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たこ焼き屋のビジネスプラン

現役のたこ焼き屋さんに失礼があってはいけないのですが、以前、たこ焼き屋は意外に儲かる、という話を聞いたことがあります。
冬の夜、会社帰りの駅前でいい匂いがしてきたら、思わず買って帰りたくなりますよね。
もちろん、儲かるか儲からないかは、店の立地やそこにどれくらい人が集まるか、そして何よりも美味しいと思ってリピート客になってくれる人がどれくらいいるかということなのですが、リアルな儲け話ではなく、たこ焼き屋を始めるということを起業マインドの育成のために使ってみたいと思います。

実際に、以前いた会社で、若い人たちと経営学の勉強会をしていたときに、たこ焼き屋のビジネスプランを作るということをやってもらったことがあります。
みんな結構真剣に取り組んでくれて、アメリカに進出してアメリカのテイクアウトの文化の中で勝負するプランや、味そのものを現代風にアレンジして、若い女性にターゲットを絞ったアイデアなどは、実際にサンプルを作ってみんなで評価したりと、起業家マインドを作るという意味においては、それなりに効果があったのだと思います。

でも、振り返ってみると、少し物足りなさを感じていました。
どれも面白いアイデアだし、可能性を否定するものではないのですが、やはりどれも本当にできそうな気がしないのです。もちろん、たこ焼き屋をやるというのは、こちらから出した「お題」なので、だれも本気でやろうと思ったわけではないのも事実なのですが、たとえば、鉄板や屋台、火力源などは、どこに行けば手に入るのか、駅前に屋台を出すとなると、出してもいい場所なんてそもそもあるのか、あるとしたらどういう届け出なり許可が必要か、費用はどれくらい?などなど、つまらない疑問が次から次へ浮かんでくるのですが、そういうことが、すべて解決されてないことへの不満ではなく、そこへ行きつかなければならないという「気づき」というか「気合い」というかがないのです。

もちろん、まずはラフに見積もってと思っているのかもしれないし、そういうアプローチが間違ってるわけではないのですが、わからないこと、やらねばならないことを全部洗いだそうという「考え」に至ってないことが一番の原因ではないかと思うようになりました。

食べ物の商売なんかやったことのないサラリーマンが、自分でたこ焼き屋を始めるには、どれくらい自分が無知であるかを知ること、その足りない知識を一日でも早く手に入れるには、今日と明日なにをやるのか、誰に助けを借りるのかを短期間に考えて実行できることが、起業ができる人の条件なのかもしれません。

そういうことって訓練では難しいとすると、本当に追い込まれればできるのでしょうか?もちろん出来る人ってそれなりにたくさんいるのでしょうね。実際にたこ焼き屋さんをやっている人は大勢いるわけですから。
でも、本気になれば誰でも本気のプランが作れるのかというと、やはり疑問があります。

さてさて、本物の「たこ焼き屋のビジネスプラン」を作るとなると、前述の問題だけでなく、きっと進むにつれて越えなければならない問題がたくさん浮かんでくるのだと思います。
「たこ焼き屋のビジネスプラン」コンテストなるものを将来企画してみたいと思ってます。

ご意見などいただければ大歓迎です。



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