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第15段「実家のある街」

実家に久々来た。
実家のあるこの街には、産まれてから中学生まで住んでいた。
東京近郊の県の、平々凡々とした住宅地。
平凡なふつうの街。昔は若々しかったけど、今は年年相応に古ぼけた街。

住んでた頃はその平々凡々さが嫌だった。
もっと都会か、いっそのこと田舎に産まれたかったってずっと思ってた。それで大学生になって、東京に出ることになる。(あっ、正確には浪人生の時だ)

今日、久々その古ぼけた街を歩いていると、向こうから中学生がやってくる。
「おっ、知ってる奴か」
とか思うけど、当然知ってるわけない。

今度はいい歳したおっさんがやってくる。
でも、実はそんなに自分と変わらない。
多分、知り合いかもしれないのはそのおっさんの方が可能性が高い、同中かもしれないしね。
そっか自分もそんなおっさんの歳なんだ。ってそのおっさんを見て気づかされる。
古ぼけてんのは、街だけじゃないのだ。

住んでた頃は中学生だから、中学生を見てる方が、その街の記憶の中の景色に馴染んでいるのだ。

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