見出し画像

臆病なFRBと日銀だが円高方向

2月中旬からドル円相場が150円程度で推移しています。

理由のひとつが米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のいたことです。1月の賃金上昇率が高まったことや高官発言などから、利下げは6月開始、3カ月に1度0.25%ずつというゆっくりしたペースを予想します。

アメリカのインフレ率は3%台前半まで低下しており、5.5%の金利はかなり高いと感じます。FRBはインフレ再燃となることを大変恐れており、現状に合わせて金利を早々に引き下げることに臆病になっているようです。高金利でも経済は目に見えては悪化しておらず、高めの金利でもしばらく大丈夫とみているのでしょう。

一方、日銀は、春闘による正規社員を中心とした給与のベースアップ率の行方を気にしています。インフレ率が高まってもこれまでなかなか十分なベースアップ(ベア)が実施されず、アメリカとは逆にインフレの持続性に自信が持てない状態でした。

ここで、ベアが十分高くなれば、いよいよ日本も持続的にインフレになる可能性が高まります。デフレに逆戻りすることを強く警戒する日銀も、ベアが十分であれば少なくともマイナス金利をやめて政策金利を0.5%にするでしょう。ベアは毎年春に行われるので、3月から4月にかけて政策変更の可能性が高まります。

日銀が4月までに利上げ、FRBが6月に利下げとなれば、今年後半はいまよりも円高になるとの予想となります。現状のままとは考えていません。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?