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【恋愛を長続きさせる秘訣】ドーパミンから今この瞬間への移行

ある人類学者が示すところによると、私たちが恋愛初期に抱くあの燃えるような高揚感は12カ月から18カ月しか続かないそうです。

なぜでしょうか?

結論から言うと、ドーパミンが出なくなるからなんですね。

したがって、パートナーと長期的に良好な関係を築いていくためには、脳の使い方を移行していく必要があります。

すなわち、ドーパミン系から“今、この瞬間を味わう”H&N系へ。

ここではドーパミンに関する最新の知見を元に恋人(あるいは妻・夫)と生涯に渡って友愛関係を維持する術をお伝えしていきます。

恋愛初期の高揚感が続かない理由|ドーパミンの正体

恋愛初期のドキドキする熱愛期間を生み出しているのは紛れもなくドーパミンです。

ただしドーパミンとは、快楽を生み出す物質ではなく、「期待」に対して反応する物質なんですね。

つまり、ありきたりなものや、一度手にしたものは得られる報酬を事前に予測できるのでサプライズ度が下がり、結果的にドーパミンは分泌されなくなってしまいます。

これを“報酬予測誤差”と言います。

ドーパミンに、満足という状態はありません。

もっと!もっと!と、私たちを駆り立てるモチベーションになる一方で、こと恋愛、異性とのパートナーシップにおいてはドーパミンの高揚感ばかり追い求め過ぎると、長期的に良好な関係を築くことは難しくなってしまうというわけです。

ドーパミンと対比する回路|H&N系とは?

では最愛の人との関係性を長期間良好に維持するためにはどうすればいいのでしょうか?

そこで重要なのが「H&N系」です。
(具体的には、セロトニン・オキシトシン・エンドルフィンなど)

HとはHere、NはNowのことを指しています。

すなわち、“今、ここ”から喜びや満足感を引き出す脳の使い方のこと。

ドーパミン系が未知・新奇なものに対するワクワクなのに対してH&N系は一度手にしたものから親しみのある喜びを生み出します。

恋愛では、12カ月から18カ月の間にH&N系を活性化し、“熱愛”から“友愛”へ上手く移行していくことが求められるんですね。

ただし、ここには一つ問題が…

生まれか?育ちか?|遺伝的にドーパミン活性が高い人

実は、ドーパミン活性が高いのか、それともH&N系の活性が高いのかは、生まれつきの遺伝子によって強く影響を受けるようなのです。

例えばドーパミン活性が高い人は、何か(お酒、ギャンブル、タバコ、薬物など)に依存しやすかったり、優れた創造力を持つ傾向があり(天才アーティストなど)、目的・目標の為ならどこまでも突き進める(創業経営者など)などの特徴があるのだそう。

一方でH&N活性の高い人は、保守的で、刺激をあまり追い求めなくても楽しめるタイプ。

もちろん私たちの性格や人格は複雑な要素の混ぜ物なので遺伝情報が私たちの行動・思考の全てを決定する訳ではないし、環境や過去の経験も影響するのは明白ですね。

具体的な対策方法|H&N系を脳回路を活性化せよ

ということで、もし恋愛関係を長続きさせたいのであれば、もっと!を追い求めるドーパミン系を抑制させ、今この瞬間を楽しむH&N系を活性化させるといった戦略が有効になるわけです。

ではその方法をいくつか紹介いたします。

・手を使って何かを作る(編み物、裁縫、ぬり絵など)
・自然の中に身を置く
・マインドフルネス瞑想

またより重要なのは、ここまでの知識をきちんと理解した上で、認知を変えていくことだと思います。

付き合って1年半経てば報酬予測誤差が低下するので、恋愛初期の高揚感は感じ取れなくなるけど、心が深く繋がった彼女(彼)と一緒にいるときの安定し、落ち着いた愛情からもたらされる幸福感は人生を必ず豊かなものに格上げしてくれるでしょう。

まとめ&ラストメッセージ

いかがでしたでしょう?
(もし質問や相談などがあれば気軽にコメ欄に打ち込んで下さい😏)

今回は、身体作りの専門家による恋愛講座をお伝えしましたw

結局のところ私たちが経験する感情は、その場の状況から生き残る確率を高める行動を促すように、脳が計算した結果に過ぎません。

その計算結果(=感情)は、祖先たちが進化的に獲得してきた教訓の賜物です。

また、私たちの意識にはそこで行われるプロセスに関与する権限を一切与えられていないのです。

だからこそ自然と沸き起こった特定の感情を無抵抗に受け取った後で、その意味を自分がどう解釈するのか今一度熟考できるように、その場の感情から一歩距離を置くことが重要となるのでしょう。

ドーパミンがもたらすドキドキ・ワクワクを追い求めすぎると、サプライズ度が高い新奇な体験を永久に探す必要があります。

その野心が、これまでヒトが発明してきた全ての進化を駆動しました。

ですが、唯一無二の他人と最愛で最良のパートナーシップを維持するには、ドーパミンの特性はむしろ足枷になります。

燃えるような高揚感もいいけれど、一旦ドーパミンを黙らせれば
“今の目の前にいる人”から、成熟した喜び・楽しみ・幸せを感じとれるようになるはずですよ。

では皆さんの健闘を祈っております😎

[引用図書]
もっと!
〜愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学〜
ダニエル・Z・リーバーマン著

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