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天然歯調整による縫合のズレとアンテリアガイダンス。下あごが上がるという意味、咬合器のセットに関して歯科医に伝えたいこと




咬合紙調整で天然歯の咬頭を削ってしまう先生がいます。
こちらの噛む面の咬頭をわずかに削るとかみ合わせが低くなります。

低くなるだけではなく咬頭が短くなるという事は上下の歯の横斜面の滑走の距離が短くなってしまい上の歯を下顎が乗り越えてしまう事になります。


このアンテリアガイダンスとは高く飛んで元の位置に戻るスノーボードを連想してください。

傾斜距離が短いと高く跳ねれない、つまり上下の歯は離れにくくなるのです。
また、義歯の咬頭を丸めすぎる技巧士さんがいますが、それはスノーボーダーが場外に飛ばされ安心して飛ぶことも戻る事も難しくなるイメージで、上下の歯の動きも同じなんです。壁が下の歯、スノーボーダーが上の歯みたいに傾斜が悪いと、戻るとき転ぶ、つまり歯で言うと干渉しますね。

歯は上下に噛むだけの役割だけでなく、顎と体の水平バランスをとっています。

歯の一部分の重さも関係しますので、薬を計る天秤のように微妙な盛りや削りで1歯の歯の傾きを変えてきます。


口腔内の安静位の確保は、様々な姿勢時にも1歯のポジションから歯がズレ過ぎないような山谷、臼と杵の幅、斜面形状、そして筋肉バランスの均等によって作られています。


上下だけでなく対角線上でもアンテリアガイダンスが足りない、筋バランスが不均一のまま咬合を合わせると起きているときは良くても

寝た時に顎がズレ、乗り越えた場所で当たる歯を生態的に歯ぎしりして調整するようになります。


奥歯が摩耗すると下顎が頭蓋の方へ押し込まれ最終的にフェイスラインから首、鎖骨、肩関節の筋肉が収縮して顔と首の境目が太く短くなってきます。噛む衝撃から力のコントロールでもして頭蓋を守ろうとしているのでしょうかね?。


イメージはこんな感じ

模型を取る際に上顎奥の土手と下顎奥の土手までを採取する必要があります

。土手同士がぶつかっていることに気が付けないことがあるのです。土手同士がぶつかると目がシバシバしてきたり、顎が回避するようになって不調を招きます。模型は奥の土台迄とるようにした方が絶対にいいのです

土手同士がぶつかっている。模型は土手が切れています。



下顎が後退している場合において、咬合接触が臼歯の1歯や2歯しかない場合、生態が有害な早期接触を避けるように顎が3次元的に咬頭嵌合位に位置ずけていることがあります。


その臼歯が咬合して下顎頭がこれ以上後ろに行かないように抑えられていたものが、早期接触を取ってしまう事で下顎頭の位置(プログラミング)が変わってしまう事があります。

元々関節結節の前下方に位置していた下顎頭が、抑えが無くなったことで上に上がってクリアランスが喪失してしまい、支台歯が上顎の歯と当たっちゃう様になります。


下顎が上へ上がって上顎の奥の口腔の隙間と下顎の口腔の隙間が無くなると、奥歯しか当たらない、そして前歯は開口となり、下顎が噛む度に頭蓋を押して頭蓋の縫合面に悪い刺激を与え続けますし、やがては下顎頭の固い部分が崩壊して海綿骨がむき出しになってしまいます。
また、上顎と下顎を繋ぐ筋肉が不用意に収縮され、下顎の支点の回転の軸が無くなると、本人の意思やストレスと関係なく常に噛みしめるようになります。



しつこいですが、天然歯は頭蓋の縫合と長い時間をかけてバランスしています。それを容易に削る事で写真のように下あごの噛む位置が前方へ上がりそれと共に下顎頭の角度が変わって噛む支点の移動を起こしたり、口腔周りの筋肉バランスが変わって噛む位置が変わってしまいます。噛む面には僅かにモンソンカーブがあり筋肉とバランスをとっていますから、その傾斜が無くなると今度は奥歯が当たってきて奥歯も低く削る羽目になります。

奥歯の天然の部位を削るとそれまでの下顎頭と側頭部のプログラミングが解けて噛む度に下顎頭と側頭部で噛んでいるような状態になります。
また、

筋突起が角度を変えると頬骨と上顎骨の縫合面を押すので痛い、頬骨が出て風貌が変わってきます。筋突起が当たるので45を削っても上下隙間ができて噛まなくなってしまう事があります。


筋突起が当たって噛めない

しかし人の体はすごくて噛まなくなった上顎45は1日くらいで降りてきて噛むようにはなるのですが根が見えてまるで根をブラッシングしすぎた歯の根のように見えてしまい不格好になります。歯が降りてくるなら何のためにけずったの!!?という事になり削った事をくやみます。

筋突起が当たったり下顎頭が頭蓋を押すのを回避するように首の傾斜を変えたり、場合によって下顎頭が摩耗したり、下顎粘膜部分が移動して歯のアーチを大きくしたりして口腔内を維持してしまう場合があります。

軟口蓋についている筋肉により軟口蓋は上下し、蝶形骨をまたいでいますから容易に頭の角度を自然と変えることができます。

首の傾斜を変えたり舌の位置をバランスして姿勢は保たれます。

飛行機の翼を連想させるような絵柄ですね。

上顎と蝶形骨の間に挟まれた軟口蓋は筋肉によって上下運動が出来、蝶形骨の角度だけでなく

上顎骨の後方の角度もわずかながらに変えます。

それが出来るような構造になっているのです。模型は磁石が付いていてわかりませんが本来磁石はありませんので、磁石を外すと、全ては筋の引っ張り合いで容易に僅かに回転することがわかりますし、縫合面は体重ほどの噛む力によってミクロレベルでたわめるように大人になってもくっついてはいないことを感じ取れます。縫合面の部分が頭痛して教えてくれます。凄いですね。

歯医者様は一連の流れをご存じの上で、天然歯を削ってしまうのでしょうか?どこまでご存じなのでしょうか?
例えば前歯の裏を研磨することで、その周りの筋肉の繋がりが連鎖して鎖骨がVの方角へ引っ張られます。前歯の頬側やベロ側の厚みを薄くすると下顎が前にきます。当たる面の調整より噛む位置を大きく変えることがあるのです。

それは時間差でナメクジが収縮するように10分位したら変わってきます。
シリコンバーでこするレベルで前歯の先端は調整しないと削りすぎてしまい、前歯の滑走がうまく届かなくなると途端に舌が引っ込んで顎が下がるというか上がる場合があります。


また、

一番奥の歯か、7か8のどちらかの遠心舌側が舌の根元が乗るように本来の歯はなっています。きれいに歯の向きを変えてしまう事によって舌は一瞬で奥へと引っ込んで落ちてしまうのです。


赤い印の個所は何度も試しましたが、面白いくらいに高さではなく幅を咬合紙1枚くらい舌側側に足してあげると一瞬にして舌の奥の位置は上に上がります。何度試してもです。逆にそぎ取ると瞬時に舌は落ち奥へ引っ込みますね。

更に図のように歯列溝も真っすぐじゃない方が顎も下がりにくくなっているのです。
その人の成長過程においていいように歯は工夫されてきます。反復横跳びもこの上の図の右の歯列の方がしやすいのです。こちらを右の歯列から左の歯列に治したとき、これまで50回くらいフルスクワットが出来ていたものが3回くらいでへとへとになり力が入らない事となりました。先生に、向きを戻していただきました。ウンチ座りからの立ち上がりがとても楽です。

ついでに78の膨らみ幅は視力や股関節の動きにとても関与しているのです。



筋肉に関してこちらを参照して復習するのもよいと思います。


http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~yasaka/H20rinkiso-kin.pdf

首とは全身の関節の動きと連動してしまう事をご存じない先生も多いのではないでしょうか?例えばお年寄りが腰を丸める筋肉も首にあり、その筋肉をたどると内側のまた内側の筋肉、つまりかみ合わせと関与しています。

頭蓋と下顎の関係や歯は首や肩、仙骨、尾骶骨、足の距骨までも連動した流れがあり調整されていくのです。


首の筋肉は横隔膜を動かす
神経は繋がっているので先端部分関節のねじれの変化を痛みとして伝える
内臓を収縮
下顎の位置とポジション
内臓への影響

下の写真は合わないマウスピースをして寝た翌朝出た症状となります。
強い薬でも半年かかると言われましたが、薬は1-2度でやめて、咬合調整するたびに数週間もせずに消えすっかり良くなりました。
片方だけ耳の後ろがかぶれている場合、下顎頭が上がっている場合が多いです。



最後に咬合器にセットするときが一番狂うという事を伝えたい。


本人の前歯はこんなに空いていませんが、前歯がこんなに空いてしまっては怖くて奥歯を入れれませんでした。このような状態で咬合器にsetされては非常に困ります。奥が上がりすぎています。45も噛んでいません。

本人はこんなに空いていないし45は噛んでいました。
奥が上がりすぎてのセットの為、実際の咬合とチューイングサイクルと大きな違いが出てしまいます。
回転してセットされている
中心のズレ
模型の上顎部の面の削り方で高さが違う


模型の角度どうりに本人も二重顎になった

上手く咬合器にセットするのは結構至難の業です。奥歯と前歯の位置関係を正しくSETする(傾斜の間違い)ことが大事です。

咬合器にセットしてから義歯を作るのではなく咬合器にセットする前に奥歯と前歯の関係や、45のかみ合わせを見て、滑走させて義歯を加工する必要があります。そうすることで噛んでいない咬頭の何処に足しても大丈夫か、何処の咬頭を作れば奥は開くのか、アンテリアガイダンスの状態やガイドはどうかなどがわかります。口腔内では見えない部分、内側の咬頭の様子など、手のひら上で模型を滑走させてみることがとても大事です。ピン(前方にある棒)を頼りにではなくではなくキチンと噛ませて滑走させるのです。

大体天然歯の形の意味が解ってきます。噛んでいない箇所の咬頭を作る事により、奥歯が大きく開くさまがわかるでしょう。奥歯が決まらなければどの位置で作ればよいか技工士さんはわかりません。たとえ間の義歯であっても全体の模型が無ければ技工士さんは上下関係しかわからず傾きがわかりません。前歯や奥歯、支点、診る所が沢山あります。

奥を高くすると入らないことがあるのでどうしても奥を低くしがちなのかもしれません。干渉が怖くて山谷をあまり付けないのかもしれません。実際は山谷を滑走するので安静位空隙はできるのです。

奥を低くしすぎても、下顎が上がってそれなりに入ってしまう為、殆どの場合において奥が低すぎるために具合を悪くしている人が多いように見受けられます。

おまけで、患者的に噛み合わせとは噛み心地であり、ちょっとしたザラザラや歪な出っ張りは舌にとってはとても気になる存在なようなんです。


歯に物が挟まっていると取りたくなりますよね。
気にするな?といいますか?
それに慣れるという事は、不潔に慣れるという事でもあり、加工が中途半端な義歯に慣れる事は清掃されてない歯にも慣れてくるという感じなんです。。お年寄りの歯はいかがでしょう?

噛み心地、舌のお役目的に

口腔内の噛んだ時の違和感は噛む面でもないマージン部位の歯茎との接触部位(はみ出し)や内面の適合が悪い時にもしっくりこないと感じてしまうんです。

そういった歯は噛む力で倒れてきたり、歯周病になってしまいます。

自費治療を高いものだと患者に伝えるためにはこういった内容をしっかり把握し頭に叩き込むことで、ごじゃごじゃ話してくる患者に対して、いつでもすらすら小学生にもわかるように説明できるスキルが必要なのではないでしょうか?

私は言うは易し、行うは難しと感じており、実際にzoomなどを通じて活動していきたいと考えておりまして、実際には出向きボランティア活動したいと考えています。私のYouTubeチャンネルには悲痛なコメントが来ていました。
細かい話、こちらの材料は光で固めるとさほど膨張しないのに対し


こちらの材料は光で固めた際にかなり膨張して噛んで合わせた際にかみ合わせが高くなってしまいます。そういった詳細事項が沢山あります。


ご興味をお持ち下さった先生、技工士さん、お声がけ下さればありがたいです。







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