任の先生に思い知らされることになる。数日後のホームルームで、クラスの担任が急に一冊の本を取り出し、真剣に語り出す。

「優秀な生徒に時間を割く必要はない、何故なら優秀な生徒は自分でやるべきことを知っているから。平凡(所謂クラスのビリ、問題児)な生徒にも時間を割く必要はない、何故なら時間を割いても伸び代がないから。教師が本当に時間を割くべき生徒は、その中間にある生徒である。そしてそれになる様に皆さん(優秀者除く)頑張ってください。」(引用は記憶に基づく)

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