見出し画像

映画『線は、僕を描く』鑑賞

2022年10月23日(日)、映画『線は、僕を描く』を鑑賞した。以前、他の映画を観た際に予告が上映されていて、観たいと思った映画だ。
以下、いくつか感想を残したい。
(いつもは「ですます調」で書くことが多いが、今回は「だである調」である。それぐらい勢いよく感動した。)

■題名について
まず、題名がよいと思った。
普通に解釈すると「僕は、線を描く」だが、主語と目的語が逆になっている。
①まず、線ありきで、線や水墨画、その背景となる自然が先に存在し、我々はそこに生かされていることを感じた。
②自分というものがはっきりとは分からない中、線を描くこと(行動すること、体を動かすこと)で、自分とは何なのか、何者なのか、分かっていく部分があることを感じた。

■水墨画について
龍や鷹など、大きな作品の良さはあるが、私は、清原果耶が描く植物の美しさに心惹かれた。(植物に)光があたっている部分は墨が薄く、影の部分は墨が濃い。光の加減、表と裏が交錯する感じがして、すごく良かった。

また、「四君子」という言葉・概念・素材も印象に残った。家に帰って、インターネットで調べてみた。

四君子とは、蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子として称えた言葉。〈中略〉それぞれの気品の高い美しさから、中国宋代より東洋画の画題としてよく用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じての題材となる。(以上、Wikipediaより)

■印象に残った台詞
「出来るか出来ないかではなく、やるかやらないかだ。」
「(家族に)なるんじゃなくて、変わっていくんじゃないかな。」

特に、二つ目の台詞は、多様性が増している現代において、変わって形成されていく家族もこれからますます増えて行くのかな、と感じる1コマだった。

■印象に残った俳優
横浜流星さん、清原果耶さん、江口洋介さんが良かったのは勿論だが、映画を観ながら「この人、誰だっけ?」と思い、最後まで分からなかった方が2人いた。

①三浦友和さん
水墨画の巨匠、篠田湖山役を演じられていた。声は聞き覚えがあるのだが、思い出せなかった。最後に、出演俳優の名前を見て納得。こんな枯れた感じの演技もされるのだな、と思った。

②富田靖子さん
水墨画の評論家、藤堂翠山役を演じられていた。この貴婦人は誰だろう?と思いながら最後まで見た。
最後に名前を見て、驚き半分、富田靖子さんらしいなと半分思った。私の中で、富田さんは、新しい役・新しい雰囲気に挑戦するイメージである。

最後に、今度、実際に水墨画の展覧会などに行ってみたいと思った。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?