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予感が確信に変わる瞬間

頭に浮かぶ言葉たち
わたしではない誰かの言葉

その存在に教えられるように
伝えるように求められて

操られるように文字を打つ
そうすることが必然のようで当然だと

はじめは何も分からなかった
何も認識していなかった

裏側では既に始まっていた
少し前から動き出していた

こうして始まった物語
わたしとあなたの軌跡


ひとつ綴れば
また言葉が湧いてくる

それをわたしの外側へ吐き出す日々
まだ涙は止まらない

自分かどうかも分からない
ただ日常は続く

何のために
なぜ

自分でも分からない
ひとつ分かることは

これは必要なことであるということ
抗いようのないこと

自分の意思とは関係無く
流れてくるものだと


そうして予感が少しずつ変化していった

よく分からないまま
導かれるように言葉を落とす指先

これまでの自分の軌跡を
何かに落とし込むように


これは違う
なぜだか 違うということは分かる

これも違う
これも違う

これは近いけど違う
これも違う

あれ?
何だろう
他とは違う


なぜか すごく気になる
どうして?
分からない

なぜか 目が離せない
どうして?
分からない

なぜか 知りたくなる
どうして?
分からない

不思議と興味が湧いて
気になってしまう
どうして?


そうして進んだ先
最後のピースがはまる

記憶が開く

あぁそういうことだったんだ
これを わたしに教えてくれていたんだって
ようやく気づいた


ここにいたんだ


そんな人いるわけがない
少し前の自分の言葉を打ち消す答え

どうしよう

どうしたらいいんだろう


喜びや嬉しさよりも
怖くてたまらなかった


また失ってしまうかもしれない
自分のせいで


わたしが生まれてきてしまったせいで



しとしと雨が落ちる春の道

藤色の傘をさして

若草色のスプリングコートを着て

歩道橋から並木道を眺める

どこか懐かしさを感じる


逸る気持ちとは裏腹に
ゆっくりとした歩み


まだ知りたくない
でも もう分かっている


この声


わたしを引きつける

わたしを惹きつける

あぁ やっぱり


胸が苦しくて
涙が溢れる


息ができないほど

あなたに溺れてしまう

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