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「夕焼けはなぜ赤い?」子どもの好奇心は最高の宝物


「夕焼けってどうして赤いの?」

ある日、公園からの帰り道、4歳の娘にそう尋ねられた。

一瞬言葉に詰まった。
夕焼けが赤い理由を、この子が理解できる言葉で伝えるにはどうしたらよいか分からなかったからだ。

『夕暮れ時になるとお日様が地平線近くまで来るだろ?すると、昼間と比べて光が大気中を通る距離が長くなるんだ。波長が短い青系統の光は散乱しやすいから、大気中を通過する過程で散乱しきってしまうんだよ。反対に赤系統の光は波長が長く散乱しにくい、だから赤い色だけが人の目に届くんだ』

これを4歳の子に分かるようにどう伝えるべきか…しばらく頭を悩ませたあと、僕は口を開いた。


「どうしてだと思う?」


娘は少し考え、ニコッと笑ってこう答えた。

「夕方になるとおひさまがいっぱい燃えるのかな?もう夜になって消えちゃうから、最後に頑張って、いっぱい燃えるんだと思う」

なるほどなと思った。それは僕が考えたこともなく、文学的なセンスすら感じさせる回答であった。←親バカ


僕が親バカであることは置いておこう。
ただ、事実としてこの子はもう自分の頭で何でも考えることができる。
持っている知識を総動員して、自分なりの答えを出すことができる。
小さい子供ではあるが、一人前の人間として、思考を巡らせ言葉を紡ぎ出せるのだ。


僕「いっぱい燃えると赤くなるのかな?」

娘「うん、だって火は赤いもん。熱いものは赤いんだよ。」

僕「熱いものは赤いんだね。」

娘「うん、熱いものは赤い。冷たいものは青いよ。お水とか。」

僕「お水は青い?」

娘「そうだよ、海は青いもん。…あ、でも飲むお水は青くないね。」


そんな会話をしながら家に帰る。

生きていて一番幸せな時間だ。

この小さな博士と、これから先もっとたくさんの会話をしていく。一緒に考え、思考をぶつけ合い、共に成長していくのだ。
単に『子どもを育てる』のではない。『親も一緒に育つのだ』と心からそう思った。


結局その日僕は最初の問いに対する答えを娘に伝えなかった。


理由は2つ。

1つは、やはり僕の頭脳では噛み砕いて説明するのが困難だったこと。

もう1つは、『まだ答えを知らなくても良い』と思ったからだ。

娘が自分でたどり着いた『答え』今はそれを大切にしてほしい。

代わりに、後日太陽と月について書かれた子ども図鑑を買って与えてみた。興味はあるようで、時々眺めている様子だ。
知識が増えるにつれて、娘が出す答えも変わってくるのであろう。
それは本当に素晴らしいこと。『考える』という行為を大事にしてほしいと思う。



子どもの好奇心にはいつも驚かされる。

あなたも幼い頃はそうだったのではないか?


僕はそうだった。

見たもの、聞いたもの、新しく触れる全てに疑問と関心を持つような時期が確かにあった。

「磁石はなんでくっつくの?」

「車はどうやって走ってるの?」

「鳥はどうして飛べるの?」

何度も親を困らせたものだ。


僕らはいつそれを失ってしまったのだろうか。

身の回りに起きることが『当たり前』になってしまったのはいつからだろう。

毎朝太陽がのぼり、時には雨が降り、日が沈むと空には星や月が輝く。

それをただ当たり前の日常として、何度も見送ってきた。

それは勿体ないことなのかもしれないと、最近思う。

未知の世界はまだまだ数え切れないほどある。
大人の僕らだって知らないことが山ほどある。むしろ、知らない事の方が圧倒的に多いはずだ。


子どもの好奇心は宝物だ。
この先、僕が答えを持ち合わせていない問いかけもたくさん出てくるだろう。
そんなとき、決して蔑ろにせず、精一杯向き合ってあげたいと思う。
わからないことには一緒に頭を悩ませたい。
それが親の務めだから。


そして、親である自分も、忘れてしまった好奇心を取り戻していきたいと思う。
僕だってまだまだ20代、学びの時間はたくさん残されている。




「夕焼けってどうして赤いの?」

あなたならなんと答えますか?


#子どもに教えられたこと

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