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人気のケーララ料理

ここ数年、南インド料理(ケーララ料理)のお店が日本にも大変増えてきました。私が初めてケーララに滞在したのは20年以上前になりますが、当時、ケーララ料理の美味しさに感動し、近い将来は日本にも南インド料理のファンがじわじわ増えていくのでは、と感じたことを覚えています。種類豊富、とくに米粉を使った数々の朝ご飯アイテムには、日本人の口にあうテイストのお料理がたくさんあります。

初めて食べたエビのビリヤ二!(2002年撮影)

カラリ教室の生徒さん達の間でも、ケーララ料理は人気ですので、カラリ教室の新年会は、南インド・ケーララ料理のお店「サウスパーク大島店」を貸し切りにしてミールスを中心としたお料理をアレンジしてもらいました(写真は今年の新年会の様子)

「サウスパーク大島店」で新年会!(2023年2月)

サウスパーク大島店は、マドゥさんとサティ―シュさんというケーララ人のお二人が料理をつくっています。サティ―シュさんは、実は美声の持ち主、昨年のケーララ人協会(日本カイラリ)主催のタレントショーでは日本の演歌のような歌で歌唱力を披露していました。マドゥさんは働きもので、カリーに限らず、ピクルスや、パン類、スイーツもいろいろ得意です。ケーララのスイーツにもいろいろありますが、今日はパヤサムについてお話します。

カダラパヤサムと剣の形の焼き菓子

通常、ミールスを注文すると、デザートとしてパヤサムがついてきますが、今年の新年会にお店で用意してもらったのは、普段お店のミールスでは出していない、カダラパヤサムという特別なパヤサムでした。パヤサムというと白いミルクベースのものを目にすることが多いかもしれません。(ミルクとお米を煮こみ、カルダモンなどのスパイス、ギーと砂糖で味付けした一般的なパヤサム)
実は、パヤサムには、お米ではなく豆類や、他の穀物をベースにしたものもいくつかあります。カダラパヤサムもその一つで、チャナ豆とレンズ豆がベースになっています。そして、ヤシ糖を使っているので、茶色で、まず見た目からちょっと違う。口の中で、ヤシ糖のやさしい甘さと豆の甘さがあわさって、ギーやココナッツミルクの濃厚な味わいもアクセントになり、舌触りもよく、一口食べたら止まらない食べやすさがあります。よくあるインドスィーツで感じられる、喉がしみるようなしつこい甘さはありません。
作り方はシンプルで、材料を順に混ぜ合わせ、根気よくかき混ぜていくだけなのですが、このかき混ぜ作業が大変に疲れる作業で、サウスパークのコックさん、マドゥさんの腕力のおかげであの美味しさが出来上がっているといってもよいです。ペースト状にした豆類(レンズ豆とチャナ豆)をギーと一緒に加熱しながら、粘り気が出るまでひたすらかき混ぜ続けます。粘り気が出てきたら、ドライジンジャーやクミン、カルダモンを加え、かき混ぜます。そこに、ヤシ糖のシロップ(焦げ付かないようにつくったもの)を加え、さらに数分ほど、練り混ぜ、かき混ぜ続けます。つぎに、ココナッツミルクを加え、弱火で4~5分、力強くかき混ぜ続けたところで、ココナッツクリームを加え、クリームの油分が分離しないよう、火からおろします。最後に、砕いたカシューナッツとココナッツをギーで炒めたものを加えて出来上がりです。
パヤサムは、ケーララでは、新年のお祝いや結婚式など、特別な日の料理に必ずといってよいほど出されるデザートで、ベースはお米だったり、セモリナだったり、豆類だったり、その他、糖類、ナッツ類やレーズンなどを贅沢に使用した特別なものなど種類がいろいろあります。好みもわかれるところですが、機会があれば、ぜひ食べてみてください。

種類豊富なマラバール地方のスイーツたち
どちらも卵やココナッツをふんだんに使っています。


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