『ヤバイ』の一言で心が伝えられるものか


『ヤバイ』という言葉、皆さんは1日にどれほど使っていますか?

こんにちは、カナダに留学中のLeoです。

ヤバイってすごい言葉ですよね、なんでも表現できちゃうので
ご飯が美味しい、景色が綺麗、ピンチな状況、感極まった瞬間の気持ちを全部『ヤバイ』という言葉で表せます。

ですが、この言葉で一瞬一瞬の気持ちを表していいのか。
もっと適切な表現があるのにも関わらず、ヤバイの一言で終わらせてしまうのは自分の感受性を、表現力をドブに捨てることではないのか。

僕はカナダで留学をし、自分の高ぶった気持ちを英語にうまく表現できずに苦しんでいます。そして自分の気持ちをうまく英語で表せて相手に伝えられた時、この上ない喜びと爽快感を感じます。

ですがなぜ日本語になると『ヤバイ』の一言で満足してしまうのでしょうか。
自分の気持ちを一言で終わらせてしまっていいのか。
そんなお話です。

『ヤバイ』という言葉

ヤバイという言葉はちょっとした出来事から、非日常なことに対して自分の感情を表現できる便利な言葉です。

「テストの結果がやばい」
「明日がやばい」
「景色がやばい」

全部意味は通じます。そして話し手のテンションでこれらの意味が変わってきます。テストの結果が良かったのか悪かったのか、明日が待ち遠しいのか否か、景色が殺風景なのか絶景なのか。気持ちを直感的に表せる言葉です。

確かに話す分には口数が減るので楽です。ですが僕はきちんと気持ちは言葉にしておかないと自分の感受性、表現力、そして何より自分がなくなってしまうのではないかと思います。


言葉が持つ力

言葉は感情の器です。液体のように1つには捉えられない入り混じった感情を言葉という器に入れて初めて1つの感情になります。

体から湧き上がるポジティブな感情は「喜び」
大きな感情で震えあがり、周りが見えなくなるのが「怒り」
体が沈み、顔が下がって前が見れなくなるのが「悲しみ」
時間が一瞬のように去っていく幸せを感じるのが「楽しみ」
そして口を開け、息を呑むように目の前のことに驚くのが「感動」

人間の感情の数は2185個ほどあるそうです。これら全てに当てはまる言葉があります。言葉にできない感情は『なにか』としか感じられません。言葉にできる感情は、人間が感じ取ることができる感情です。

英語で自分の気持ちを伝える時に、2185個も形容詞を覚えているはずはありません。50個もあるかどうかくらいです。その中でも必死に自分の気持ちを言葉に変えて、国境をこえて伝え、そして異なった人種同士が同じことを感じ取る、それが言葉の持つ力です。

同じものを食べて美味しいと言っても、人によって感じる美味しさは異なってきます。ですが、その「美味しい」にどう美味しいのかもっと言葉を足すことで正確に自分の感じた美味しさを伝えられます。

『ヤバイ』という言葉1つで何が伝えられるでしょうか。『ヤバイ』という言葉1つで気持ちを共有できるでしょうか。

人と人とが関わり合って生きていく上で、お互いの気持ちを伝え会わずに分かち合いなどできるはずがありません。同じ日本人同士でも同じです。
『ヤバイ』の一言でつながる心は乏しいでしょう。


心を写す

留学はずっと日本という島国で日本人とだけ関わってきた僕にとって全くの新世界です。毎日が刺激に溢れ、感情が止まることがありません。
今まで全く感じたことのない感情、考えが心の中で液体のような形で現れた時、それに合う言葉が見つからず、せっかく感じた感情を流してしまったことが僕にとって悲しくもあり後悔でもあり、己の無知さや表現力の乏しさに憂いたことは数知れません。

そしてそんな時に、『ヤバイ』という言葉で納得してしまい、自分の気持ちをきちんとした言葉の器に乗せて自覚することができないのであれば、どれだけ綺麗な景色を見ようが、どれだけ感動的な瞬間が訪れようが、どれだけ幸せなことが起ころうが、その時の感情を忘れずにいることや他者と分かち合うことはできないでしょう。

心を表した言葉が人と人とをつなぐと信じています。


最後に

言葉の壁がある外国の方と、言葉で心を通わせられた時、自分が心を持った人間であり、その喜びを感じました。

言葉の壁がないはずの日本人とどうしてこの喜びが少ないのだろうか。

それは『ヤバイ』という言葉に甘えて気持ちを外に出さず、他人と心を通わせることをしないからではないでしょうか。

自分の心に向き合い、言葉を探すことが自分のためでもあり、他人と関わるために大切なことなのではないでしょうか。


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Leo@元ラジオDJ 大学生の留学

大学生としてラジオDJを経験後、休学してカナダ🇨🇦へ留学。 小論文全国1位とラジオDJのノウハウで留学を通して感じたことを発信します。

コメント2件

ヤバイという言葉の例を挙げて、そこまで深く掘り下げて説明してくださって、ありがとうございます。

伝えたいのに感情に対する適切な表現が見つからない時、外国語では特に、とてももどかしく感じますね。
そうこうしてると、話題が次に移っていって、伝えられなかったということが多いです。
特に、外国でたくさんお世話になってお別れの際に感謝を伝えたかった時とか、外国人の知人が亡くなってお悔やみを言いたかった時とか、今も思い出します。

日本語でも安易に1つの言葉を使わず、たくさん語彙を用いて心を通わせていきたいと、改めて考えさせられました。
ありがとうございました。
とても嬉しいコメントをありがとうございます!

英語で思っていることを言う時にどうしても似たような言葉で済ませてしまい自分の言いたいことが言えないもどかしさが今回の記事を書くきっかけでした。
日本語だとどうしても感情をぞんざいに扱ってしまうところは改めないとと思った次第です...

僕のnoteが少しでも何かの役に立てたのであれば幸いです!
ありがとうございました。
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