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中毒性のある素材が使われているらしいですよ

 「サムライマックのうえにある粒々には、中毒性のある素材が使われてるらしいですよ」とバイト先の女の子が言ってきた。
 「あれ、ゴマじゃないの?」
 「そう思うじゃないですか。ゴマじゃないんです。中毒性のあるなにかです」

 いったいなにを乗っけているのだ、マックよ。ただでさえ、中毒性という言葉が恐ろしいのに、その正体がなにかわからないということに、ぼくはより一層怖くなった。そして同時に、それが一体どんな味で、ほんとうにゴマじゃないのか気になって、きょうサムライマックを食することにした。

 たしかにゴマではない得たいの知れない粒々だったが、それを迷わず口に入れる自分が呆れる。炙り醬油とチーズが最高のバランスで、気が付くころにはそんな疑問は忘れて平らげていた。中毒性、恐ろしや。まあ、僕に言わせると、ほんとうに中毒性のある素材を使っているのはこのポテトの方だろう。ごちそうさまでした。

 近頃、タバコの消費量がぼくのなかで増えている。親父も祖父もタバコを吸う人だったから、これは遺伝かもなぁと思って、反対押しのけ吸っている。祖母がなんで吸っているのか問い詰めてきたときには、「おれも色々あるんだよ」と訳の分からぬ言い訳をしてみたが、祖母が「そんなもので、あなたのいろいろは、解決しないよ」と言ってきた。口ごもるところまで、祖父に似てきてしまった。まったくもってニコチン依存症にはなっていないと思うが、中毒性のあるものは知らず知らずのうちに自分と一体になっていることが多いから油断できない。

 いま話題のイッペイさんも、もれなくギャンブル依存、ギャンブル中毒ではないか。生まれたときからギャンブル中毒、ニコチン中毒の人はいないように、人がなにかにハマるのはそれなりの時間を要する。裏を返せば、時間をかければ(お金もかな)人はなにかに中毒性を持ってハマってしまうということかもしれない。

 継続は力なり。継続は中毒なり。日々の行いが、力となっているか、それとも中毒となっているか。タバコは、現時点でのリフレッシュ方法だから、継続が力となっている。

 

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