【読書未満日記】6/13 食わず嫌い見つけた。久生十蘭

先日、noteを通じて教えていただいた久生十蘭のキャラコさん。
https://note.com/bookmemorandum/n/n5bad6d188448

移動中にぽっかりと手待ち時間が発生したので、思い立って青空文庫をのぞいてみました。
面白かったですね~。
木綿の下着を着ているからキャラコさん。剛子(つよこ)という変わった名前と本当にさっぱりと洗い上げた木綿のような性格の娘さんの物語。
まだ、数編しか読めていないのですが、つづきを読むのが楽しみになりました。

今まで、久生十蘭、名前だけは知っていたのですが、手に取ったことがありませんでした。
なぜなら、私の中で、横溝正史や江戸川乱歩と同じカテゴリの作家に分類されていたから。
創元推理文庫から出ている日本探偵小説全集、黒い表紙にフランス人形があしらってある装丁の全集の中で名前を見たので、これは「怖い話」と決めつけておりました。
ご紹介の記事を読んで、おや?こんな物語書いているの?と気付いた次第。

私が小さい頃、少し上の世代が「口裂け女」で盛り上がっておりまして、兄や従兄たちに散々脅かされました。学校の裏山に住んでいるらしい、とか、探検にいった男子が喰われた、とか・・・。今、思えば「口裂け女」って都市型の怪異のはずなのに、すっかり山姥と同化しているじゃないか、と突っ込みどころ満載なのですが。
結果としてすっかり怖がりに出来上がってしまい、兄の持っていた怪人二十面相などの装丁のおどろおどろしさも相まって推理小説=怖い話と思い込んでしまいました。

そのため、私がミステリを読み始めたのは高校生になってからです。高校時代の友人に「それ、勘違いだから」と「怖くないミステリ」を色々お勧めしてもらってからです。
しかし、怖がりは治らなかったので、江戸川乱歩や横溝正史系は敬遠気味で、ほとんど未読のままです。ミステリでなくてもホラー系は読まないことにしています。
他に読みたい本はたくさんあるから、有名作品でもあえて読む必要はないと思っているのですが、食わず嫌いで面白い本が埋もれていることもあるのだな、と気付いた次第。

馬には乗って見よ人には添うてみよと言いますが、本は読んでみよ、だなあ、とも。

面白い本を教えていただいて感謝しています。