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Green Card 狂想曲(2)

永住権、Green Cardを取得した時の話。その1はこちら

というわけで、入籍後、Green Cardの申請の用意を始めたのだけれども。米国市民(私の場合は、アルゴ)がスポンサーとなって永住権の家族申請をする場合、経済的にサポートするだけの収入が十分にあることを証明することが、重要な条件であり、移民局のガイドラインによると、生活保護が必要になる収入の125%以上の収入が必要となる。スポンサーをする市民に結婚する相手以外の扶養家族がいない場合は、最低1万8212ドルの年収が必要(入籍当時の金額)

……もう、ハナっからの大困難なんである……

なんせ当時のアルゴは、大学生。バイトはしていたが、私の収入が生活を支えている状態。日本円換算で12,063,203.23 円…一千万円てそんな収入あるわけないじゃん。ばかなの?私にだってそんな年収ねぇよ。

ということで、私の収入に加え、アルゴおば(3番目のおばさんで、大都会に住んでいる)に保証人というか、ジョイントスポンサーになってもらった。申請人(アルゴ)に経済サポート能力がない場合、親、友人などを「ジョイントスポンサー(米国人に限る)」にすることができるのだ。要は保証人である。

で、そこをクリアしたとて。御覧いただきたい……必要書類リスト。
I-130:Petition for Alien Relative
I-130A:Supplemental Information for Spouse Beneficiary 
I-864:Affidavit of Support 
I-485:Application to Register Permanent Residence or Adjust Status
I-693:Medical Examination of Aliens Seeking Adjustment of Status
I-765 :Application for Employment Authorization (optional)  
I-131:Application for Travel Document (optional) 
G-1145:E-Notification of Application/Petition Acceptance (optional)

さらにこれ、1つ、1つの書類ごとに、あれだせ、これだせ、って付属のもろもろを付け加えられる。
◇手数料
◇両方のパスポートサイズ写真
◇米国市民権または永住権の証明(州の出生証明書、米国のパスポート、帰化証明書、市民権証明書、永住者カード(グリーンカード)など)
◇結婚証明書
◇共同財産の文書、二人が一緒に住んでいることを示すリース・共同の財源の証明、真正な結婚をしていることを証明する証拠
◇日本人である妻の戸籍謄本とその英訳
◇税金関係の書類。
◇ファイナンスに関する書類
◇私の健康診断と予防接種・ワクチンの記録。ちなみにこれ、指定されている病院にいかねばならない。
◇パスポート、ビザ、I-94(あれば)、I-20またはDS-2019のコピー
◇出生証明書
◇I-94記録、パスポートスタンプ、ビザなど、米国への合法的な入国の証明
◇USCIS承認通知、I-94記録、フォームI-20、パスポートスタンプなどの現在および過去の移民ステータスの証明
◇刑事告発、逮捕、または有罪判決の認定された警察および裁判所の記録(該当する場合)

リストをみただけで眩暈がした

これに加えて、私は「就労ビザ」からのビザの変更。そのための就労ビザ返納、更新という別の手続きもせねばならなかった。で、その変更、更新のために必要な書類、証明書は、ほぼ上記にあげたものと同じものである。

良かった……弁護士さん雇って……こんなん、私とアルゴのみでやっていたら、完全に積んでいた。書類諸々を集めるのは、私(とアルゴ)の仕事とは言え、きっちり確認してくれるというのはかなりありがたかった。

私のボスは、弁護士資格持ちの人なので、誰か国際結婚とかビザに詳しい弁護士知らない?というとこから開始し、ボスの友人弁護士を紹介してもらい、さらにそこから、ビザ、国際結婚に詳しい弁護士さんを紹介してもらった。それがまず一つ目のラッキー。伝手でもなけりゃ弁護士捜しなんて大変な作業である。

二つ目のラッキーは、アルゴおばが快く、保証人・ジョイントスポンサーになることを引き受けてくれたことと、彼女にそれだけの財力があったこと。

あと、Tattooの話でも書いたが、私は病的なほどにスクラップブック作りとか、記事などをまとめ、ファイルにするのが好きで、渡米してからそれまでのすべての書類、ビザから学校の入学通知、学費の領収書、年間の収支をまとめたノート、税金関係の書類、アパートメントの契約書類、とにかく思いつく限り、すべての重要書類を年代、タイプ別にまとめ、保管していた。それがめちゃくちゃHelpになった。自分のものも、アルゴのものも。写真や手紙、季節ごとのカードや誕生日のカードも同様に年ごとに箱にいれてまとめていたので、提出する用のファイルを作るのにかなりの時間が節約できた。

あまりにもかっちり、きっちりと書類や必要文書をまとめたため、弁護士が真顔で「僕の助手にならね?給料はいいのよ、うちのオフィス」とリクルートしてきた。うふふ、だってオタクですもの。コレクション、ファイリングは大得意なのである。

ちなみにアルゴは、こういった書類等まったく頓着しないうえ、義母もまたそういう書類だの、写真だのそういったものをきちんと保存する人ではなかったので、入籍する時、アルゴ側の書類集めで大変な時間を食ったのだ。入籍してすぐにグリーンカード申請の作業に移行したので、アルゴに関する書類はすぐに用意できた。

当時、私は母親に絶縁されていたため、日本にいる他の親族とも連絡を絶っていたので(……なんでと聞かれれば、ほんとなんで?って感じだが、義理堅いというか、まぁ、絶縁、家の敷居をまたぐなと言われたからには、きょうだいや親族たちとの連絡もとるなということなのだろうとなぜか思い込んでいた)日本の書類、戸籍の写しとか、そういうのどうしようと思っていたのだけど、地元の市役所の担当さんが素晴らしく良い人で、迅速かつ丁寧、神対応をしてくださったのも幸いだった。

ラッキー、幸いまみれである。さらなる幸いは、多くの必要書類には、Notary(公証人)といって、法務、特に文書の署名を目撃する行為を行う権限を与えられた人の署名(スタンプと本人署名)が必要だったのだけど、これもオフィスのボスがNotaryの資格持ちだったので、本来なら銀行だとか、役所だとかで証明してもらわなければならないところをオフィスであっさりと、しかも無料で(本来ならいくらか経費をとられる)公式文章化できたことだった。

面倒なことばかりだったが、とにかく、一つ、一つ、チェックリストを作り、こなしていくしかなかった。約3か月強かけて、最終的に私が集め「結婚の証拠」的なものと提出を必要とされた書類をまとめたファイルは、幅10センチほどのファイル2冊分弁護士さんがまとめ、提出した書類は、書類のみで200ページ超えのものだった。

これは、グリーンカードの申請と、就労ビザからのグリーンカードへのビザ移行の2種類の手続きの分。自分ですべてのものを集め、記入し、グリーンカードを申請する人も多いらしいが、私は弁護士さんに頼ってよかったと心から思う。膨大な量の書類。しかもミスは決して許されない。なので費用はかかったけれど、プロにお任せしてよかったと思う。

そして、コレ。◇刑事告発、逮捕、または有罪判決の認定された警察および裁判所の記録(該当する場合)

これである。実は、弁護士を雇った大きな理由の一つがコレでもある。過去Noteでも書いているが、該当しとるんよ。すまんな……ということで。次回は、特にこの部分に焦点を当てた話、移民局での面接の話を書いてこのお話を終わろうと思う。

そういえば、タイトル、Green Card狂想曲であるが、もともとは、『お揃いTattooを見せてグリーンカードを取得したでござる』というタイトルで書くつもりだったのだが、タトゥーの話が長くなったので、別に書いたのだけど。そのタトゥーネタもまた次回で。

(続)



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