見出し画像

第85段「今から書くことが、すでに書かれていた」

今、ある本を書いていて、本を書くことは自分の脳内を探ることだから、自分が何でこういう考え方をするようになったかを探る旅でもある。

その僕の思考の源流の中で、1989年の浪人時代に予備校で出会ったある講師の方で、その考え方に僕はものすごく影響を受けている。
・・・そのことにふと気付き、というか脳内を探っていたらふと憶い出し、今本棚を探って、その方の著書(受験参考書)を発見して、約30年ぶりに読んでみた。

そしたら・・・そこにはまるで、僕が今から書くことがそのまま書いてあった。
それが受験参考書なのに、書いてある。
僕のこれから書くのは受験参考書ではないのに、同じことが書いてある。
かなり驚愕している。そして興奮している。
これから書かれる本が、30年前に書かれていたという、なんて奇妙な感覚。

ふとネットで検索したら、その方は1991年に四十過ぎで亡くなられていた。僕が学生の時(つまり僕が出会って数年で)亡くなっていたのだ。
こんなにも影響を受けている方なのに、そのことも今まで知らなかった。
その方の考え方に19歳で出会って、月日が経って、僕はいろんな経験もして、いろんな方と出会って別れて、そしていろんなことを憶えて忘れて、今の自分がいる。

僕が、今日それを知ったのは、この本を書く上で、きっと確かな”意味”があるのだ。
僕が、これから書く本は、いったいどんな本になるのだろう?
本を書くことは、その”意味”を探る旅でもあるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?